そして私気付きました。……10連ミサイルを使うなら、FCSはTALBOTよりもP10SLTの方がいい!
長い廊下を、
しかし、それでも確かに地に足を着けて、前に進んでいた。
「レイヴン! あともう少しです!」
「ハァ……ハァ……」
少年は、ついこの間まで歩けなかった。だから、この拠点の長い廊下を歩くのは、少年にとって重労働に等しい。
「レイヴン、大丈夫ですか? やはりここは、私が抱えて──」
「いや、大丈夫。エアの気持ちは嬉しいけど、でもそれ以上に自分の足で歩きたいんだ」
四度も生きて、歩けるようになったこと自体は四度も経験しているのに。なぜだか四度目のそれは、今までのそれよりもずっと嬉しく感じた。
だから、歩きたいのだ。自分自身の足で、行けるところを増やしたいのだ。
「レイヴン! 着きましたよ! 凄いです!」
「フゥゥゥ……やったぁ……着いたぁ……!」
621は大きく息を吐いて、その部屋にあった椅子に倒れ込む。着いたのはダイニングルーム。621の部屋からここまでは結構距離がある。歩けるようになったばかりの621には少し辛い。
だが、この足の痛みこそが、自分が歩み始めた証なのだ。そう考えると、ただ部屋を移動しただけなのになんだか誇らしい気持ちになる。
「頑張りましたね、レイヴン。そろそろウォルターが夕食を──」
「621。夕食の時間だ」
トレイにハンバーグを乗せて、キッチンからウォルターがやってきた。焼けた肉の匂いが621の鼻孔を突き、条件反射で涎が溢れる。
「やった! ハンバーグ! しかもこの匂い……いい肉使ってる!!」
椅子の上ではしゃぐ621。やはり彼にとってご馳走と言えばウォルターのハンバーグなのだろう。ただの年相応の子供の顔で身体を揺らす621の姿に、エアとウォルターは笑みを零す。
「明日は厳しい戦いになるだろうからな。今のうちに旨いものを食って、英気を養っておけ」
「うん!!」
ウォルターが621の席と自分の席にハンバーグを置いている間に、エアがキッチンから前菜やスープも運んできた。
「エア、新しい身体の調子はどうだ? 何か問題はないか?」
「大丈夫です。特に問題はありません。前の身体よりもできることが多くて、とても快適です」
エアの今の身体は、621愛用のあの車椅子ではない。というのも、621が歩けるようになった今、車椅子は殆ど役割を果たしたも同然。積極的に歩きたがる621には、無用の長物であった。
そこでウォルターはエアに、より今の621のサポートに適した
「本当はもっと性能の高い奴にしたかったんだが……封鎖機構の監視の目が強まっていてな。今は汎用型を取り寄せるだけで手一杯なんだ。すまない、エア」
「いえ! こんなに動けて、ちゃんとみんなのサポートもできる身体を頂けたのですから! 十分過ぎます!」
エアの今の身体は人型でこそあるが、その見た目は機械然とした無機質なもの。表情を作ることなど、勿論できない。
星外なら、表情も作れる人間そっくりなアンドロイドが販売されているのだが、そうした機体は高価かつ希少。封鎖機構による封じ込めが強まっている昨今では、そうした代物をルビコンに送るのは至難の業であるのだ。
だから、妥協してこの身体を与えた。車椅子よりはマシとは言え、ウォルターからしたらまだまだ不便な身体であった。
しかし、エアからすればそれで満足であった。大好きな人の隣で、同じように地に足を着けて、共に歩む。それができるだけでも贅沢過ぎるくらいであった。だから、ウォルターには感謝の気持ちしかない。
「そうか。何かあったら言ってくれ。できる範囲で対応する」
「はい。ありがとうございます」
エアは穏やかな食卓を眺める。今自分はとてつもない幸せを享受している。ほんの少し前まで、誰とも関われない孤独の中に閉じ込められていたというのに。今はみんなに囲まれている。その事実を噛み締める。
笑顔でハンバーグを掻き込んで、その頬をハムスターのように膨れ上がらせる621。そんな621を諫めるが、その顔には笑みが浮かんでいるウォルター。こんな日常がいつまでも続いてくれたらいいのに。それ以上の贅沢なんて、望むべくもない。
「……? エア、どうしたの?」
「あ、いえ……食事のときのあなたの顔を見るのが好きでして……」
身体が変わった結果、こういうことも起こる。今までは車椅子だったので、エアの視線が621に注がれていても気付かなかった。しかし、今は人型ロボットだ。どこを向いているかは一目瞭然。エアが食事中の621の顔をじっと見つめていることも、本人にバレてしまう。
「そうなのか……ごめん、ちょっと落ち着かない」
「あっ! それは失礼しました! あなたが嫌ならやめますので──」
「あ、待って! 嫌ってわけじゃないから! 大丈夫だから! 全然見てくれていいから!」
あまりにもエアの声が申し訳なさげかつ悲しげであったために、621は思わずそう返していた。気恥ずかしいのが何だ。それでエアが喜んでくれるのなら無問題じゃないか。621はナチュラルにそういう思考をする男の子であった。
「えっ? でも、それだと落ち着かないのでは――」
「大丈夫! 俺はこう見えても傭兵だ! 注目されるのには慣れている!」
「そ、そうなのですか?」
冷静に考えれば意味不明な理論だ。傭兵は注目こそ浴びるが、それは名声的な話であって、直接視線を浴びせられるわけではない。
「じゃあ……これからも、食事中のあなたの顔を見させてもらっても、よろしいのでしょうか?」
「ああ、勿論! 食事中と言わずに、いつでも俺の顔を見てくれてもいいんだ!」
「レイヴン……ありがとうございます!」
だがその理論はエアには通じたらしい。621の返答に、今度は露骨に嬉しそうな声を上げた。そして、今までと同じように621の顔を眺め始める。その表情の変化を一つも見逃さないように。
(……やっぱり落ち着かない!)
621は内心そう思うのだが、エアのためにも絶対にそれを表に出さない。じっとエアに見つめられながら、それでも普段通りにハンバーグを口に運ぶ。
そんな二人の様子を、ウォルターは僅かに微笑みを浮かべながら見ていた。
◆◆◆◆◆◆
ガレージに籠って機体の調整をし続ける。明日のミッションで自分に課せられた役割は、射手。あの化け物にレールキャノンをぶち込む係だ。
あの規模のレールキャノンと機体を接続し、操作するのは流石に人生で初めてのことだ。故に、前日の調整は欠かせない。
「しかし、またしても戦友と共に戦うことになるとは……」
短期間にこうも集中していると、運命というものを信じていないラスティですら運命を感じてしまう。しかも二度目の共闘では相手はあの「本物のレイヴン」だった。あまりにも出来すぎている。
(だが、君のおかげでルビコンの仇は討てた)
そのことについては感謝しかない。たがら、今度は自分が恩を返す番だ。
彼が何を目指しているのかは解放戦線経由で聞いている。
(人とコーラルの共生、か)
「コーラルには意思がある」。帥父も同じことを言っていたが、誰も彼も所詮は時代遅れな老人の戯れ言と切り捨てて、まともに取り合おうとはしなかった。
勿論、自分もそうであった。ルビコニアンはコーラルを
帥父の理想は、あまりにも現実からかけ離れていた。
帥父が単なるマスコットに祭り上げられ、実権は帥叔に奪われたのも、ある意味当然の帰結だった。
(だが、君も帥父と同じことを言うのなら……)
帥父の戦闘ログに残っていた彼の慟哭。
『わかってんだよ!! 人とコーラルの共生がどれだけ難しいかなんて!! 言われるまでもねえんだよ!!』
『それでも! それでもっ!! エアを助けたいんだよ!! それが、そんなに悪いことだって言うのかよ!!』
そして、先日の共闘の折に聞いた、彼の戦う理由。
『大切な人たちを守るため、かな』
「ああ、そうか。そういうことか」
ラスティは、得心がいったと言わんばかりに頷く。もし
「……失敗できない理由が、また一つ増えてしまったな」
自身に伸し掛かる
「よし……こんなものか」
「何をしているのです? 第四隊長」
調整を終えて帰ろうというところで、嫌な上司に見つかってしまった。内心溜め息を吐きながらも、冷静に応対する。
「第二隊長閣下。明日の戦闘に備えて最終調整をしておこうと……」
「そうですか。任務に熱心なのは感心ですが、根を詰めすぎても逆効果でしょう。今日はもう休みなさい」
「了解です、閣下。ありがとうございます」
「勘違いなさらぬように。あなたが失敗すれば私の評価にも傷が付く。せいぜい万全な状態で臨みなさい」
「はっ」
スネイルの言葉に従い、自室に向かう。明日の戦いには、スネイルも出撃することになっている。
彼は嫌味な上司であるが、その実力は本物だ。
いずれは確実に敵になる相手ではあるが、今は頼りにさせてもらおう。ラスティはそう思いながら自室の扉を開けたのだった。
◆◆◆◆◆◆
「クソッ! なんで俺が……!」
ベイラムの前線拠点のラウンジにて。周囲の目も憚らずに悪態を付く男がいた。
「よりにもよって、あの野良犬なんかと一緒に……!」
彼の怒気と咆哮を恐れているのか、彼の周りだけ閑散としている。周囲の人々は、巻き込まれないよう遠目から眺めている。
そんな中、人々を遠ざける怒りの嵐に臆せず、彼に近づく影があった。
「イグアス先輩! ラウンジで騒がれては、周囲の迷惑になります! どうかここは落ち着いて──」
「あぁ?」
「ひっ」
叫ぶ男──イグアスに話しかけたのはG6 レッド。正義感故イグアスを諌めようとしたものの、彼に睨み付けられて震え上がる。
「んだよ、レッドかよ……邪魔すんじゃねえ。ぶっ殺すぞ」
「い、イグアス先輩……」
至近距離で殺気混じりにガンを飛ばされては、いくら(一応)レッドガンの上位ナンバーであるレッドと言えども、どうしようもない。
それでもレッドは、イグアスに対して真摯に目を合わせ続ける。元の──ヴォルタが死に、621が「壁守り」を果たす前の──柄は悪いが、性格が悪いわけではなかった頃のイグアスに戻ってほしいから。
しかし、それが逆効果だった。
「ンだよ、その目付き……てめえも俺があの野良犬より劣ってるって言いてえのか」
「イグアス先輩! そんなことは──」
「悪かったなあ、野良犬よりも弱っちくて。こんな惨めな負け犬に飯を食わすくらいなら、トップランカーに勝てるようなお利口な野良犬に金払った方が効率的だもんなあ?」
「い、イグアス先輩……何を言って──!?」
イグアスがレッドの胸ぐらを掴み、そのまま持ち上げる。レッドの身体が宙に浮き、床から足が離れる。呼吸ができなくなり、レッドの瞳に涙が溢れる。
それでもレッドはイグアスに目で訴えかけるのをやめない。あなたは本当はそんな人じゃないはずなんだという思いを込めて。だがその思いは届かない。
「俺だってなあ!! 努力してんだよ!! 毎日毎日クソみてえな扱きに耐えて!! だのに俺はクソみてえな旧世代型だからなあ!? 全っ然、伸びやがらない!!」
血でも吐くような勢いで言葉を飛ばす。レッドの顔に唾が降りかかろうが、そんなことはどうでもいい。
「金さえあれば俺だって!! 手術して、もっといい身体を手に入れて!! ハンデさえなけりゃ、フロイトにだって負けやしねえのによ!!!」
それが虚勢でしかないことは本人でさえ気付いている。しかし、そうとでも思わなければ心が壊れてしまうのだ。
自分は旧世代だから弱い。手術さえすれば、道は切り開ける。
「だってのに、あの野良犬は!!! ああ、わかってんだよ!!! 俺は出来損ないさ!!! 同じ旧世代の野良犬風情に負ける
独立傭兵レイヴン。イグアスと同じ第四世代型強化人間でありながら、
それほどの力を持ちながら、その実態は話すことすらできないほど劣悪な手術をされた、出来損ないの強化人間であったという。
であるならば、
グリッド086で直接対峙したとき、自分は彼に一発も当てられなかった。その後現れた無人兵器群に対しても、自分はあっさり無人ACに敗北した。しかし彼は、他の無人機を撃破した上でそいつと戦い、そして勝利した。
あの出来損ないはそれだけの戦果を挙げている。じゃあ、
「てめえも内心見下してんだろ?」
「えっ?」
「てめえだって、俺のことを見下してんだろ!!? 俺のことを先に入っただけの出来損ないとでも思ってんだろ!!? ああ、知ってるよ!!! こんな奴を尊敬する奴なんざ、いるわけがないってな!!!」
最早イグアスに自分を抑えることなどできなかった。どうして自分ではなくあの野良犬が。旧世代型であるというハンデを跳ね除けて頂点に君臨するなんて、そんな、そんな──
「この俺を見下してんじゃねえぇぇぇ!!!」
妄執から始まった癇癪は遂に一線を越える。イグアスはレッドの胸ぐらを片手で掴んだまま、もう片方の手を強く握る。そしてその拳を振り上げて──
「イグアス! 何をやっている!」
──すんでのところでミシガンに止められた。自分より上の人間の登場に、イグアスは思わずレッドを掴んでいた手を離す。
「ミシガン、てめ──」
瞬間、イグアスの顔面に鉄拳制裁が炸裂した。イグアスは真っ直ぐ後ろに吹っ飛ばされ、ラウンジのテーブルを破壊しながら倒れ込む。
「仲間に手を上げるとは何事だ! 貴様は背中から撃たれるのが趣味だったか!? そうでないなら敵を増やすな! 馬鹿者!」
床を舐めるイグアスに対して、ミシガンによる容赦のない怒声が浴びせられる。それは厳格だが、同時に彼の再起を願うものでもあった。
しかし、倒れ伏したままミシガンに振り返るイグアスの瞳には、憎しみとコンプレックスの色以外何も見えなかった。予想を遥かに超えるイグアスの惨状に、ミシガンですら一瞬たじろぐ。だが、それでも目を逸らしたりはしない。
「止めんじゃねえ!! コイツが俺のことを馬鹿にしやがった!!」
「それで殴ろうとしたのか? 殴れば馬鹿にされなくなるのか? 騒いでどうにかなるのは赤ん坊だけだ! そんな暇があるなら鍛え直せ!」
イグアスは尚もミシガンに殴りかかろうとするが、しかし正論で返されては罰が悪い。舌打ちを一つ吐き捨てて、そのままラウンジを歩き去っていってしまった。
「……イグアス」
その背中にかけてやれる言葉はない。コンプレックスとは、自分で乗り越えなければならないものだ。誰がどんなに良い言葉をかけたとしても、それを解消することは叶わない。
「総長! 助かりました!」
「レッド! お前はいつからレッドガンの総長になった! その勇気は認めるが、隊員のトラブルがあったら真っ先に俺に知らせろと言ったはずだ!」
「はっ! 申し訳ございませんでした! 総長!」
ミシガンの叱責に対して、レッドは完璧な敬礼で以て応えてみせる。
「しかし、イグアスめ……少し見ない間にこれほどまでに追い詰められていたとは……」
「はい。グリッド086でレイヴンに敗北して以来ずっとあの調子でして──」
ミシガンとて、いつでもレッドガンの隊員たちの面倒を見られるというわけではない。
レッドガンの総長という立場故ミシガンは多忙を極め、彼らを世話できる時間は限られている。ルビコンに来てからは尚更であった。
(また俺は見逃したと言うのか? ハークラーや、ヴォルタ、そしてナイルと同じように──)
思い出されるのは、既にこの世にいないレッドガンの隊員たち。
多忙故に彼らが死地に送られるのを止められず、レッドガンに埋められない穴を開けることとなった。
そして今、イグアスも同じようになり始めているのを感じる。このままでは、近い将来にまた新たな穴が開くことになるだろう。
「レッド」
「はっ!」
レッドはミシガンの呼び掛けに即座に応える。
「これからは、イグアスの様子を逐一報告してくれ。仕事を増やしてすまないが、頼む」
そこに“ベイラムの歩く地獄”の姿はなく、あるのは若者たちの未来を憂う一人の老人の姿だけだった。
◆◆◆◆◆◆
ラウンジを後にしたイグアスは、周囲を威嚇しながら自室に向かう。シミュレータに興じる気分にはなれなかった。
「おやおや、これはこれはイグアス君。またしても騒ぎを起こしたのですか?」
その道中で、イグアスは
「短気は損気ですよ、イグアス君。怒りに目を曇らせては、理気の流れを見失う」
「……黙ってろ」
イグアスは彼が苦手であった。イグアスがどれほど彼に悪態を付いたとしても、彼はのらりくらりと躱してしまう。だから張り合いがない。
それに、彼にはヴォルタと共に商売について学んだ恩がある。強くは出られなかった。
「そうピリピリしなさんな。そうだ、最近ルビコニアン相手に新しい
イグアスの怒りを知ってか知らずか、全くいつもの調子で五花海は捲し立てる。
最近商売が軌道に乗っているらしい彼は、
「おい」
「どうしました?」
そこでイグアスは、最近レッドガン内部で囁かれていた噂について思い出した。
「最近やけに金稼ぎに精を出してるじゃねえか」
「当然です。金の流れは運の流れ。そこに乗ることこそが──」
「そんだけ金がありゃあ、
「……ほう?」
一応の恩人相手に、躊躇なく怒気を溢れさせるイグアス。対する五花海は、わざとらしく呆けてみせた。
「一時期てめえの話題で持ち切りになってたぜ。G3様はその金を元手に、レッドガンを裏切る気だってな」
「それはそれは、失礼してしまいますね」
聞くものを震え上がらせる極低音の脅しに対しても、五花海は涼しい顔で受け流してみせる。
自分を裏切り者呼ばわりする噂に対しても、特に思うところが無さそうであった。
「心配しているのですか? 私があなたの敵となることを」
「チッ、そんなんじゃ──」
「嬉しいですね。それ程までに私の実力を買ってくれるとは。やはりあなたは見る目がある」
「人の話を聞けぇ!!」
やはりコイツは苦手だ。面倒臭くなったイグアスは、彼を無視して自室に向かおうとする。その顔に若干の──否、かなり色濃い疲労の色を乗せて。
「イグアス」
そんな背中に五花海が声をかける。
「私も、総長には恩があります」
それはみんな知っていることだ。レッドガンのメンバーは、皆多かれ少なかれミシガンに恩がある。
それは、いつかミシガンをぶん殴ると決めているイグアスとて、例外ではない。当然、五花海もそうであった。
「私とて、義理くらいは守るつもりです」
さっきさんざっぱら揶揄われた身としては、あまりにも信用ならない言葉。しかしイグアスは静かに耳を傾ける。
「私が
「……いらねえよ」
イグアスはぶっきらぼうに拒否して、そのまま自室に向かった。その表情は、前と比べて多少険が取れたようにも見えた。
◆◆◆◆◆◆
「ボス! やりましたよぉ! この無敵のラミーが、また侵入者どもを血祭りに挙げてやりましたよぉ!」
『……ああ、そうかい』
通信越しに聞こえる歓喜の叫び声に、カーラは乾いた返事を返す。
ここはグリッド086。RaDの本拠地であり、絶賛再建中のグリッドであった。今グリッド086では、防衛部隊によるデスマーチが繰り広げられていた。
RaDの周囲の状況と言えば、まずはジャンカー・コヨーテスについてだ。RaDの商売仇であった彼らは、頭目であるブルートゥが撃破されたことにより、ほぼ壊滅状態。組織的な攻撃は殆どできなくなっている。
しかし、RaDの敵はコヨーテスだけではない。惑星封鎖機構もまた、RaDの敵であった。何かとしつこい彼らは、RaDを強制退去させるべくこの期に及んでグリッド086への侵攻を繰り返している。
現在防衛の要であるカーラ及びチャティは、前者はレールキャノンの調整のために、後者は対アイスワーム作戦に参加するためにグリッドを離れて中央氷原に行っている。だからこの侵攻に対して、遠隔で指揮やオペレートをすることしかできない。
今のRaDはいつぞやの「歓迎パーティー」のせいで、防衛戦力に大きな穴が開いている真っ最中。つまり、必然的に防衛の要は
だから彼が最前線に出て封鎖機構のMTと戦っているのだが――
「お、俺のマッドスタンプがあーっ!?」
『今回は10機か。まあ、まずまずってところかね』
マッドスタンプ、大破。いつものことだ。どうせ
『ボス、高エネルギー反応が検出されている。このパターンは恐らくLCだ』
『LCだって? そんな戦力をこんなところに送るなんて、封鎖機構はよっぽど暇みたいだねえ』
RaDを脅威と見做しているのか、それとも621にカーゴランチャーを使われたことがよっぽど堪えているのか、封鎖機構はやたらとグリッド086の奪取を重要視している。前々からMT部隊を使って何度も侵攻してきて、その度にマッドスタンプを犠牲に防衛してきた。
だが、とうとう痺れを切らしたようだ。チャティのオペレート通り、グリッドに全く似つかわしくない飛行する人型が現れる。
『ボス、MTの一部を遠隔操縦モードに切り替えてくれ。俺が操作して、奴らを追い払おう』
『明日は大事な仕事だってのに、コソコソ空き巣とはね。相変わらずみみっちい連中だよ』
遠隔操縦ではどうしても操縦精度が低くなるが、それでもチャティならドーザーよりもずっといい動きができる。だから、とりあえず四脚MTのコントロールを奪――
『ボス、さらにもう一つ高エネルギーを確認。恐らくACだ』
『ACだと? 封鎖機構ではない。だとしたら独立傭兵か何かか……?』
訝しむカーラたちを他所に、反応は急速に接近してくる。グリッドの監視カメラの範囲外を飛んでいるため、その姿はわからない。RaDの防衛戦力には目もくれず、封鎖機構の機体だけを破壊しながら高速で駆け抜けていく。
そしてついに監視カメラがそのACの姿を捉える。そこにいたのは――
『おいおい……一体どういう了見なんだい、こりゃあ……?』
――全くの予想外な“お客様”の登場に、カーラとチャティは頭の上に疑問符を浮かべることしかできなかった。
◆◆◆◆◆◆
二機のACが戦闘を行っている。片方は赤いACで、もう片方は黄色と水色に彩られたACだ。二機とも
赤い方の動きははっきり言って悪く、ライフルもブレードも全く使いこなせていない。対して、黄色と水色のACの方は、アサルトブーストやクイックターンを用いて、回避と接近を同時に行っている。その動きはまだまだ荒削りであるが、しかし確かに将来性を感じる動きだった。
黄色と水色のACがパルスブレードを起動し、赤いACを袈裟斬りにする。
かくして、二機の模擬戦は終了した。赤い方から壮年の男性が、黄と水の方からまだ年若い少女が降りてくる。それを見て、一人の青年が少女の方に駆け寄っていき、そしてそのまま彼女を抱きしめた。
「ツィイー!」
「わっ!……もう、アーシルったら心配性なんだから」
「すまない……! でも、仕方ないだろう!
「アーシル……」
周囲の目も憚らずに抱き合う二人。空気が徐々にピンク色に染まり始めたその時、二人の空気を引き裂く者が現れた。
「アーシル、悪いが、後にしてくれ。我々は今の模擬戦の反省会をせねばならん」
「! 帥父殿! 申し訳ございません!」
車椅子をこいで近づいてきた者の名は、サム・ドルマヤン。解放戦線の思想的指導者であった。今回の彼らのアセンブルも戦い方も、全て彼が仕込んだことだった。
「ツィイー、お前は未だに射撃中に足が止まっている。グレネードを持っていたときの癖は早めに直せ。戦場で足を止めるのは自殺行為だぞ」
「はい!」
「そしてダナム。お前ははっきり言って、本当に才能がない。悪いことは言わん。AC乗りを目指すのはやめろ。四脚MTにでも乗って固定砲台をしていた方が、皆のためになる」
「す、帥父殿……そんな、殺生な……」
あまりにも歯に衣着せぬ言い方に、ダナムはがっくりと項垂れる。だが戦力に余裕のない解放戦線では、AC一機として遊ばせておくことはできない。ドルマヤンの言い分も一理あった。
「しかし帥父殿、どうしてユエユーからシールドを外すのですか?」
ダナムがあまりにも哀れに感じられたアーシルは、助け舟を出すついでに疑問に思っていたことを聞く。
「それに、グレネードも。交戦距離が短くなれば、撃墜の危険が高まる……!」
アーシルの真摯な訴えは、しかし歴戦の戦士であるドルマヤンにとってはあまりにも甘すぎた。
「貴様……そのACの、何を知っているというのだ……」
怒りと失望の籠ったその声は、アーシルを後ずさりさせるには十分過ぎるほどであった。
「貴様ら、揃いも揃ってACに対して無知が過ぎる。そんなんでよくもAC乗りを名乗れたものだ」
自分が解放戦線に愛想を尽かして放置していたからこうなっていたという側面もあるだろうに、それを棚に上げて説教を始める。
「そもそもBASHOはコア理論に忠実に作られた近接型フレームだ。反動制御に難があり、射撃戦ができる作りにはなっていない。BASHOの強みを活かすなら接近戦こそが――」
内容は間違ってないが、人間的に色々間違っている説教が延々と続く。絶対ACに乗らないであろうアーシルすら何故か巻き込んで、説教が始まってから早くも半時間ほど経とうとしていた。
「良いか? お前たち。私が若いころには――待て、時間になってしまったようだ」
ドルマヤンの携帯端末から通知音が聞こえる。アーシルたち三人には、今だけはそのけたたましいアラーム音が救いの福音にも聞こえていた。
「少し外す。お前たちは反省会を続けておけ」
ドルマヤンが去ってゆき、三人はそろって息を吐いた。
「はあ……最近の帥父殿は、どうしてこう……」
「やる気を出してくれるのは有難いが、ああいう方向性に出されるのは困る」
「ま、まあ二人とも……今の帥父殿のお陰で、私はかなり強くなれたし……」
三者三様に複雑な感情を吐露する。三人の気苦労は、まだまだ続きそうだ。
◆◆◆◆◆◆
解放戦線の実質的指導者、ミドル・フラットウェルの一日は多忙を極める。戦力の配置決めに始まり、諜報員からの情報の確認、星外企業との裏取引、さらに場合によってはここに現場指揮や最前線での戦闘も加わる。彼より働き者であると言える人間は、このルビコンにおいては某第二隊長を除けば存在しないだろう。
そんな彼に追加で仕事を頼むことなど、普通は恐れ多くてできはしない。過労死一歩手前の人間にしていい所業ではない。であるならば、そんな行いを実際にやれる人間というのは、ごく一部に限られる。
「何故貴様はこうも仕事を増やす……」
フラットウェルは愚痴りながらも自分の部屋に戻り、パソコンを立ち上げる。そろそろ指定した時刻だ。
中央氷原からベリウス地方までの回線を確保。通信を確立して、相手が接続するのを待つ。暫く待っていると、向こうも接続できたようだ。真っ黒だったウィンドウに彩りが現れる。
『久しいな、フラットウェルよ』
「帥父殿……」
内心の苛つきを押さえつけて、真顔で返答する。一応、表面上の立場は向こうの方が上なのだ。無礼を働くわけにはいかない。
『お前には、今まで何度も迷惑をかけてきた。本当にすまなかったな……』
「……」
「本当だよ」と言いかけた口を無理やり閉じる。フラットウェルにとって、ドルマヤンはいらぬ苦労ばかり増やす問題児であった。
組織内に「コーラルは生きている」などという与太話を吹き込んだり、愛想が尽きたとか言って急に後進の育成をやめたり、挙句の果てには無断出撃して懇意にしている独立傭兵を襲撃したり。彼のせいでフラットウェルの胃はボロボロであった。
最近ではどういうわけか再び後進の育成を再開してくれて、多少は見直してやってもいいかもしれないとちょっとだけ思っていた。その直後に突然の会談の申し出。多忙な中なんとか時間を捻出したフラットウェルの手腕は、賞賛に値すると言ってもいいだろう。
『だが、恐らく私は、この会談を機に君に更なる迷惑をかけることになるだろう。本当に申し訳ないと思っている』
「それは一体……?」
悪いと思っているなら手心を加えろ。内心そう毒づくフラットウェルだが、努めて冷静に言葉を返す。もう通信を切ってしまった方がいいんじゃないかと正直思っているが、立場がそれを許さない。
『まずは一つ聞かせてほしい。フラットウェル、ファーロンとシュナイダーからの協力を取り付けたようだが、それだけのものを得るために何を対価として支払うつもりだ?』
ドルマヤンの目が細められ、フラットウェルを見据える。通信越しでこの気迫。やはり、このルビコンでこの年まで生き残れる人間は、伊達ではない。
嘘は通用しないと判断したフラットウェルは、正直に話すことにした。星外にコーラルを持ち出されることを酷く嫌うドルマヤンに、これだけは話したくなかったのだが。それでも、今のドルマヤンに嘘をつくのはリスクが高すぎる。だから話す。
「企業たちには協力の対価として、我々が集積コーラルを抑えた暁には優先的に彼らとコーラルの取引をすることになっています。売値は格安にせざるを得ませんが、それで奴らの技術と戦力が手に入るなら、寧ろ得と言えましょう」
当たり前だが、企業がタダで動くことはない。動かすには相応の対価が必要だ。今の解放戦線に支払える対価など、コーラルくらいなもの。
だから、それを餌としてファーロン及びシュナイダーを誘き寄せる。ドルマヤンはきっと怒るだろうが、現実的にそれしか手段がないのだ。
『そうか……』
しかし、ドルマヤンの反応は、フラットウェルが想像していたものとは異なっていた。飽くまでも冷静に、現実を噛み締める。
その穏やかな様子に、フラットウェルは寧ろ安心よりも不安を覚えた。
『フラットウェル、一つ忠告しておくが、それ以外の交渉材料を用意しておけ』
「……帥父。コーラルを星外に出されたくない気持ちは理解できますが、現実として──」
『いや、違う。そういうことではないのだ、フラットウェル』
フラットウェルの言葉を遮り首を横に振るドルマヤン。
『独立傭兵レイヴン……恐らくだが、彼の夢が達成された暁には、コーラルを資源として扱うことは叶わなくなる』
「何を言って──?」
『ザイレムでの戦闘ログは見ているな?』
「はい。もちろんです」
解放戦線の指導者として、身内のやらかしは知っておかねばならないし、それはそれとしてあのレイヴンのログはとても価値がある。だからフラットウェルは、あのログを何度か見ていた。
『そこで彼が何と言っていたか、お前は覚えているか?』
「ええ、確か――」
ザイレムにて、ドルマヤンと対峙した621はその心の内をぶちまけていた。人とコーラルの共生への渇望。エアという
フラットウェルはそれら全てを第四世代型強化人間特有の不安定な精神が言わせた戯言と処理して、全く気にしていなかった。
『人とコーラルの共生……レイヴンは本気でそれを目指している』
「あれは、ただの傭兵の妄言では――?」
『あれを妄言としか捉えられないから、貴様は私に愛想を尽かされるのだ』
お前の愛想なんか1ミリもいらない、とは言わない。こう見えてもフラットウェルは、かつてドルマヤンと敵対してしまったことを結構反省しているのだ。いくら反りが合わない相手であっても、封鎖機構という強大な敵を前に仲間割れするなど言語道断であった。
共感はできなくても、多少の理解を示してやれば現状は違っていたのではないか。そんな思いがあるフラットウェルとしては、ドルマヤンの指摘を無視することはできない。
「本当にコーラルに意思なんかが……」
『信じられないのならそれでいい。「コーラルと共生するため」ではなく、「万が一集積コーラルを抑えられなかったときのため」と考えて、もう一つの交渉材料を用意しておけばいい。どちらにせよ、結局は必要なことだろう?』
「まあ、一理あります。一応これでも、コーラルを入手できなかったときのためのサブプランは既に立ててあります」
『流石だ。お前は本当に有能だな。では、これからはそれがメインプランになると思え』
一方的な計画変更宣言に、フラットウェルのこめかみに薄っすらと青筋が浮かびかける。だが、コーラルの意思云々はともかく、サブプランが必要ということに関しては完全に同意見なので無下にできない。
現状、企業と封鎖機構をぶつけて共倒れさせるという作戦があまり上手くいっていないので、集積コーラルを抑えられる見込みも低い。どちらをメインにするかはともかくとして、第二案を煮詰めておくことは必須であるのだ。
『レイヴンがアイスワームの撃破に参加した以上、アイスワームが退けられて封鎖機構が敗退するのは時間の問題だ。アーキバスには封鎖機構の艦隊を鹵獲しようとする動きも見られる。早くしないと手遅れになるぞ』
「ええ、その通りです」
『何をするにも、こちらには戦力が足りない。今のうちに味方を増やす必要がある』
「味方……レイヴンをこちらに引き入れろということですか?」
『いや、それだけでは足りん。レイヴンは強力だが、同時に個人だ。戦局をひっくり返すことはできても、維持することはできん』
「じゃあ、一体誰を……?」
ドルマヤンの言うことは全くもって正しいが、そう簡単に味方を増やせたら苦労はしない。フラットウェルとしては、味方にできる勢力には全て粉をかけたつもりであった。これ以上の候補など思いつかない。
だが、ドルマヤンには当てがあった。
『RaD。ドーザーの最大派閥。奴らなら、恐らく味方に引き入れられる』
「RaDですと? しかし、奴らはコーラルを麻薬として使うならず者の集団。とても協定を結べるような相手では──」
『他のドーザーはそうだろう。しかし、RaDだけは違うと断言できる』
「そうなのでしょうか……確かにあそこは、ACやMTの開発にまで手を出している技術派の集団ですが、しかしドーザーはドーザーですよ?」
『いや、あれはドーザーなどではない。何せ──』
「何せ?」
『……いや、なんでもない』
ドルマヤンは吐き出しかけた言葉を呑み込んだ。信じてもらえるはずがない話など、口にする価値もない。
ドルマヤンがRaDを特別視する理由。それはそこの頭目にあった。
(RaDの頭目、シンダー・カーラ。セリアが拾ってきたデータに写っていた
RaDは単なる隠れ蓑でしかなく、本当の目的を隠して活動している。ドルマヤンはそう確信していた。
「確かに味方にできれば心強い存在であるのかもしれないですが……しかし、そもそも交渉材料がない。奴らにコーラルを渡すなど、ルビコニアンが許さないでしょう」
フラットウェルの懸念も当然であった。先にも言った通り、解放戦線には集積コーラルくらいしか交渉材料がなく、しかもそれは皮算用でしかない。
だからといって、手持ちのコーラルを交渉材料に使うのは論外だった。誰が好き好んで薬物中毒者に大事な飼料を渡すものか。
『ああ、それならば問題ない。交渉材料は
「は? 今、何と──」
その瞬間、通信の向こうからけたたましい銃声や爆発音が響いてきた。
「帥父!? 今何をして──!?」
『何って……RaDを襲撃している封鎖機構の部隊を殲滅しているだけだが?』
通信越しに戦闘の音が聞こえてくる。封鎖機構の人員が、いつものようにコードを叫ぼうとしてその前に斬り伏せられる。そんな有様が容易に想像できるような音声が、フラットウェルの耳に飛び込んでくる。
「馬鹿な! 見張りはどうした!?」
『六文銭ならば、安らかに眠っている。あの程度の傭兵で、この私を止められるとは思わないことだ』
ドルマヤンは、ザイレムで621を襲撃して以来実質的な軟禁状態にある。これ以上勝手に出撃されては困るからだ。彼には常に監視が付けられ、出撃しようとしたのなら止める手筈になっていた。
『大丈夫だ。心配はいらん。私が封鎖機構相手に負けることなどあり得ん』
「そんなことは心配していない! 貴様の勝手な行動で、封鎖機構が本格的に解放戦線の排除に乗り出したらどうするつもりだ!」
『封鎖機構は明日の作戦で敗退する。好きに動けるタイミングは今しかない』
「そうならなかったらどうする! 貴様のせいでルビコニアン全体が危険に晒されるのだぞ!?」
『その時は、我々が死ぬだけだろうな。仕方あるまい』
「仕方ないで済むか! 少しは考えて動け!」
『悪いが、私はこれでも元ドーザー。君の言うところの「ならず者」だ。考えて動くことなどできんよ。まともな教育を受けておらんのでな』
一応表向き立場は上の人間による凄まじい暴論に、フラットウェルの身体がプルプルと震える。その間にも通信の向こうからは凄まじい破壊音が響き続ける。
『敵影無し。ミッション完了か。これでRaDに恩を売ることができた。フラットウェル、この恩は上手く使えよ』
「……貴様、覚えていろよ」
吹っ切れたドルマヤンに振り回される解放戦線。その未来がどこへ向いているかは、まだ誰にもわからない。
621
歩きたがりなお年頃。周囲のサポートを受けて歩き回る要介護ヒーロー。
エア
車椅子系ヒロインからお手伝いロボ系ヒロインに進化しました。速力は落ちたが、器用さは大幅アップ。
ウォルター
大事な用事の前日には絶対にハンバーグをご馳走してくれる完璧なパパ。
ラスティ
真レイヴン戦を経てさらに脳が焼かれました。
スネイル
本作の胃痛枠その1。ただし胃痛シーンは前回やったので今回はお預け。代わりにツンデレを披露。誰得。
イグアス
コンプレックスから周りに当たり散らすの可愛いねイグアス。プライドを守るために現実逃避するの可愛いねイグアス。劣等感に駆られて被害妄想の陥るの可愛いねイグアス。ああ、イグアス! イグアスッ!! イグアスイグアスイグアスイグアスイグアスイグアスイグアスイグ(ry
レッド
なんだかんだ最後の最後までイグアスから目を逸らそうとしなかったあたり、マジでレッドガンしてる。やっぱり戦闘能力以外はレッドガンに一番ふさわしい疑惑があるよこの人。
ミシガン
本作の胃痛枠その2。無能上司に対応している間にどんどん部下が減っていく。可哀想過ぎない?
ナイル
しれっと描写外で戦死した人。彼が生きてたらもっとベイラムと折り合えたはずなので、現状から逆算したら死んでるだろうなって。
五花海
好きなように書いてたらいつの間にか強キャラ臭がヤバくなった人。レッドガンは裏切りません。レッドガンは。
ラミー
「歓迎パーティー」を生還した結果、無能生存体に覚醒。機体は死んでもパイロットは絶対に死にません。
カーラとチャティ
ラミーが墜ちるのはいつものことなので動じません。
ツィイー
覚醒ドルマヤンにより、絶賛超強化中。
ダナム
覚醒ドルマヤンでもどうにもならなかったよ……
アーシル
ツィイーが強くなるのは嬉しいが、それはそれとして心配。
ドルマヤン
吹っ切れた結果、色々と覚醒してパワハラジジイになってしまった。でもなんだかんだちゃんと解放戦線のためになる(と思ってる)ことをちゃんとしています。
フラットウェル
本作の胃痛枠その3。自由奔放なパワハラジジイに振り回されることが確定しました。
六文銭
ひっそりとジジイにリアルファイトで負かされたルビコニアンニンジャ。この星のジジイは生き残りだからね。仕方ないね。
ということでアイスワーム前日。遅くなって本っ当にごめんなさい! 冒頭でも言ったように、久々に楽になったせいで「小説書いてる場合じゃねえ!!! ルビコンが俺を呼んでいる!!!」ってなりまして……アプデ後大グレ初めて触りましたが、リロードが改善されるだけであいつあんなに強くなるんですねえ。SONGBIRDS、俺たちもう別れよう(クズ彼氏感)
そんなこんなで、こんなに更新が遅れてしまいました。マジで申し訳ねえ……これからは前話での宣言通り、二日に一話ペースに戻……したいなあ!(願望)
次回はもちろん化け物退治。乞うご期待。
「エア、一つ頼んでもいいかな?」
「これを見てくれ」
「そう。
「どうして持ってるかってのは聞かないで欲しい。多分、信じてもらえるような話じゃない」
「これは俺が傭兵を始めたその時からガレージにあった」
「ずっと不思議に思ってたけど、俺は頭が悪かったからそんなこともあるかって放置してた」
「でも、いい加減目を逸らしていい話じゃない」
「
「俺は知らなくちゃならない」
「エアなら多分調べられる」
「もちろん、暇な時間がある時にやってくれるだけで構わないから」
「え……? そんなにやる気にならなくてもいいんだよ」
「飽くまでもこれは、俺の我儘だから」