【読書ログ】仮説思考

書籍情報

タイトル:仮説思考
著者:内田和成
ジャンル:思考プロセス、問題解決、問題発見
オススメする読者層:仕事に時間がかかりすぎて悩んでいる方
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コンサル必読書ともいわれている一冊です。仕事のスピードを上げたい方、手あたり次第に情報収集や分析し続けて時間が足りなくなってしまう方に特におススメです。

要約

仮説思考とは何か

✔ 仮説思考とは
仮説とは、情報収集の途中や分析作業以前にもつ「仮の答え」のことをいいます。仮説思考とは、情報が少ない段階から、常に問題の全体像や結論を考える思考スタイル、あるいは習慣ともいうべきものをいいます。

最初は立てた仮説が的外れなものになることも多いはずです。しかし、失敗するとそこから学べ、試行錯誤するうちに仮説思考は進化していきます。

✔ 網羅思考は非効率
多くのビジネスパーソンは、情報は多ければ多いほど、よい意思決定、間違いのない意思決定ができると信じています。それゆえに、できるだけ多くの情報を集めてから物事の本質を見極め、さらにそこで明らかになった問題に答えを出すために、また必要な情報を集める、という作業を繰り返します。

上記のような思考法を著者は網羅思考と呼びます。網羅思考で仕事を進めてしまうと、最初の段階でストーリーの全体像が見えません。また、積み上げ型の思考であることから、途中で一回でも結論を間違えると、それをベースにした次のストーリーも間違えることになります。

限られた時間で課題を発見し、解決策を策定していく場合には、網羅思考では非常に効率が悪く、間に合わないこともあります。

✔ 仮説思考の効用
仮説思考の効用として、まず仕事のスピードが速くなることが挙げられます。作業が速くなるのではなく、経営上の課題で何が本質かを見つけ出したり、整理するのが早くなります。

あらかじめ答えを見つけてから検証するため、その答えが大幅に間違っていないかぎり、闇雲に調べたり、証明するのとはスピードにおいて各段の差がつきます。

2番目の効用として、仕事の質の向上が挙げられます。仕事には作業以外に、意思決定をするという大事な要素があります。意思決定の質を高めるという意味で、仮説思考は極めて重要な役割を果たします。仮説を立て、それを検証するプロセスを繰り返すことで、仮説の精度が上がり、間違いが少なくなります。

また、仮説思考の特徴として、部分の積み上げで物事を証明していくスタイルではなく、まず全体像から入って、必要な部分のみ細部にこだわる、あるいは証明を行うという取り組み方があります。このような方法を続けていけば、物事の全体をつかむ力が確実に向上します。

仮説を立てる

✔ 仮説を立てるための頭の使い方
人は誰しも、自分の得意なものの見方で思考してしまいます。これが新しい仮説を生み出す阻害要因になることがあります。意識的に頭の使い方を変えることで、いままで見えていなかったものが見え、仮説がひらめくようになります。

頭の使い方を変えるとは、一言で言えば普段より幅広く使うことに尽きます。その方法として、①反対側から見る、②両極端に振って考える、③ゼロベースで考える、の3つが紹介されています。

✔ よい仮説の条件
よい仮説の条件は「掘り下げられていること」「アクションに結び付くこと」の2点です。

掘り下げられていない仮説(A)と掘り下げられている仮説(B)の例をあげると以下のようになります。

(A)営業マンの効率が悪い

(B)営業マンがデスクワークに忙殺されて、取引先に出向く時間がない

(A)できない営業マンが多い

(B)営業マン同士の情報交換が不十分で、できる営業マンのノウハウがシェアされていない

要するに、「〇〇である」のような結論だけではなく、「〇〇なため〇〇である」と原因・理由もセットにすることで、手っ取り早くよい仮説に近づけることができます。

仮説思考力を高める

✔ So What?を常に考える
身の回りにとある現象が起きたときに、それが意味するところが何かと考え続けることで仮説思考力を磨くことができます。本書では当初の時代背景から、アップルの携帯型ミュージックプレイヤーが流行していることを事例として、どういう影響があるかについて述べられています。

✔ なぜを繰り返す
仮説思考力を高めるもう1つの方法は、なぜを繰り返すことです。BCGではこの考え方が徹底していて、なぜを最低5回は繰り返すといいます。これを日常的に行うことにより、仮説思考力も磨かれていきます。

本書では仮にスポーツ人気を取り戻すことを事例に、なぜを繰り返して思考を深堀りする過程が述べられています。

感想

手に入れた情報や目の前の出来事からの積み上げ型ではなく、大局観を持ったうえでまずは仮説を構築することのメリットと具体的な方法が詳細に述べられています。

要約では触れられなかった箇所が多いですが、仮説の使い方、仮説の立て方の具体例や仮説の構造化、仮説検証の仕方など、ぜひ身に付けたい内容が多数含まれています。

初めて読んだのはだいぶ前ですが、改めて読むと理解や共感ができる箇所も増え、さらには仮説思考に限らずに重要に感じるところも数多くありました(全体感をストーリーを意識する等)。

意識せずともトップダウンの仮説から入れる方はかなりの少数派と思われ、普通は積み上げ型で考える人の方が多いと思います。それゆえに仮説思考は意識的に何度も使い、自然と使えるようになると相当な威力を発揮するように思います。

一方、仮説思考が自然に受け入れられる環境はかなりハイレベルな気がします。ゆえに、堂々と使うと環境次第では周りを驚かせてしまう可能性もあると思われます。

周りと違う思考・行動様式を工夫無しに続けてしまうと成果が出にくくなる要因になりかねないため、頭の中では仮説思考を意識しながらも、まわりにはそれを気づかせないようなコミュニケーションを心がければ、より実効性が高まるのではないかとも思います。

最後までお読みくださりありがとうございます!

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公認会計士・税理士、中小企業診断士。押し付けず、争わず、比較せず、折れないように柳のようにゆらゆらと、色々なことを楽しめるようになることを目指しつつ、こつこつと生きております。 https://twitter.com/Clsade
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