「お前の相手は、俺だ……!」
「ボイジャー2」を追おうとする「CEL 240」の前に立ち塞がれば、それはあっさりとこちらに注意を向けた。
「―――――――!!!」
こちらに向き直る「CEL 240」。
それは、手に装着されたコーラルオシレータから緋い光刃を発生させると、
「『―――――』!!!!」
そうして、刃を突き立てたまま、勢いよく切り上げを放つ。
放たれた緋い光波は、水に含まれるコーラルを巻き上げて巨大化、追尾しながら向かってくる。
「……っ!」
それに対し、斜め前に飛び込む。
幸いなことに、勢いがある分、追尾はやや甘い。
光波の本体は回避できた。だが。
「―――――――」
「くっ……!」
直後、巻き上げられた水飛沫が爆発。若干削られた。
そして爆炎が晴れた頃には、「CEL 240」は子機から射撃しつつ距離を離している。
やはり、徹底しているな。
これで突撃でもしてくれれば、いくらでもカモれるのだが。
そう考えている間に、次が来た。
「―――――――!!!」
今度は、こちらからは届かない高度に陣取って、光波を乱れ撃ってくる。
上からは斬撃、下からは跳ね上げられた水による爆撃。
まさしく、緋い嵐だ。
上昇して水面から離れ、斬撃の回避に専念。
これも当然のように追尾してくるが、多少は慣れてきた。
要はミサイルと同じだ。適切な軌道を取れば、振り切れる。
全弾回避するが、そこでENが尽きた。
こちらが水面に向かって降下する中、
それは「CEL 240」と同じシルエットだが、実体はない。
緋いコーラルが輪郭だけを形作っている。
有り体に言ってしまえば、分身だ。
「『――――――』!!!」
本体から離れたそれは急降下し、光刃を振り下ろしてきた。
「……っ!」
刹那、緊急補充されたわずかなENを振り絞り、虚空に蹴りを繰り出す。
その動きで僅かに直撃コースを避けたその分身は、水面に衝突すると同時に爆炎を巻き上げる。
余波で放射状に広がりながら燃えるそれは、まるで緋色の花が咲いているようにも見えた。
直撃していたら、ひとたまりも無かった。そう息をつく暇もなく、立て続けに分身が襲ってくる。
3、4、5体。今度は爆発こそしないが、次から次へと斬りかかってきた。
分身だけに突撃させておいて、本体は安全圏なのが最高に糞だ。
こちらが分身を避けている間に、着地した本体は何か溜めるような動作を取っている。
「『――・――』!!!!!!」
それは、しばしの溜めの後、虚空を二閃した。
「…………?」
だが、光波が放たれることはない。
不思議に思ったその直後、水面が緋色に輝く。
即座に飛び退くと、その場から火柱が上がった。
しかも、それは一箇所だけではない。四方八方から上がった火柱は、動きをひどく制限する。
そうして回避を封じられたところに、相手が何もしない筈がない。
見れば、再び上空に浮かんだ「CEL 240」は、両手のコーラルオシレータを交差させていた。
「『――』…………」
十字に交差したその刃に、緋色の極光が収束していく。
「『―――』!!!」
やがて放たれた、必殺の一撃。
それは、回避ルートの無いこちらに慈悲も無く迫り――
「手古摺っているようだな!! 手を貸してやろう!!」
――展開したパルス防壁によって相殺された。
背後を見れば、そこには若干装甲が焼け爛れた「ライガーテイル」が立っている。
「メダルの出来損ないと段ボール箱共は片付けたが、こっちは随分と活きがいいらしい!」
「助かった、だが無理に攻撃はしない方がいい、時間を稼ぐことに集中してくれ」
「ほう、G13か」
「……そういうことだ」
「貴様、どうやら随分とG13に懸想しているらしいな?」
「? ああ、信頼はしてるが」
「そうか!!! まあいいだろう!!!」
よくわからんが、戦闘に集中する。
ミシガンが加わったことで、攻撃を凌ぐのも幾分楽になった。
特に大きいのが、水飛沫の防御だ。
「ライガーテイル」は、降りかかる水飛沫が触れる前に爆雷投射機で迎撃、相殺していく。
爆発武器の無いこちらにはできない芸当だ。
反面、機動力では劣るため、光波の回避には苦労しているが、こちらが積極的に前に出て囮になることでどうにかなっている。
光波の動きにも、だいぶ慣れてきた。もう当たらない。
しかし、高速で逃げ回る「CEL 240」を射程に捉えることもできない。
そんな千日手が、しばし続いた後。
「―――――――」
相手が奇妙な行動に出た。
両手のコーラルオシレータを水面に突き立て、そのまま動かない。
「なんだ……?」
その直後、湖全体が、血でもぶち撒けたかのように緋く染まった。
さらに、水が意思を持ったように渦巻き始め、時折赤い火花が散りだす。
「
自分諸共やる気かとか、集積コーラルに引火したらどうするつもりなのか、などど考えている暇はない。
爆発を阻止すべく、全速力で突撃する。
「―――――――」
だが、分身が行く手を阻んだ。
こちらの進路は塞がれ、ミシガンが放った連装グレネードも切り払われた。
そうこうしている間に、足元の光は臨界に近づいている。
間に合わない。だが、それでも可能な限り「CEL 240」に近づこうとする。
なぜなら、「CEL 240」の背後に迫るものが見えたからだ。
それは、巨大な光波。
先ほどまでと違うのは、それが翠色をしているところだ。
水面すれすれで飛ぶその斬撃は、徐々にコーラルを巻き上げて緋が混ざり、その大きさと勢いを増しながら突き進む。
「―――――――!?」
着弾寸前で、気付かれた。
慌てて回避行動を取る「CEL 240」。
「――――――――!!!」
だが、その動きが分かっていたかのように、光波は軌道を曲げた。
なるほど、
「―――――――!!」
光波が直撃し、
それに突撃する速度は、緩めていない。
「随分と、好き放題やってくれたな……!」
勢いのままに右拳を叩きつけ、
再起動などと、甘えたことをする猶予など与えるものか。
チャージが完了したチェーンソーを、心臓部めがけて抉り込む。
高速回転する刃は、白い装甲を引き裂き、内部をズタズタにしていく。
だが、それが心臓部に達するより前に、「CEL 240」からコーラルの光が消えた。
「……!?」
それでも、攻撃を止めることはない。
大穴を空けて倒れる「CEL 240」に、今度はハンドガンを向ける。
チェーンソーのオーバーヒートが終わるまで撃ち続け、終われば再びチェーンソーに持ち替え。
「CEL 240」が完全に八つ裂きになったところで、ようやく一息ついた。
「どうにか、なった?」
そこで、離れていた「ボイジャー2」が駆け寄ってきた。
見れば、左腕には先ほど橋の下で拾った光波ブレードが取り付けられている。
なるほど。「彼女」なら、拾ったばかりの武器をシステムに同期させることも可能という訳か。
「ああ、お前のおかげ――」
そう言った時、「ボイジャー2」の背後、バスキュラープラント側の崖の上から、何かがこちらを見下ろしていることに気付いた。
それは、赤黒に塗装されたAC。
「―――――――」
それは、こちらと目が合ったことに気付くと、技研都市の奥に飛び去って行った。
「今のは……」
慌てて、それを追おうとするが……
「
ミシガンの声。どこか、有無を言わせぬ威圧感を含んでいる。
それと同時に、先ほどとは逆方向の崖、つまり俺たちが来た方角から、複数の影が覗いた。
「抜け駆けしてコーラルを独占する腹だったのだろうが……通らんよ、それは」
「やはりあれは吉兆……いえ、凶兆といった方がよろしいでしょうか」
「多重ダム以来だな、てめぇ」
「……G13」
「貴様も来ていたのか、独立傭兵」
それは、MTに、AC、そして封鎖機構の鹵獲兵器。そのすべてに、レッドガンの刻印がある。
「――――――――!!」
「……っ! そういう訳か、ミシガン……!」
「どう、するの? ウォルター……」
なるほど。今回の任務、独立傭兵だけにやらせず、わざわざ総長が自ら付いてきたのはそういう訳か。
確かに、レッドガンの総長、
だが、底抜けのお人よしではないし、馬鹿でもないのだ。
ハンドラー・ウォルターが猟犬を動かし、集積コーラルを目指す理由。
その全容を知っているわけではないだろうが、何かしらの思惑があることは察していたのだろう。
その対策を打つのは当然のことだ。
「最後通告だ、G13を帰投させろ。ハンドラー・ウォルター」
要するに、彼はこう言っているのだ。
見逃してやるから帰れ、と。
冷徹なのやら、優しいのやら。
「……戻れ、621」
しばしの沈黙のうち、ハンドラー・ウォルターがそう口にした。
「――――――――」
「……わかった」
そう言って引き返す「ボイジャー2」。
「…………」
それを見送りながら、レッドガンの方を見やる。
「心配せずとも、後ろから撃つマネはせん。それに、報酬もきっちりくれてやる」
「俺に向けて言ってるのか? それ」
そう返して、俺も帰投することにした。
こうして、ウォッチポイント・アルファの最深部、ルビコン技研都市は、ベイラム・インダストリーの占領下に置かれることになった。
だが、そのライバルであるアーキバス・コーポレーションもいまだ健在だ。
さて、この両社が今まで全面的な対決に踏み入らなかったのにはいくつかの理由がある。
第一に、封鎖機構との全面戦争、およびその追撃戦で損耗を負ったこと。これにより、両社はその穴埋めとして封鎖機構の鹵獲兵器を活用することに注力してきた。
第二に、彼らの目標があくまで集積コーラルの入手であること。
そのために、ベイラムはウォッチポイントの調査を優先し、アーキバスはそれを横取りすべく準備を進めてきた。
そして今、鹵獲兵器の改修、機種転換は粗方終わり、集積コーラルの方はベイラムが手にした。
つまるところ、これから始まるのは。
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技研都市制圧
作戦領域:ルビコン技研都市
依頼者:アーキバス・コーポレーション
作戦目標:拠点襲撃/敵部隊殲滅
報酬:500,000COAM
詳細
・ルビコン技研都市の制圧
・僚機あり
・敵撃破に応じて報酬加算
選択ミッション
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技研都市防衛
作戦領域:ルビコン技研都市
依頼者:ベイラム・インダストリー
作戦目標:拠点防衛/敵部隊殲滅
報酬:500,000COAM
詳細
・ルビコン技研都市の防衛
・僚機あり
・敵撃破に応じて報酬加算
選択ミッション
--------------------
全面戦争だ。
謎のAC
UNIT
R-ARM UNIT:
L-ARM UNIT:
R-BACK UNIT:
L-BACK UNIT:
FRAME
HEAD:20-081 MIND ALPHA
CORE:EL-TC-10 FIRMEZA
ARMS:VP-46D
LEGS:LG-011 MELANDER
INNER
BOOSTER:IB-C03B:NGI 001
FCS:IB-C03F:WLT 001
GENERATOR:IB-C03G:NGI 000
EXPANSION:???
【挿絵表示】
解説
一体何者なんだ……?
ちなみに機体名は「81-001 ANGL」としました。
ECHOのアリーナ解説文に「技研パーツを使った夥しい作例」ってあったのでこんなのもあるかなと。
あと、エンブレム作成にハマったのでいろいろ作ってみました。
ほぼ初めてなのでクオリティは分かりません。
セラちゃん
【挿絵表示】
AMちゃん陣営であることを示す三角形に謎の9、謎の光輪と謎の3対の翼。
一体何を表しているんだ……?
パラナちゃん
【挿絵表示】
逆さの三角に上を向く赤い銃。どういう意味なんだ……?
テセウス君
【挿絵表示】
天秤に乗ったダイヤと斧。斧が刺さった方に傾いている。
金持ちである彼が傭兵稼業に身を投じる動機を端的に表せてたらいいな。
選択ミッション
- 技研都市制圧(アーキバス側)
- 技研都市防衛(ベイラム側)