原爆被害を訴える　新藤兼人監督〈知りたい広島58＿サミットを前に〉

　原爆（げんばく）投下（とうか）後（ご）の広島（ひろしま）市（し）で、最初（さいしょ）に劇映画（げきえいが）のロケが行（おこな）われたのは1952年（ねん）。佐伯区（さえきく）出身（しゅっしん）の新藤（しんどう）兼人（かねと）監督（かんとく）の「原爆（げんばく）の子（こ）」でした。

　被爆（ひばく）した教育（きょういく）学者（がくしゃ）の長田（おさだ）新（あらた）さんが編（あ）んだ子（こ）どもの手記（しゅき）集（しゅう）を基（もと）に監督（かんとく）自（みずか）ら脚本（きゃくほん）を執筆（しっぴつ）。先生（せんせい）役（やく）の乙羽信子（おとわのぶこ）さんが、被爆（ひばく）7年（ねん）後（ご）の教（おし）え子（ご）を訪（たず）ねる物語（ものがたり）です。

　カンヌ国際映画祭（こくさいえいがさい）でも上映（じょうえい）され、原爆（げんばく）被害（ひがい）を訴（うった）える映画（えいが）として反響（はんきょう）を呼（よ）びました。

　広島（ひろしま）市（し）で撮（と）った「母（はは）」「さくら隊（たい）散（ち）る」「石内（いしうち）尋常（じんじょう）高等（こうとう）小学校（しょうがっこう）　花（はな）は散（ち）れども」をはじめ、2012年（ねん）に100歳（さい）で亡（な）くなるまでに残（のこ）した映画（えいが）は49本（ほん）。

　原爆（げんばく）が落（お）ちた瞬間（しゅんかん）の残酷（ざんこく）さを映画（えいが）にする構想（こうそう）も抱（いだ）き続（つづ）けました。実現（じつげん）すれば、核兵器（かくへいき）の非（ひ）人道（じんどう）性（せい）を物語（ものがた）る貴重（きちょう）な1本（ぽん）になったでしょう。

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