ワークプランニング~コンサルティング業務に不可欠な最適資源配分
【Kearney流仕事術】#10
経営コンサルタントの生産性の高い働き方の裏には、努力することで誰にでも習得可能な “型” が存在します。 就活生や若手ビジネスマン向けに、弊社コンサルタントが現場で培った「問題解決の “型” 」を発信する連載『Kearney流仕事術(全10回)』最終回のテーマは「ワークプラン」です。
ワークプランニング~コンサルティング業務に不可欠な最適資源配分
コンサルティングのプロジェクトを行っていると、クライアントの方から「これほど短期間でこれだけのアウトプットを出してもらい感謝している」「一緒に働いていて、そのスピード感に圧倒される」といった言葉を頂戴することがある。経営コンサルティングの業務は短期間でクライアントに対してインパクトのあるアウトプットを出す必要があり、そのためにはワークプランニングによる最適な資源配分ができるスキルが非常に重要である。
今回は、コンサルティング・プロジェクトを進める際のワークプランニングの考え⽅をベース に、⽇々の業務にワークプランニングがどのように”活かせる”か、を紹介していきたいと思う。
<ワークプランニングとは?>
ワークプランニングとは、文字どおり「ワークプラン」を立てることである。つまり、“実行すべき業務を”、“どのような優先順位で”、“誰が”“いつまでに”実施するかを明文化したもので、プロジェクト全体のワークプランから個人レベルの日々のワークプランまで、さまざまなレベルを含んでいる。
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<ワークプランの重要性>
コンサルティング・ファームがクライアント向けのプロジェクト提案の内容には、「プロジェクト・アプローチ」と「想定アウトプット」、「主な論点と仮説」、「作業内容とスケジュール」、「チーム体制」などが含まれるが、この中でもアウトプットの質を担保するために非常に重要なのが、「スケジュール」と「チーム体制」である。
プロジェクトの提案書を作成するマネジメントレベルのコンサルタントは、「アウトプットを出すために必要な作業にはどのようなものがあり、必要な工数はどの程度で、どのような人員を配置することで想定したアウトプットを出せるか」・・・という問いに、過去の経験に加えてプロジェクトで起こりうるリスクを想像する力を働かせて、適切なスケジュール・体制を考えていく。言うまでもないが、プロジェクトや作業に取り掛かる前に十分に考えておくことが、その後のアウトプットの質を大きく左右するからである。
若手コンサルタントでなかなか結果を出せず行き詰まってしまう大きな原因の1つは、ワークプランニングの能力が未熟、あるいはその重要性に気づかずに、「悪循環」に陥ってしまうことである。うまくワークプランニングができていないと想定どおりに進まず、夜遅くまで作業を行うことが続き、結果として効率が落ちてしまう、あるいは、アウトプットが目的に合致していないため作業自体をやり直す、ということが起こり、ますます効率が落ちるという「悪循環」に陥るのである。
<ワークプラン作成の5つのステップ>
1. 目的を考え、目的に合った作業を洗い出す
業務には必ず「目的」がある。コンサルティング・プロジェクトで言えば、特定された課題の解決策の立案、仮説の検証等になるが、それらを実行するためにどのような作業が必要なのか、項目を洗い出し、実行プランを立てる必要がある。スタートポイントには常に「目的」があり、ワークプランの策定・実行・アップデート、どの段階においても「目的」に立ち戻って考えることが重要である。
2. 作業ごとの重要度を評価する
事前のプランニングの段階で、各作業の重要度を評価しておくことが必要である。具体的には、洗い出した作業が「Must Have」なのか、「Nice to Have」なのかを評価しておくことが重要である。「Must Have」な作業は、その業務の目的を達成するために絶対に必要なもの、「Nice to Have」な作業は、あれば面白いがなくても業務の目的は達成できるものと理解してもらえればよい。目的を達成するために真に必要なことに絞り込んだ上で、1 日単位のワークプランを作成していく。
3. 作業ごとの緊急度を評価する
作業の重要度を評価することに加えて、緊急度の評価も重要である。緊急度を検討する際は、期限はもちろんのこと、その業務に第三者が関わるかどうか、実行がどの程度難しいかという視点が重要である。どのようなことも自分以外の第三者が関わる場合、思うように事が運ばないことが多くなるため、第三者が関わる業務については慎重なプランニングが必要となる。
また、チームにとって難易度が高いと考えられる作業についても慎重なプランニングが必要である。実行が容易なものであれば、ある程度計算どおりに事は進むが、これまでにやったことがないなどの理由で難易度が高いと想定される作業は、時間が想定以上にかかる可能性が高く、チーム外の専門家や上司のサポートが必要になることもあるだろう。こういった要素もワークプラン作成時にあらかじめスケジュールに織り込んでおく必要がある。
4. 最適な役割分担を決める
プロジェクトでのチーム内での役割分担、作業分担を検討する際に、非常に重要なことがある。「プロジェクトマネージャー(プロジェクトのワークプラン設計者)が得意とする業務は、できるだけその人自身が行わず、部下が行うように資源配分する」ということで、このことが重要な理由は3つある。
1つ目は、通常マネージャーが得意とする業務は、今後部下もやっていかなければならない業務であり、会社や部門全体のスキルアップ、レベルアップのためには必要と考えられるためである。
また、部下にマネージャーの得意分野を任せることで、マネージャー自身はより難易度の高い業務に集中でき、スキルアップ、キャリアアップのベースとなる可能性があることである。この点も重要で、マネージャーは自分ができることだけをやっていては、キャリアアップが難しく、短期的に見ると非効率に見えるが、マネージャー自身、あるいは会社全体で見ても必要な取り組みだと思われる。
3つ目の理由は、マネージャーの得意な分野であれば、仮に部下の作業効率が悪い、もしくはアウトプットの質が低かったりとしても指導やリカバリーが容易なことである。
5. ワークプランをアップデートする
作成したワークプランをアップデートすることは必須である。コンサルティング・プロジェクトにおいて、ある仮説を検証するためのワークプランを作成したが、作業が進捗するにつれてその仮説が成り立たないことが分かり、新たな仮説が出てくることがある。その際に古いワークプランに基づいて作業を進めては、目的に整合しない作業をすることになる。作業が計画どおりに進んでいないときはもちろん、業務の目的が変化したとき、その他の要因も含めて必要に応じてワークプランをアップデートしていかなくてはならない。
<終わりに>
ここまでワークプランの重要性、ワークプラン作成のステップと考え方について解説してきた。最後に、ワークプランの考え方を活用した、誰でも実行できる日々の時間の使い方について考えてみたい。
前述の通り、ワークプランを作成することは質の高いアウトプットの創出につながる。そこで日々の時間の使い方としておすすめなのが、作業に取り掛かる前に、1 日のワークプランニングをすることである。頭の中で考えても、紙に落としてもよい。その際には、ここまでに述べてきたワークプラン作成のステップならびにポイントを思い出していただきたい。そして、1 日が終わった後、今度はその日の時間の使い方が最適だったか、ワークプランニングの視点で考えたときにどのような改善が可能かを考えることも有効となる。気づいたポイントをメモに取り、翌日からの時間の使い方に活かす。あるいは、1 日を振り返ってみると、実は目的を達成するために必要になる新たな作業内容があることに気づくこともあるだろう。
ワークプランを回し、日々改善していくことは、業務効率の改善やアウトプットの質の向上だけでなく、キャリアアップのため、またライフスタイルを充実させる上で意味のあることだと思う。
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