婦人科診察、検診は採血などと同様に通常は無麻酔で行いますが、麻酔の方法も存在します。 ①浸潤麻酔:膣の入り口に塗るゼリー状態の麻酔。膣の入口が痺れた感じになります。骨盤の奥や子宮口付近の痛みは取れません。 ②傍頸管ブロック、頸管内ブロック:麻酔薬を子宮の入り口に注射するもので麻酔自体にも痛みはありますが、器具で子宮の入り口を把持したり子宮頸管を広げる痛みの軽減が期待できます。 ③笑気麻酔:吸入することにより、酔っ払った感じになり不安や恐怖が軽くなる麻酔。痛みが取れるわけではないので上記の麻酔を併用することが多いです。 ④静脈麻酔:点滴に麻酔薬を混ぜ、眠った状態になる麻酔。点滴が必要なので針の刺入・留置に伴う痛みや血管痛が起こります。呼吸が止まったり、重篤な副作用も起こりえます。また、醒めるまでに時間がかかります。 全ての麻酔にはアナフィラキシーなどの薬剤による副作用のリスクを伴います。 子宮頸がんの検査、経腟超音波検査に関しては大半の方は我慢できる範囲内で終わりますが、当院の場合は、内診そのものや痛みに不安があるという訴えがあった場合には説明の上①を使用しています。 子宮体がん検査やミレーナ挿入の際は②を希望者に行っています。 また、③の設備もあり、子宮体がん検査やミレーナ挿入の際に使用することが可能です。 費用に関しては、①を使用する場合は保険で請求ができないので当院の持ち出し(つまりサービス)、ミレーナ挿入のため②を使用する場合は、現在のところ保険の範囲内で数百円コストを請求しています。(保険が通るかどうかに関しては地域差や変動があ流のでご了承ください) ③に関しては設備投資とバイタル管理などのため人手がかかり、診察室での所要時間も長くなるため、自費診療での案内となります。その際は検査の費用やミレーナ挿入に関しても全額自費診療になります。(麻酔込みのミレーナ挿入66000円、麻酔込みの子宮体癌検査15000円) ④に関してはバイタル管理や移動などのために必要な人手が大幅に増え、回復室の整備、所要時間が長くなるなどのため、通常外来の中での対応は多くの医療機関にとって難しいです。ミレーナについては希望者の方を他院にご紹介した経験はあります。 人手や設備、コストの問題もあり、婦人科診察の方に①を使用するのは自分からご希望をおっしゃっていただいた方と、診察時に痛みを訴えられ、その場で行う場合となっています。ミレーナの場合はこちらから麻酔の選択肢をお伝えし、選んでいただいています。 婦人科診察は医療の中でも不快な診察の一つですが、痛みには個人差があり、多くの方にとっては我慢できる範囲内ではあります。健康にとって必要な体の情報を得たり、必要な処置をするためには、残念ながら現代の医学を以てしても完全に痛みがなくなるわけではありません。(また、国の保険医療制度では、一人当たりに長い時間を取った丁寧な診察が、持続可能ではないシステムです。産婦人科医の一人として大変残念に思い、何かにつけて陳情しています)我々も少しでも楽に診察や処置が終えられるよう尽力しているつもりですが、ご要望などありましたら医師もしくは受付スタッフや医療スタッフにおっしゃってください。