第2回ホームレス向け無料食料、ワーホリの若者らが行列 「3割は日本人」

ブリスベン=半田尚子
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 オーストラリア第3の都市、ブリスベン。5月中旬の昼過ぎ、市内の公園を訪れると、外周を囲むように、200人ほどの行列ができていた。

 20~30代の若者が目立つ。耳を澄ますと、英語のほかに中国語やスペイン語、日本語など、様々な言葉が聞こえてきた。

 公園中央の仮設テントにはテーブルが置かれ、野菜や果物、パンや缶詰が並ぶ。看板に「FREE FOOD(無料の食べ物)」と書かれていた。

写真・図版
オーストラリアのブリスベンで、地元のボランティア団体「コミュニティーフレンズ」が毎週水曜日に行う食料の無料配布。食料を受け取ろうと並んだ約200人の中にはワーホリビザで渡航した日本人の姿もあった=2024年5月22日、リズキ・アクバル・ハサン撮影

 続々と到着するトラックから、食料を運び出していたのは地元のボランティア団体「コミュニティーフレンズ」の責任者、ジミー・ファハムさん(79)だ。

 ジミーさんらは約15年前から、ホームレスや障害を持つ人などに食料の無料配布を続けている。近くのスーパーから消費期限が迫る商品の提供を受けるほか、足りなければ自腹で購入して用意している。

後半では、なぜ職探しが難航する事態となっているのか、現地の移住問題の専門家の見解を紹介しています。

 配布を待つ列に最近、ワーキ…

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この記事を書いた人
半田尚子
ジャカルタ支局長

東南アジア、グローバルサウス、平和

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    杉田菜穂
    (俳人・大阪公立大学教授=社会政策)
    2024年7月5日19時51分 投稿
    【視点】

    支援を受けることを、周囲に頼ることをためらわせている状況がある日本の状況を理解する上で参考になる事例でもあると思う。支援を受けることを、周囲に頼ることをためらわせる要因を取り除き、支援を受けることへの、周囲に頼ることへの精神的な負担感をやわ

    …続きを読む
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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2024年7月5日12時17分 投稿
    【視点】

    衝撃的な記事。なんと、3割ほどが日本人・・・。 日本でもアジア各国から来る留学生の多くは学費を稼ぎながら勉強を続けるために苦しんでおり、決して多くではありませんが食料などの支援をボランティアから受けている学生もいます。それと同じ状況というこ

    …続きを読む

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