全国一の移民県〈知りたい広島64＿サミットを前に〉

　広島（ひろしま）は全国一（ぜんこくいち）の移民（いみん）県（けん）といわれます。政府（せいふ）主導（しゅどう）でハワイへの渡航（とこう）が始（はじ）まった1885年（ねん）から戦後（せんご）にかけ、把握（はあく）できるだけで11万（まん）人（にん）近（ちか）くをハワイ、北米（ほくべい）、南米（なんべい）などへ送（おく）り出（だ）してきました。

　のちに戦火（せんか）を交（まじ）えた米国（べいこく）にも多（おお）くの人（ひと）が渡（わた）りました。時期（じき）によって移住（いじゅう）の目的（もくてき）はさまざまですが、農業（のうぎょう）経営（けいえい）などで身（み）を立（た）てた人（ひと）も少（すく）なくありません。

　日米（にちべい）開戦（かいせん）で、米国（べいこく）にとどまった移民（いみん）は日系人（にっけいじん）強制（きょうせい）収容所（しゅうようじょ）へ送（おく）られました。

　ハワイや米本土（べいほんど）で生（う）まれ、教育（きょういく）のため親（おや）の古里（ふるさと）にいた2世（せい）は1万（まん）人（にん）余（あま）り。その約（やく）7割（わり）が広島市（ひろしまし）や近隣（きんりん）で、米軍（べいぐん）が投下（とうか）した原爆（げんばく）に遭（あ）いました。戦後（せんご）米国（べいこく）に戻（もど）った「帰米（きべい）2世（せい）」の中（なか）には、被爆者（ひばくしゃ）も多（おお）いのです。

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