◇むしろここまでよく頑張った


おはようございます。
相変わらずの忙しさで、ブログに手が回っておりません。
今日、ようやく時間が取れたので、怒涛のブログ更新です。


先ずは、寄稿記事の宣伝です。
まだお読みでない方はどうぞ。

こちらから→地方では、リアル書店は消える運命


ところで、東京都知事選が終わりましたね。
現職が再選するのは予想通りだったにせよ、石丸伸二氏が2位とは驚きました。

Twitterでは評判の悪い彼ですが、YouTubeの再生回数は他の候補者を寄せ付けないし、TikTokやInstagramでも人気の様子。
やっぱり情報伝達の手段は、活字よりも写真や動画が圧倒的に強いのだなと考えさせられました。


活字が好きな私としては寂しい限りですが、時代の流れというものは不可逆ですから、Twitterなど文字ベースのSNSはとんどんマイナーな存在になっていくのでしょう。


そのように、若い世代ほど活字から離れていく中で、どうしてこの先も書店というビジネスモデルが成り立つでしょうか。


記事中にも紹介した本の中では、「書店を無くさないために、人々が書店を買い支えなければならない」というようなことが書いてあったんですよ。


ルポ書店危機
山内貴範
blueprint
2024-05-02



シンプルに「え、なんで?」って思いました。

私のように地方に住んでいる者にとって、もはや日常の買い物に不可欠な生活インフラはAmazonや楽天に切り替わっています。
Amazonや楽天が無くなったら恐ろしく不便になってしまうけれど、近所の書店がなくなってもべつに困らなくなってしまった。

つまり、買い支える強力な動機がないのです。


だいたい紙の本が売れないのは、書店が努力をしていないからではない。
努力ならめちゃくちゃしてると思いますよ。
だけど、構造的にどうにもならない。

そのどうにもならなさを最も理解しているのも、現場で働いている人たちでしょう。


そうした「今はまだ頑張っている人たち」も、今後はどうするのかなと思ってます。
人手不足が深刻で、インフレが加速していく世の中で、働き方の効率が悪く、長時間労働なのに低賃金の仕事をいつまで続けられるのですか?

衰退産業なので、今後どんなに努力しても給料やボーナスが上がる見込みはありません。
お金の価値が下がっているのに賃金が上がらないのでは、賃下げされているのと同じです。
そんな職場で働いていけないですよね。


お店側はスタッフ引き止めのためには給料を上げなくちゃならないのですが、どうやって?
元々、本は利益率の低い商材です。稼ぐには本じゃないもの売るしかありません。
けれど、上手くいっていそうな複合書店も行き詰まっているようなのです。

こちらから→三洋堂HD加藤社長、営業損失に「商売をやっている意味がない」


今さら国が書店に手を突っ込んでも、時代の流れは変えられません。
紙の本を売ることにこだわるよりも、傷の浅いうちに書店というビジネスを手仕舞いする戦略的撤退の支援をした方が、よほど役に立つのではないかと思います。