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東大生が激論!「つめ込みは真の教育である」は本当か

みなさん、こんにちは! ドラゴン桜note編集部です。

今回は趣向を変えて、あるテーマについて現役東大生の方たちに持論を述べてもらいました。そのテーマとは、「つめ込みは真の教育である」というもの。ドラゴン桜のマンガで、伝説のスパルタ数学講師である柳先生も、この方針で生徒を指導していました。

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知識偏重型といわれる日本の教育の是非については様々な意見がありますが、実際に東大に入った人たちはこの「つめ込み」に対してどう思っているのでしょうか。現役東大生たちのリアルな声をお届けします!

―では、今回のテーマについて皆さん自由に意見を述べてください。

Aさん:つめ込みは、確かに真の教育であると思います。実際、考えるにしたって考えるための道具として知識がなければ何も始まりません。考える力を伸ばすためには、ある程度知識をつめ込まなくてはならないから、つめ込みこそが思考力を養うための土台であり、教育の神髄であるといっても過言ではないのかと思います。

―なるほど、現代の教育では考える力が大事と言われていますが、その基礎になるのがつめ込みだということですね。

Bさん:私も個人的には、つめ込みこそ真の教育といえると思います。例えば、歌舞伎用語にも「型破り」と「型無し」というのがあり、型をマスターした上で敢えて破るのが「型やぶり」、単に型を習得できていないのが「型無し」です。前者は個性として評価される一方で、後者は評価以前の問題でしょう。中学生や高校生などのまだ基本的な型を身に着ける段階の時期に受ける教育として、つめ込みというのは、これからの長い人生の土台を作ってくれる良いモノだと思います。

―Aさんと同様、Bさんも子どものうちにまず型を身に着けるためにはつめ込みが重要だという立場ですね。

Cさん:私はつめ込み型の教育は真の教育ではなく、もはや古いものだと思います。実際、単なる知識量を問うことに重きを置いていたセンター試験が、知識を応用できるかどうかが問われる共通テストに変わりましたよね。つめ込む努力のみでいわゆる「エリート」になれた時代からは打って変わり、現代ではいかに自身で養った知恵をもとに、社会の変化に対応していけるかどうかが重要になってきています。とはいえ、社会の変化に対応するためには、前提として知識が必要不可欠であるのはもちろんなので、現代社会においてつめ込むことは「必要最低限やるべきこと」にしか過ぎず、獲得した知識について自分の頭で考え理解し、その上で持論を展開できるようになることが今の教育に求められていることだと感じます。

―おっと、ここで否定的な立場の意見も出ました。ただ、つめ込み自体が悪いわけではなく、それが最低限のやるべきことであり、つめ込んだ知識を自分で活用できる力を養うことの方が真の教育であるということですね。

Dさん:私もつめ込みは真の教育とはいえないと思います。学びというのは、インプットとアウトプットの両方があって成立するもので、ただ知識を身につけただけでは、学びは完成しません。言うなれば、学んだことを生かして、自分の生活や人生、さらには他人の生活にまで還元していくことが、教育の最終的な目的ではないでしょうか。そのためには、インプットとアウトプットの絶妙なバランスが、教育には求められると思います。

―なるほど、つめ込みだけでは学びが完成しないということですね。

Dさん:そうですね。「つめ込み教育」の定義を調べると、「短期間で膨大な知識を取得する教育」とでてきます。すなわち、「つめ込み」は、知識をひたすらインプットするだけで、アウトプットという学びのもう一つの側面が欠けていると思います。また、知識の基盤をつくるには詰め込みは致し方がないという意見もありますが、インプットの形は必ずしも「つめ込み」である必要はないでしょう。例えば、海外留学をしている人のほうが、日本の学校でひたすら文法と単語を詰め込んでいる学生より効率的に語学力が身に着くのは、インプット(=ネイティブの話を聞く・文を読む)とアウトプット(=自らその言語で発信する)の両者を適度な量・頻度で毎日繰り返し行っていることが一因だと思います。どんなに優れた道具でも、自分のものとして使いこなせるようにならなければ意味がありません。真の教育とは、その段階に導くまでの一連の過程のことではないでしょうか。そう考えたとき、「つめ込み」は必ずしも教育の真の姿ではなく、また学習において必要不可欠な手段とはいえないと思います。

―Dさんはつめ込み教育の定義に基づいて、インプットとアウトプットのバランスの必要性について意見を述べてくれました。

Eさん:私も詰め込みが真の教育だとは言い切れませんが、悪い面だけではないとも感じています。近年、「主体性」を育む学びが重要視され、双方向の授業スタイルやディスカッションワークなどが多くの学校や教育現場で導入されています。しかし、意見共有による学び合いは、その分野に関しての一定の知識がないと議論が発展しづらいと私は思うので、幅広い意見を出すための土台作りとして、ある程度の知識の詰め込みは必要ではないでしょうか。

―なるほど、確かに最近はアクティブラーニングと呼ばれる双方向的な学習が注目されていますが、そのようなケースでも、やはり一定の知識がないと成り立たないのではないかということですね。

Fさん:私はつめ込み教育を肯定的にとらえています。ただ、一般的な視点からは少し違う立場で考えています。つめ込み教育を批判する意見として大体予想されるのは、「本質的でない部分まで丸暗記させたらパンクする」、「無理やり覚えさせても結局はテストが終われば全部忘れる」、「結果だけ覚えるから『なぜそうなるのか』を疑問に持てなくなる」といったあたりですよね。

―確かに、そういった意見は多いと思います。

Fさん:一つ一つ検証していくと、まず一つ目に関して、本質的でない部分まで何でもかんでも丸暗記させるのは確かに効果が薄いでしょう。そうではなく、覚えるべき内容を、本質的な知識や法則と、そこから枝葉のように伸びる情報に分け、その重要度の差や関連性ごと「つめ込む」。いわば「情報同士の繋ぎ方」ごと覚えれば、意味があると言えるのではないかと思います。思考の本質は、脳内にある情報どうしを適切に結びつけて発展させるネットワークであり、空っぽの引き出しからは何も生まれません。物事を正しく理解し、知識を増やすことで、情報の繋ぎ方の幅が広がります。そうして養われた、情報と情報の関連性をたどる力を「思考力」と呼ぶのではないでしょうか。

―なるほど、例えば地理の勉強で「経度15°ごとに1時間の時差が発生する」というような独立した知識でなく、「地球は球体である→地球の自転は1日で1周→円は360°→1日は24時間→360÷24=15→経度15°ごとに1時間の時差が発生する」という風に、繋げ方まで理解するのが大事だということですね。

Fさん:そうですね。次に、「テストが終われば全部忘れる」という点ですが、有名なエビングハウスの忘却曲線が示すように、人間は忘れる生き物です。しかし、「一度覚えた」という経験は、次にまた同じことを勉強するときに「より短い時間で覚え直す」ことを可能にします。この繰り返しによる記憶の定着を学習と呼ぶので、忘れるからといって覚えようとしないのは本末転倒です。

―確かに、いくら頭のいい人でも一度ですべてを覚えることは無理ですからね。

Fさん:最後の「結果だけ覚えるから『なぜそうなるのか』を疑問に持てなくなる」という点についても、むしろ逆だと思います。例えば「植物は光を浴びると酸素を発生させる」という光合成の現象については、多くの人が知っているでしょうが、もしその知識がなければ、光を浴びている植物を見て光合成の仕組みに考えを巡らすことができるでしょうか。知らないものについて疑問に思うことは難しいし、反対に知ってさえいれば、思考を深めるチャンスが生まれます。それを促すのが教育の役割ではないでしょうか。単に知識を与えて終わりの指導は確かに批判されるべきですが、それは思考の前段階である知識の獲得過程そのものへの批判にはなりえないと思います。

―なるほど、なにかについて知識を得ることが、そこからまた次の学びへとつながるきっかけになるということですね。

Fさん:そうですね。正しい知識を得ることが次の知識への足掛かりになり、そしてまた新たな知識を獲得して、より高度で複雑な思考を可能にさせていきます。先ほど言ったように、思考の本質はネットワークであるため、起点となる知識を多く獲得することは、複雑な問題に耐えうる思考力を養成するうえで極めて重要になるでしょう。正しい知識と情報どうしの繋ぎ方を教え、次なる知識へ手を伸ばす助けとする。教育の役割とは、まさしくそこにあると思います。

―ありがとうございます。Fさんはつめ込み教育を単なる個々の知識の丸暗記ではなく、知識を体系化して活用できるまでのやり方をつめ込むという意味で、真の教育だとする立場でしたね。本日はみなさん、色々な意見をありがとうございました。

さて、今回の討論はここまでとなりますが、いかがでしたでしょうか。様々な立場からの意見がありましたが、東大生のみなさんが共通して考えるのは、やはり思考力の土台となる知識についてはつめ込みが必要だということです。

文科省が従来のセンター試験から共通テストへ制度変更した目的も、知識や技能だけでなく思考力や判断力、表現力が重要だからということでしたが、少なくとも東大生の人たちは、つめ込みなしにはそれらも成り立たないのではという考えのようです。みなさんも知識のつめ込みについて疑問を感じた時は、ぜひこの討論の内容を参考にしてみてください!

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