転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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技研都市防衛④

 

「アーキバス部隊、第1波の壊滅を確認しました」

 

 オペレータの声がする。

 

 あのシュナイダー機を落とした後、残存する鹵獲部隊を掃討するのに、さほど時間はかからなかった。

 ベイラムMT部隊との戦いでそこそこ数が減っていた上に、プラズマ爆撃の巻き添えでも結構な数が減ったからだ。

 

 「ファクトリー」で作られたと思しきあの部隊は、ベイラムの部隊にとっては士気を挫いてくる恐るべき敵だろうが、気にしない者にとっては大した脅威ではない。

 

「第2波、来ます!」

 

 粗方片付いたあたりで、新手だ。

 

「第2隊長閣下に報告します。ベイラム部隊と接敵、戦闘開始」

 

「レッドガンの名のもとに……アーキバスに栄光を……」

 

「MT部隊に大規模な損害を確認、作戦の成果は上々です」

 

「総長……総長……」

 

 今度は、アーキバスの正規部隊らしい。

 機体は、封鎖機構の鹵獲兵器が大半だ。

 

 ただし、しっかりと弾避けとなる「部品」を混ぜて、揺さぶりを掛けてくるあたり徹底している。

 

「クソが……まだレッドガンを騙るのか……!」

 

「畜生……撃ちたくねぇよ……」

 

 ベイラム側の士気は、微妙なところだ。

 

 五花海の詐欺を信じてか、義憤に燃えてか、ヤケクソじみて攻撃的になる者、敵の中に仲間が混ざっているという事実に耐えられず、極端に消極的な者、だいたいこの2種類に分かれているようだ。

 

 今度の正規部隊は、先ほどと違い練度も高い。

 確かな連携を以て、足並みの乱れたベイラム部隊を殲滅していく。

 

 だが、その洗練された動きが逆効果になる面もある。

 

「総長……総――」

 

「ああ、レッド――」

 

 全員が動きのおかしい「部品」であった第1波と違って、今回はまともな部隊の中に「部品」を混ぜている。動きを少し観察すれば、どれが弾避けとして混ぜられた「部品」なのかは一目瞭然だ。

 

 動きのおかしい機体を優先的に潰していけば、通信に混ざるうわ言が減っていくのが分かった。

 

「皆さん! 残る相手はアーキバスの正規部隊のみです! レッドガンの名を騙り、その名に泥を塗った張本人ども! 果たして、これを許しておけますか!?」

 

 「部品」の殲滅を確認し、五花海が檄を飛ばす。

 

「そ、そうだ! アーキバスのクソ共に、地獄を見せてやるぞ!」

 

「俺達を侮辱したこと、後悔させてやる!!」

 

 五花海の扇動により、どうやら怒りの矛先は、今しがた元仲間を殺しまわった俺ではなく、アーキバスに向いたらしい。

 

 奮起したMT部隊の動きは、先ほどよりもかなり良い。

 次第に、ベイラム部隊がアーキバス部隊を押し返し始めた。

 そこで、通信が入る。

 

「高速で接近する機体反応! 新手です!」

 

 通信から間もなく、その新手が姿を現す。

 

 地面を高速で駆ける、ACよりもはるかに大きい機体。

 

「緊急調整により少し遅れたが、V.Ⅳ(ヴェスパー・フォー) スウィンバーン、アーキバス・カタフラクト! 現着した!」

 

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AAS02A:ARQUEBUS CATAPHRACT/V.Ⅳ Swinburne

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「クソッ! カタフラクトの改修型か!?」

 

「正面だ! 正面を狙え!」

 

「ダメだ、あれは……パルスアーマー!?」

 

「火力が高すぎる! 近づけない!」

 

 

「ククク、分を弁えない不法者ども……! このスウィンバーンが指導してくれる!」

 

 現れたカタフラクトの改修機……「アーキバス・カタフラクト」は、元になった機体とは比べ物にならないほどの強化が為されていた。

 

 まず目につくのは、機体上部の旋回砲塔に取り付けられた3連装スタンニードルランチャー。

 元々は連装ミサイルランチャーがあった場所に取り付けられたそれは、貫徹力と攻撃範囲を両立し、MT部隊を薙ぎ払っている。

 もう片方の可変レーザーキャノンは元の機体から引き続き装備されているようだが、その威力も底上げされている。

 砲塔下部についていたガトリングキャノンは、レーザーガンに換装されているようだ。

 

 続いて本体。

 車体固定式のガトリンググレネードが取り外されているが、それより目を引くのは、車体正面のコアユニットだ。

 MTの代わりに、4脚ACが据えられたそのコアを、パルスアーマーがすっぽりと覆っていた。

 おそらく、バルテウスから流用したものだ。

 ブースタから出る光は青白いものに変わっており、高出力の還流型ジェネレータに換装されていることが見て取れる。これで増加したEN負荷の帳尻を取り、レーザーの威力を上げているのだろう。

 

 弱点を補強しながら、強みである火力も伸ばしている。

 見事な強化だと言わざるを得ない。

 

 それから、パイロットの動きも適切だ。

 

 不用意に足を止めず、弱点を上手く庇いながら火力を投射し続けている。

 封鎖機構のそれとは、格が違う。 

 

 総合すれば、非常に隙が無く、強力な敵だ。

 これは、なかなか骨が折れそう――

 

「皆さん、下がっていてください」

 

 突然、五花海が言う。

 

「ここは、私にお任せを」

 

「……了解」

 

 それを聞いたMT部隊は、反論もせずに下がる。よくあることだ、とでも言わんばかりに。

 

「何のつもりだ? 不法者」

 

 それを見たスウィンバーンが、不思議そうに問いかける。

 

「いえ、少しばかり、私の話を聞いていただきたいと思いましてね」

 

「……いいだろう、私は人の話を最後まで聞かない愚か者ではないからな。 それで? 何の話だ?」

 

「単刀直入に申し上げましょう」

 

 

 

 

 

 

 

「我々に付く気はありませんか? スウィンバーン殿」

 


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