ゼロの使い魔T   作:ナイトメア・ゼロ

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5話 ヴァストリ広場での虐殺

「諸君、決闘だ!」

 

 ギーシュの宣言と同時に、周りの貴族達が歓声を上げる。決闘の会場となったヴァストリ広場にはギーシュとサイトを取り囲むように集まっていた。

 

「ギーシュが決闘するぞ! 相手はルイズの使い魔だ!」

 

 サイトはめんどくさそうな顔をしながらショットガン(レミントンM870)の持ち手をガシャっとスライドした。

 

「とりあえず、逃げずに来たことは褒めてやろうじゃないか」

 

 ギーシュは、バラの杖を構えると。

 

「では早速始めようか?」

 

 そう言ってバラ杖を振った。

 

「いでよ!僕のワルキューレ!」

 

 花びらは姿を変え1体の銅像に姿を変えた。

 

「・・・・・それも、錬金って奴か?」

 

「そうさ。コイツの名前は【青銅の戦乙女(ワルキューレ)】。僕が生み出したゴーレムさ。僕はメイジだから遠慮なく魔法を使わせてもらうよ」

 

 そう言ってワルキューレをサイトに向けて走らせた。この時、ルイズも含めてサイトが貴族に勝利するなんて考えていなかった。広場に集まった貴族達はライズを除いて暇つぶしにサイトがボコされる姿を見に来ただけだった。

 だからこそ。

 

ズドーン!!

 

 ワルキューレが簡単に破壊されるのは予想外だった。

 ワルキューレは、簡単に砕け地面に落ちそれを見たギーシュは、驚愕した。ギーシュだけではない。ルイズ達、ギャラリーもサイトの攻撃に驚いていた。ギーシュはサイトの攻撃に驚いてはいたが焦ってはいない。不敵な笑みを浮かべサイトに杖を向けると。

 

「僕のワルキューレを壊すとは平民にしてはやるじゃないか。だけど、今からどうやって装填し直すのかな?僕らメイジは、呪文を唱えればすぐに魔法を使える。だけど平民が作ったその玩具(オモチャ)は、装填に時間がかかる上に命中制度もよくない。僕は君に装填し直す時間を与えるつもりはないよ!!」

 

 そう言って新しいワルキューレを生み出した。サイトは持ち手の部分を再びスライドした。

 

「行け!!僕のワルキューレ!!」

 

 ワルキューレは、再びサイトに襲いかかった。

 

ズドーン!!

 

 そして破壊された。

 

「・・・・・・ハァ?」

 

 ワルキューレを破壊されてギーシュは目が点になった。ギャラリーの貴族達も信じられないものを見て呆然としていた。

 

「ま、待ちたまえ!!え?い、今、いつ装填し直したんだい!?ま、まさか、君はメイジなのかい!?」

 

「さーな」

 

 サイトは、ゆっくりと歩き始めた。

 

「くっ!!」

 

 ギーシュはワルキューレを2体出し槍を装備させた。

 

「行け!!」

 

 ワルキューレは、槍を構えながら突撃した。1体目のワルキューレは近づいてくると同時にショットガンで破壊し2体目のワルキューレの突きを簡単に躱してショットガンを向け破壊された。

 

「な、なんなんだ君は!?」

 

 ギーシュは、慌てて自分の前にワルキューレを7体出した。全てのワルキューレには、剣と盾が装備されているところを確認するとサイトは懐から缶グレネードを取り出しピンを抜いて投げた。グレネードは、ギーシュの前に転がりギーシュも周りの貴族達も首を傾げた。

 

ドゴーン!!

 

 ギーシュの前で大きな爆発が起きた。ワルキューレは全て吹っ飛びギーシュも爆発に巻き込まれた。

 

『キャァァァァァ!!』

 

『ウワァァァァァ!!』

 

 ギャラリーの貴族達は、大きな悲鳴を上げて身を屈めた。ギーシュがいた場所には、大きな爆煙があった。

 

「ウグァッ・・・・・・アァッ・・・・・・」

 

 そして少し離れた場所には、大怪我をしたギーシュが倒れていた。ヤケドやグレネードの破片がめり込みいつ死んでもおかしくない状態だった。

 

「・・・・・うそ、勝っちゃった」

 

 ルイズは、信じられない顔で呟いた。

 

「ちょっとルイズ!アンタの使い魔、何者なの!?」

 

 隣にいたキュルケは、ルイズの肩を掴み前後に振りながら訊いた。

 

「知らないわよ!!逆に私が聞きたいわ!!」

 

 ルイズがそう答えると。

 

「まだ、終わってない」

 

「「えっ?」」

 

すると、ギャラリーの貴族達がざわめき始めた。ルイズはサイトの方を見るとそこには、ギーシュの胸を踏みつけ腰のホルスターからハンドガン(M1911)を取り出しているサイトの姿があった。

 

カシャン

 

 サイトはハンドガンのスライドを引き銃口をギーシュに向けた。

 

「!!ま、待ちなさい!!アンタ何やってんのよ!?」

 

 ルイズは、慌てて叫んだ。

 

「ん?何って殺そうとしてるだけだけど?」

 

 サイトは、なんでもないような声で答えた。

 

「!!やめなさい!!もう、決着はついたわ!!それ以上の攻撃は許さないわよ!!」

 

「バカかお前?」

 

「んなっ!?」

 

 サイトは呆れた目で答えた。

 

「こんなに苦しんでるのに何もするなって残酷すぎるだろ。苦しみが続くくらいなら死んで楽にしてやる方がいいだろ。まぁ、そもそもケンカをふっかけてきたのはこのガキだ。殺されるくらい覚悟の上だろ?」

 

 サイトは引き金に指をかけた。

 

「足を離しなさい!!」

 

 ルイズは、杖を取り出しサイトに向けた。サイトはルイズの方を見るとため息を吐いて。

 

「ったく仕方ねーな」

 

 足を離した。

苦しんでいるギーシュの首を掴み無理矢理サイトの方に向かせると。

 

「おい、平和ボケしたクソガキ。次、シエスタにちょっかいかけてみろ。次は、お前の心臓に鉛玉ぶちこんでやるからな」

 

 そう言って殺気を当てるとギーシュは、小さく悲鳴を上げ小便を漏らしながら気を失った。

 

「フン」

 

 サイトは、ギーシュを捨てるとそのままルイズのところに戻った。

 

「ち、ちょっと来なさい!」

 

 ルイズは、サイトの手を掴むとそのままヴァストリ広場を後にした。

 結局、ギーシュとの決闘はサイトの圧勝で終わり死にかけたギーシュは、水のメイジ達に全力で治療してもらい一命を取り留めたが銃とグレネードの威力を体で覚えてしまい、しばらくはルイズの事をゼロのルイズと呼ばなくなった。そして、平民に負けた貴族として嘲笑の的になり『青銅のギーシュ』から『負け犬のギーシュ』と呼ばれるようになった。


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