数直線という線から、「平面」へ広げていく
もともと、数の発展は、物の個数である離散的な量から始まって、長さや面積などの連続的な量、それに負の量も加えられ、それを有理数と無理数として整理して、演算に関しても完結している数(実数)として、視覚的に数直線上の点として統一的に捉えることができるようになりました。これはとても便利なことです。
直線上で0を挟んで、正と負の点の位置として明確に示したのは、イタリアの数学者ラファエル・ボンベリ(1526〜1572)だそうです。
これまでの数をさらに広げていく必要があるとすれば、もはや平面しかないことになります。そうなのです、複素数は平面上の数なのです。
数直線は1次元なので実数は1次元の数ということになりますが、平面は2次元ですので、複素数は2次元の数ということです。もっとも、こうした考え方が広まるのは複素数が出現してからかなり後のことなのですが……。
それでは、続いて複素数を平面上で考えることで、2次元の数として実質化する数学マジックについて説明しましょう。
*こちらの続きは、7月11日(木)公開予定です。
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