リベラル派の私が蓮舫氏と立憲民主の敗北に納得しか出来ない理由【都知事選】
2024年7月7日(日)20時、各局の選挙特番は番組スタートと同時に小池百合子の都知事三期目の当選を報じました。
私のTwitterのTLはリベラル寄りな方々が多いので、その報道に失望したり怒ったり、そういった反応が多く目に入ったなという印象です。
そういう私も、世間的にはリベラル寄りな政治観を持っている方だと思います。女性やLGBTの方々、経済的に苦しい人が生きやすい国になってほしいと思うし、人種による差別など無くなってほしいし、政治と金の問題にもいい加減にしろと憤る気持ちも持っています。
しかし今回の都知事選において、私の失望や怒りの感情は小池百合子氏やその支持者ではなく、蓮舫氏/立憲民主/そして彼らの一部支持者に向いていました。
お前ら勝つ気あるんか?と。
別に小池氏をアシストしたい気持ちなどないので、選挙期間中はそこまでネガティブなことを書くつもりはありませんでしたが、自分みたいな素人が想定した通りに蓮舫氏が惨敗したのを見ると、そして選挙後のいわゆる"リベラル界隈”の反応を見るに、恐らく次の解散総選挙でも負け、2025年の参院選でも大した成果は出せないでしょう。
「蓮舫さん残念だったけどよく頑張ったよ!」「街頭演説は盛り上がったから少しずつ流れは来ているよね」「マスコミが邪魔しなければ…!」「既得権益の組織票に負けた…」じゃないんですよ。
毎回毎回選挙のたびにそういう反応がTLに流れてきてますけど、甘すぎませんか。
もう既に私は立憲民主を大して支持していませんが、かつて票を入れたこともある人間として、今回の選挙で感じたリベラル政党≒立憲民主のダメさをまとめてみました。
あくまで感想であり、細かいところをきちんと精査しているわけではないのでご承知おきください。明らかな間違いがあったら優しく指摘してもらえるとありがたいです。
※私は都民ではありません。
※都民じゃないくせに黙っとけと言われたらごめんなさい。※都民じゃないくせに黙っとけというのであれば、維新が票取ってるからって関西人を一緒くたに馬鹿にするようなこと二度とするなよボケ。そういう態度も含めてクソって話やからよう読んどけ。
選挙戦略の明らかな失敗
そもそもリベラル陣営が思っているよりも小池都政は都民に評価されている実態があります。
立憲支持者ですら過半数は小池都政にポジティブな評価をしています。
その状況において「小池都政を止めたいなら蓮舫さんしかいない!」という呼びかけは空回りしていることがわかると思います。誰もそこまで小池都政を止めたいと思っていないのです。
これは私の意見と思ってほしくないのですが、リベラル派閥が強調する「朝鮮人虐殺の追悼文の送付拒否」とか「神宮外苑再開発」とか、都民は大して興味ないんです。というかそんなことを考えている余裕がない。自分の生活/子供の教育/老後の心配/給料が少ない、そういった身近な問題が深刻だからこそ、多少の汚さや不透明さがあれど具体的にアプローチしてくれる(くれそうな)政治家を求めているのでしょう。
となると、今回の選挙の攻め方としては「私はこういう政策を進めていきます。それは現在の小池都政よりも現実的で効果的でスピーディですよね」と、小池氏の政策よりもさらに具体的なビジョンを見せる、代案提案型の戦略が効果的だったはずです。
では今回蓮舫氏≒立憲民主はそのようなPRができたでしょうか。
何度も言いますが私のTLにはリベラルな価値観の方々、蓮舫氏を応援する方がたくさんいますので演説の動画なども流れてきます。
しかし上記のような具体的な政策の提案はほとんど無いように感じました。よく見たのは「小池都政を止めなければいけない!」「自民の政治を止めなければいけない!(関係ある?)」「よりクリーンで透明性のある政治をしていきます!」といった内容です。
元々小池都政に不満を感じていた人はそれで満足でしょう。では無党派層は?無党派層を囲い込まなければ数の差で勝つことが出来ないことは絶対にわかっていたはずなのに、その層に振り向いてもらう戦略から逃げ、はじめから自分を応援してくれている人達ばかりの方を向くというラクな道を選んでしまった。これが蓮舫氏が敗れた大きな理由の一つではないでしょうか。
しかも意味不明なのが、今回蓮舫氏は立憲民主党を離党したのにもかかわらず、何故か上述したいつもと変わり映えしない戦略を選んでしまったという点。
その是非や成否はともかく「揚げ足取りばかりする政党」というイメージが立憲民主についてしまっていることは事実です。今回離党したことで「立憲時代とは違うんです」「批判ばかりではなく、東京都民の皆さんのための政策を本気で考えてきました」とPRすれば、むしろこれまでの評価をひっくり返すこともできたかもしれないのに、それをやらなかった。
立憲議員が応援に駆け付けるいつもと大して変わらない選挙戦を進めたことが要因で、イメージの切り替えをすることが出来なかった。
それであれば立憲の政治家として立憲の推薦を貰ったうえで戦えばよかったものを、推薦を受けず「オール東京という党派性を超えた人たちからの応援を受けたい」という何を言っているのかわからない方向性を選んでしまった。それで共産党系の人たちと協力はできたかもしれませんが、共産党と距離を置く連合票を失ってるならプラスマイナス同じ話ではないでしょうか。むしろ是が非でも共産党だけはダメだという無党派層を完全に切り離してしまった。それはこれまでの国政選挙で既にやったことです。なぜ繰り返してしまったのか。
全ての戦略がチグハグで、どんな意図で決定したのか本当にわからない。
行き当たりばったりに「今自民が落ち目で立憲は勢いあるから、蓮舫の名前ならいいところまで行くだろう」という甘い考えで選挙に臨んだのではないでしょうか。
そういうチグハグさを放置しているから、政治資金パーティーを禁止する法案を提出しているのに、党幹部が政治資金パーティーを開催しようとするようなことが起こるんです。そりゃあ国民に「あいつら大丈夫か?」と思われますよ。こんなやつ職場にいたらイヤだもん。
アシストどころか邪魔しかしてない一部支持者たち
ご存知の方も多いかと思いますが、今回の選挙では小池百合子の演説が聴衆の「やめろ」コールで中断させられたという出来事がありました。
どの属性のどんな人がこの行動をしたのかは詳細は知りません。蓮舫支持者なのか選挙は関係ない完全な小池アンチなのか私は情報を持っていませんが、プラカードを持っている人たちや蓮舫支持を表すRのマークの人たちが合唱している動画も見たので、普通に考えて立憲支持者をはじめとしたリベラル派、蓮舫さんを応援している人たちでの行動であり、少なくとも「(無党派層の)都民から自然発生的に湧き上がった」わけではないでしょう。
この行動に関して、保守系の人だけでなくリベラル派の人からも選挙妨害ではないかと批判的な意見が出ていました。直近起こったつばさの党の選挙妨害を連想させてしまう行動でした。しかし一部リベラル派の人たちはこの「やめろ」コールを問題視しない、むしろ称賛するべきと思っているようです。
引用するのもめんどくさいので「やめろコール 権力」とかでTwitter内検索でもしてみてください。肯定的な意見がゴロゴロ出てきます。
「市民による抵抗権」だとか「つばさの党のやったこととは本質が違う」とか、理屈は色々あるんだと思いますし、本記事にてその議論は避けさせてもらいますが、一つだけ言わせてください。あなたたちは全員アホです。
何がアホなのかというと、今回の選挙の主目的を見失っているのです。
この都知事選において蓮舫氏を支持する人の最重要な目的は当然「蓮舫氏の当選」のはずです。
そして国政選挙などの結果を鑑みれば、無党派層を取り込まなければ勝てないことは自明です。
それにも関わらずテンションが上がってしまったのか知りませんが小池氏の演説を妨害し、ゴチャゴチャとしょうもない理屈を並べてその行動を正当化する。
第三者がその姿を見れば「あいつらヤバ…」とドン引きするに決まっています。
あなたは本気で「いや、これはつばさの党のやったこととは本質的には違い〜」とか「市民の抵抗権は民主国家では認められるべきものであり〜」とか説明すればみんながわかってくれると思っているんですか?
これがデモや市民としての政治活動ならまだわかりますよ。でも選挙なんですよ?
蓮舫氏の勝利ではなく自分たちのイデオロギーの主張を優先する支持者が一定数おり、それらを批判する自浄作用もないのであれば、無党派層はこれからも離れ続けます。
上記のような攻撃的な支持層を嗜めるそぶりでも見せれば多少は印象も変わるのに、ほったらかしにしていた蓮舫氏や立憲民主党にも責任はあると言えるでしょう。(バタバタしててそこまで把握してなかったということもあるでしょうが)
また支持者に関する話で言うと、自分たちと意見が合わない人たちを敵視しすぎという問題もあるでしょう。
例えば今回石丸氏が蓮舫氏を抜き2位という順位になりました。
この結果を受けて蓮舫支持の方々を中心に「民主主義の崩壊だ」「そんなに日本を終わらせたいのか」「若者は判断力が弱いからああいう人間を選んでしまう」と言った意見が多数出ていますが、選挙結果を「愚かな国民(都民)」という敵のせいにしていてはいつまで経っても選挙で勝てません。その愚かな国民に振り向いてもらえない限り、立憲民主党の勝ち筋など無いのです。
そもそも簡単に「愚かな国民」と断じること自体傲慢な行為だと思います。
100%完璧な候補者なんてどこの国のどの選挙においても居ないわけです。そのなかで少しでも自分に関する問題を争点にしてくれている候補者、少しでも何か変えてくれそうだと思わせてくれる候補者を探して、それぞれが迷って迷って迷った上で投票している。そんな有権者がほとんどでは無いでしょうか。
そうやって苦渋の決断の上で投票した人に「愚かである」「極右」「レイシスト」「こういう人たちのせいで日本が終わる」と感情的に判断して罵倒することがどんな結果を産むのか、少し考えてみてください。
社会経験も政治知識もない10代が散々考えた挙句自分なりの判断で石丸氏に投票した結果、蓮舫支持者に「若者は判断力が弱いから石丸に投票した」と言われたら、もうそれだけで分断が生まれるには十分です。
※維新が躍進する関西を馬鹿にする方もおられますが、その人気にも関わらず大阪市民は二度も大阪都構想を否決しました。そのバランス感覚は民主主義のあり方として評価されるべきであり、是々非々が出来ずにジリ貧の人たちがどうこう言えるものではありません。
小池都知事を支持しているからと言って、彼らは別に都庁のプロジェクションマッピングに賛成しているわけでもないし、追悼文拒否を肯定しているとも限りません。「都民がみんなレイシストだということがよくわかった…」というツイートが流れてきましたが、自分たちと少しでも意見が違う人たちを「敵」と認識し、「自分たちVS敵」という世界観でしか世の中を見ないから、小池支持が多い=都民はレイシストとなってしまうのです。しかしそれは論理の飛躍であり陰謀論です。
「自分とは違う候補者に投票する人」はほとんどの場合「自分とは少し重要視するポイントが違うだけの普通の人」です。
勝手に敵と断定し、その人たちのせいで負けたと言い訳していては改善はありませんし、そもそも負けた理由は明らかに蓮舫陣営側の戦略ミスにあります。現実を見なければ次も同じように負けるでしょう。
※私は石丸氏とかいう大した実績も出していないパワハラ気質の候補者が都知事になったらやべえだろと思っていますが、だからと言って投票した人を攻撃することは間違っていると思います。
今後どうしていきますか
自分みたいな素人でも上記程度の分析はできるのですが、立憲民主党は今回の選挙結果を「信じられない」と思っているそうです。
正直目も当てられない状況で、解散総選挙も悲惨な結果になることが既に見えています(なんせ知名度だけでいえば立憲トップであろう蓮舫さんが、パワハラ口調の実績もよくわからん新人に負けているんですよ)。
「悔しいですが蓮舫さんは頑張りましたね!次頑張りましょう!」とか言ってる場合じゃないんですよ。マジで。
立憲民主党を応援する人、リベラルな感覚を持っている人こそが、今このタイミングでしっかりと「お前らいい加減せえよ!」と彼らを批判して叩きなおさなければいけないタイミングです。
言うまでもありませんが、支持政党や支持候補者とは、別に神のように崇め奉らなければいけない存在ではありません。
応援するべきことは応援しつつ、間違っていると思ったら間違っていると批判する。
失敗要因を外部に擦り付けず、内的要因をしっかりと見つめなおす。
1ミリでも考えが違うからと言って敵だと判断せずに是々非々な感覚を保つ。
そういう地道な行動を通して、日本のリベラル界隈の空気を少しずつでも変えていく、ラディカルだけではない左派という基盤を整えていく、そうしなければマイナスイメージを覆せず、本当に壊滅してしまうでしょう。
今の時点で日本の民主主義は終わったとか大層なことを言って憐憫に浸っているようではマジで終わりです。
私は既に数年前に立憲民主党を見限っているので、抜本的な方向転換をしてくれなければ今後投票することはないですが、一縷の望みはかけたいと思います。
※多分私みたいなリベラル層が1番投票先選びに苦心しているんじゃないでしょうか…同じ立場の方、お互い苦労しますが各々自分のできる範囲で頑張って生きていきましょう。
上記内容が全て正しいだなんて事は思っていませんが、立憲民主党の議員の方々、支持者の方々に届いて何かしらのキッカケになれば嬉しいなと思います。
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