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「信じる」という詩をご存知ですか?【谷川俊太郎】
先生が好きな詩「信じる」とは?
こんにちは、幸代です。
今日は、谷川俊太郎さんの詩「信じる」です。
私も先生の影響を受けて好きになったこの詩を紹介します。
なぜ谷川俊太郎の「信じる」なのか理由
①国語の先生が個人的に「自分が好きな詩」と紹介していたから
②教科書に載っていない詩を選んで授業した思いの強さに惹かれたから
③先生が美人だから
そこのアナタ、美人は好きですか?私は好きです。優しくてはんなりした美人は特に好きです。国語の先生は知性ただよう和風美人でした。和風美人で美人教師とは羨ましい。短い詩なので、全文紹介しますね。
信じる 谷川俊太郎
笑うときには大口あけて
おこるときには本気でおこる
自分にうそがつけない私
そんな私を私は信じる
信じることに理由はいらない
地雷をふんで足をなくした
子どもの写真目をそらさずに
黙って涙を流したあなた
そんなあなたを私は信じる
信じることでよみがえるいのち
葉末の露がきらめく朝に
何をみつめる小鹿のひとみ
すべてのものが日々新しい
そんな世界を私は信じる
信じることは生きるみなもと
谷川俊太郎 「信じる」より
先生の説明はこのようなものでした。
授業のテーマは「信じる」を読み解くことで、私たちの「信じる」ということを確認しましょう。
第一段落の「笑うときには〜うそがつけない私」は、
・自分の感情をそのまま出す様子
・ありのまま が描かれていますね。
第二段落の「地雷」は人為的なものですよね。
・辛い現実をみつめる
・「黙って涙を流す」=「あなた」が、嘘がない様子を現していますね。
第三段落は、「私」「あなた」から突然「世界」へと飛躍しています。
「葉末の露がきらめく」は爽やかな印象。
「朝」は1日の始まり、「小鹿のひとみ」は純粋さを。
「小鹿のひとみ」「日々新しい」新しさを現していますね。
先生からの課題
この説明のあと、先生からの課題が出ました。
課題
① あなたにとって「信じる」とはどんなことでしょうか。
自分が信じている人や事柄を思い浮かべてみてください。
どんなときに「信じる」という言葉を使いますか?
②詩の中の「私」が信じる「私、あなた、世界」に共通していることはなんでしょうか。
・・・これを書いて提出しなさいというものでした。
こんな短い詩に対して、みなさんここまで考えますか?私は考えないです。なるほど、国語の先生ってこういう詩でも深く考えるものなのね…と思いつつ課題を提出しました。
谷川俊太郎「信じる」を読みました。
①あなたにとって「信じる」とはどんなことでしょうか?
『私は看護学校に入学前は乳児院(児童養護施設)で保育士として働いていました。入所する乳幼児に対して「人を信じられるようになること」は乳児院倫理綱領に載るくらい、人として生きる基盤となるものです。
私が考える「信じる」こと。自分が生まれてから日々繰り返し繰り返し与えられた、大人からの愛情と養育により培われた自分の基盤です。
新生児として生まれてすぐに獲得出来るものではなく、自分の命や尊厳を大切にしてもらって少しずつ自分を信じ(肯定し)、人を信じられるようになるのだと思います。
信じるとは、生きること。生きるのに必要なあきらめない努力と希望は、信じることで得られます。』
②詩の中の「私」が信じる「私、あなた、世界」に共通していることはなんでしょうか?
『共通していることは、「私(自分)」「生きていること」「受け入れること」「見つめること」です。最初に自分の存在を肯定し、生きていく中で「私と私」「私とあなた」「私と世界」を受け入れ、見つめて行く事が出来る。ずっと同じものはない。だけど私は自分に希望が持てるし、あなたにも世界に対しても素晴らしいところを見つけられる。
自分を信じることに理由はいらないし、私が信じることで、私の命もあなたの命もよみがえらせる。この世界を信じることで、私は生きていける。それが私のみなもとになっている。そのように考えました。』
谷川俊太郎「信じる」が入った本がない?
先生からお返事がきました。
「幸代さん 課題を受けとりました。とても興味深い考察です。月曜の授業もよろしくお願いします。 」〇〇〇〇(先生の名前)
あれ?これ…先生にとっては微妙に間違ってる解釈が来たけど、失礼のないようにお返事したって感じじゃない?
私はなんだか谷川俊太郎が気になってきて、検索してみました。
谷川俊太郎とは
①1931年生まれで、現在もお元気
②詩人、翻訳家、絵本作家、脚本家
③代表作「もこもこもこ」「生きる」
「もこもこもこ」!!
幼少期に触れた方や、お子さんがいる方ならピンと来るかもしれません。
この話は本当に不思議な世界観で、「なんだろう?」で頭がいっぱいになります。でも子どもたちには大人気。
乳児院で仕事していたとき、発達がゆっくりな子が、まだ字も読めないのに「もこもこもこ」は全部覚えて話してくれました。あの時は感動したな…。
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「生きる」も、私の小学校時代の教科書に載ってましたね…。懐かしい。また読みたくなりました。
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ここで、「信じる」はどの本に載っているんだろう?と気になりました。
先生が題材にするくらいなら、「生きる」みたいに絵本になっているかも。
…しかし、ネットで検索したけどありません。
本屋に行き探してみました。でも、ありません。
図書館で探そうかと思いましたが、現在図書館はコロナで制限付き開館中で、館内を探すことは出来ません。どの本か解らない。
困った…。そうだ、わからないなら国語の先生に聞けば良いじゃない!国語の先生に連絡してみました。すると、先生からお返事が来ました。
[box class="box3"]授業でお話しする予定ですが、この詩は実は合唱用に作られた詩です。あとから2006年に刊行された『すき』に収められています。[/box]
「信じる」が入っているのはこの本!
そうか!!合唱用に作られた曲だから、本が見つけられなかったのね!ネットで「信じる 合唱」で検索すると合唱の動画はたくさん出てきました。先生が教えてくださった「すき」は、この本です。
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美人教師な先生の伝えたかったこと
その後の授業での先生は、「たくさんの意見をいただいて嬉しかったです。」と話していました。
[box class="box3"]先生の伝えたかったこと
①信じること。信じることは、生きることと切り離せません。「信じる」ことは希望と期待が込められており、生きていく上でのよりどころとなるものです。でも、自分の「心」の問題であり、客観的に誰とも共有出来ませんね。よくポジティブに使われますが、危険な要素もあります。
②私、あなた、世界の共通点は、だんだん視点が広がっていますね。小さな子の成長過程そのものだと思います。人生の歩みとの重なりと、その中で変わらない「本質的」なものが共通点です。私とあなたがもともともっている素直さや純真さ、世界は必ず朝が来ることは変わりません。[/box]
谷川俊太郎さんが語ったこの詩について
この本の中で、谷川俊太郎さんは「信じるという言葉が歌になった場合に、力強いものになるように書いた」などその他、いろいろこの詩についてお話しになっているようです。本の中にはいくつか書き下ろしの詩もあるので、興味があったらぜひ読んでみて下さいね。