現れた4機の敵。
所属のバラバラなそれらは、2対1が2つの構図を取ることにしたようだ。
ペイターとコールドコールがユーリの方に、解放戦線の2機が俺にかかってくる。
……さっさと片づけるべきだな。
使えるものは全て使って、最短でいこう。
「コーラルの戦士が、企業の走狗に成り下がるとはな! ルビコンの解放は、もういいのか!?」
揺さぶりの言葉を吐きながら、ABで距離を詰める。
「我々は今、王手をかけられている……! 傍観者気取りで穴熊を決め込んでいれば、企業連合の次の標的が我々になるのは必至だ……これしか、勝ち筋がないのだ……!」
「誰に言い訳してんだよ、お前自身か?」
会話の応酬をしつつ、ミドル・フラットウェルの乗機、「ツバサ」に接近。
リトル・ツィイーの「
「帥叔! なんでそんな奴の言葉に耳を貸すんだ! そいつは……そいつは……!!」
誤射を恐れ、射撃できなくなったリトル・ツィイーが、苛立ちながら零す。
……必要なものを「調達」するついでに打った
これが
「ツバサ」にニードルガンを打ち込んで衝撃を稼ぎながら、言葉を放つ。
「何を怒ることがあるんだ? リトル・ツィイー」
「何だと……!」
「どうせ全員灼き殺すんだ、少し予定が早まっただけだろうに」
「お前……っ!」
挑発に乗ったツィイーは、怒りのままその手に持ったグレネードを放つ。
その小型でありながら強力なグレネード弾は、見事に炸裂。対象を
こちらではなく「ツバサ」を、だが。
「な……に……」
背後からの予期せぬ一撃に、驚きの声を漏らすフラットウェル。
すかさず、あらかじめチャージしていたチェーンソーを突き刺し、撃破。
「そ……そんな……違――」
狼狽して動きが止まった「月魚」を蹴り飛ばし、ニードルガンを打ち込み、殴り、チェーンソーでとどめを刺す。
残り2。
「おかしいな……私はまだ、これから……」
訂正。残り1だ。
「……可哀想に」
ジェネレータを収束レーザーで貫かれたペイターのHCを一瞥してか、コールドコールがそう零した。
「ここ最近は、何を選んでも、あらゆる場所から死臭がする。 まるでどうあがいても誰も彼も死ぬと、そう言われているようだ」
歴戦の傭兵といえど、この状況で勝ち目はない。そう察してか、彼はなおも続ける。
「まあ、長く生きて理不尽に殺し続ければ、こういうこともある。袋小路、詰み、あるいは因果応報か?」
「デッドスレッド」はそれでも抵抗を続けるが、2機の猛攻を受けてあっという間に
「ああ、お前の殺意を感じるぞ、モンキー・ゴード」
追撃を潰すべくアサルトアーマーを起動してくるが、こちらも数瞬置いてからアサルトアーマーを起動。
「憎悪も、悦楽も、正当化も、罪悪感もない。ぞっとするほど透明だ。これほど混じり気のない殺意は、そうそうお目にかかれんな」
チェーンソーを構え、チャージ。
「最期に教えてくれ。お前は、
その問いには答えず、俺は「デッドスレッド」にとどめを刺した。
「…………」
「……さて」
一帯の敵が片付いたのを確認した俺は、コンソールを操作してあるコマンドを入力する。
しばらくすれば、複数の補給シェルパが、バラバラの方角から集結した。
その数、20と少し。集合する前に
そのうちの1つを空け、残りを入口付近のバラバラな場所に隠し直した。
これなら、ウォッチポイント内に突入後も、安全さえ確保すれば補給ができるだろう。
……それだけではないが。
「ユーリ、お前の弾薬もある。補給しておけ」
自分の補給を終え、そう促す。
「…………」
「どうした?」
「ねえ、ゴード」
「何だ?」
「ここに来るまえに、なにを、したの?」
「……気にするな」
「…………」
「先を急ぐぞ」
「……ごめんね」
ウォッチポイント・アルファへの、唯一の入り口である巨大な隔壁の前に立つ。 それは先の技研都市防衛戦でアーキバスが突入する際にこじ開けられた状態のまま、大口を開けて俺たちを出迎えた。
スキャンを行ってみれば、外からは見えない位置に大量の敵が潜んでいることが見て取れる。
「待ち伏せされてるな」
「うん」
だが、分かっていても行く以外の選択肢は無い。不意打ちを最大限に警戒しつつ、穴に飛び込む。
「来たぞ! G13、G14だ!」
「総員、迎撃開始!」
「ここを通したら、また総長に手柄を取られるぞ! それが嫌なら奴らを墜としてみろ!」
出迎えたのは、緑系統に塗装された多種多様な機体たち。
レッドガン部隊のお出ましだ。
ジュピター(最終決戦仕様)
UNIT
R-ARM UNIT:NOT EQUIPPED
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
FRAME
HEAD:HD-012 MELANDER C3
CORE:07-061 MIND ALPHA
ARMS:AA-J-120 BASHO
LEGS:LG-012 MELANDER C3
INNER
BOOSTER:FLUEGEL/21Z
FCS:IA-C01F:OCELLUS
GENERATOR:AG-T-005 HOKUSHI
EXPANSION:ASSAULT ARMOR
【挿絵表示】
解説
最終決戦の「ジュピター」。
長年連れ添ったジャンク天槍頭とようやくお別れし、「ブラックアント」の頭をつけた。あと、あまり見た目に差はないが足も換えた。
同じく長年連れ添ったハンドガンも換装。解放戦線から調達したうちの1つであるニードルガンを装備した。
あと、しれっとブースタをFLUGELにしたので、チェーンソーとパンチのキレが上がっている。
そういえば名前の由来を言い忘れていたが、宇宙実験でリスザルのゴードが乗せられたロケットである「PGM-19 ジュピター」から取った。