転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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敵機深部到達阻止②

 

 突如開け放たれた隔壁。

 

 空中に放り出される2機のAC。

 

 その2機に、複合エネルギー砲台「ネペンテス」の持つ6門のレーザー砲身が向けられる。

 

「随分とまあ、都合のいいタイミングで開く隔壁だな!」

 

 毒づきながら、こちらに向けて放たれたレーザーを回避。

 幸い、ターゲットが分散しているうえに距離もある。どうにか砲台がクールダウンに入るまで凌ぎ切り――

 

 

 

 ――()から放たれたレーザーが機体を掠めた。

 

 

 続いて斜め下から飛んできた弾丸をチェーンソーで凌ぎ、下から飛来した()()ミサイルと、「ネペンテス」がクールダウン中にも拘わらず真下から飛んできたレーザーを回避する。

 

「おいおい、マジかよ……!」

 

 一通り攻撃を凌いで、改めて周囲を見渡す。

 そこには、まるで未知の光景が広がっていた。

 

 そこかしこの壁に括りつけられた射撃型の封鎖兵器。

 足場という足場には、放電型の汎用兵器がびっしりと敷き詰められている。

 

 極めつけは最下層。

 

 「ネペンテス」と共にこちらを狙う、ACの倍ほどのサイズをした人型。

 AAP03、「エンフォーサー」だ。

 

 

 

 戦力の逐次投入など愚策とでも言わんがばかりに、初手からこちらを全力で抹殺する布陣。

 

 単機では勿論、争いながらの攻略など到底不可能だ。

 

 即座にそう結論付け、通信を発する。

 

「ラスティ!」

 

「俺の受けた依頼は、()()()()()()()()()だ! 分かるな!?」

 

「……っ! 止むを得まいな……!」

 

 そう返した「スティールヘイズ」は、足場の1つにプラズマミサイルを発射。汎用兵器を一掃して安全を確保すると、そこに着地する。

 俺もそれに続き、射角の通っている封鎖兵器を数機片付けつつ、同じ足場に降り立つ。

 

「取引だ。これが済んだ後、お前がこの先に進まずに()()()()()()()()というなら、協力する」

 

「……ここが潮時か、いいだろう」

 

「俺が突っ込む。援護してくれ」

 

「……分かった」

 

 会話を終え、足場から飛び降りる。

 目指すのは、次の足場。下からの射撃を可能な限り凌ぐためだ。

 

 だが、それは相手も織り込み済み。足場に敷き詰められた汎用兵器が、電磁スモッグを展開する。

 

 しかし。

 

「外しはしない……!」

 

 目指している足場にいた汎用兵器が、上から放たれたバーストライフルの弾丸に次々と撃ち抜かれる。

 続いて、壁に張り付いている封鎖兵器。武装を的確に撃ち抜くことで、遠距離にも拘らず跳弾を発生させずに無力化していく。

 

 そうして障害のなくなった足場を縫い、「ネペンテス」への距離を詰めていく。

 

 この流れをあと数回繰り返せば、問題なく懐に潜り込める。

 

 

 そう考えたところで、敵の動きが変わった。

 

 「ネペンテス」が、あらぬ方向を向く。

 

 

 

 狙っているのは、足場の支柱部分だ。

 

 それだけではない。「エンフォーサー」と封鎖兵器も、一斉に支柱を攻撃し始める。

 

 足場に敷き詰められていた汎用兵器は、支柱に取り付いて自爆を始めた。

 

 

「馬鹿な……!これが無人制御の動きか……?」

 

 ラスティがそう呟いた頃には、ほとんどの足場が崩落していた。

 

 これで、「ネペンテス」を遮るものは、もう何もない。

 

 一斉に向けられる砲身、銃身、ミサイル。

 

 それに対して、俺は。

 

 

 

 ただ一直線に、全速力で降下していった。

 

 

 

 下から狙われながら、降下するこの状況。

 敵の攻撃を回避することは不可能ではないが、得策でもない。

 

 なぜなら、回避した分だけ、降下が遅れるからだ。

 回避すれば、降下が遅れる。降下が遅れれば、その分敵の攻撃が増える。敵の攻撃が増えれば、回避する回数が増える。

 

 絵に描いたような悪循環だ。

 

 故に、回避を放棄。攻撃のダメージを最小限に抑えながら、最短距離で降下する。

 最善策を述べるとすれば、装甲でガチガチに固めた機体にパルススクトゥムとパルスアーマーを積んでゴリ押すことなんだが、お生憎様だ。そんなものは無い。

 

 だがまあ、最善策でないと解っていても、やり様はある。

 

 封鎖兵器からの攻撃や、ミサイル類。これは、ほんの僅かに落下方向をズラして直撃を避け、チェーンソーを翳して軽減。

 それでもそこそこダメージは入るが、リペアキットでゴリ押す。

 

 

 続いて、「ネペンテス」の砲口がこちらを向く。これは受けられない。

 

 落ちながら、コアを展開。

 

 展開したアサルトアーマーでレーザーを掻き消す。

 

 だが、相手は6つある砲門から順繰りに撃ってきている。

 

 1度のアサルトアーマーですべてを凌ぐことはできない。残りは回避するしかないか。

 

「私を狙わないとは、嘗められたものだ!」

 

 その直後、チャージを始めた砲門に銃弾が突き刺さる。

 チャージされたエネルギーが暴発し、砲門の1つが吹き飛ぶ。

 

 それと同時に、エネルギー供給系統に異常でも起きたのか、他の砲門も数秒動きを止めた。

 

 その数秒があれば、十分だ。

 

 そのまま一直線に降下していき、「ネペンテス」の関節部に接近。チェーンソーで抉る。

 あれだけ猛威を振るった砲台も、懐に入られれば脆いものだ。

 弱点部位を破壊された「ネペンテス」は、言葉1つ発することなく崩壊した。

 

「……さて」

 

 「ネペンテス」と共に狙撃を行っていた「エンフォーサー」だが、俺がある程度降下した時点で高速機動形態に変形。とっくの前に奥へと引っ込んでしまっていた。

 封鎖兵器も、ラスティに撃ち抜かれたか、崩落に巻き込まれたかで大半が破壊されている。

 

 

「……済んだか」

 

 床に降り立ち、話しかけてくるラスティ。

 

 

 

 

 

 

 こいつはもう用済みだ。

 

 

 

 ……と言ってみたい気持ちもあるが、そうするメリットも無いか。

 こちらはリペアもアサルトアーマーも切って後が無い。

 

 なにより、まだ解放戦線に倒れられては困るからな。

 

 

「私は約束通り、()()()()に帰るとするよ」

 

「……だがその前に、1つだけ聞かせてくれ」

 

「君は本当に、ただ金のために戦っているのか?」

 

「本当に、何の理由も背景も持たないというのか?」

 

 

「…………」

 

 ……返す言葉も無い、な。

 

 この前「ブラックアント」に乗って事態を引っ掻き回したのも、今回の依頼を受けたのも、ただただ金のためだ。

 

 こいつが危険視している「理由なき強さ」というのは、まさに俺のような奴のことを指すんだろう。

 

 それを後ろめたいと思うつもりもないが……何だろうなこの気分は。

 

 

 

 ……ひょっとして、羨ましいのか? 

 

 こいつやユーリのような、「誰かのために戦っている奴」のことが。

 

 あの時空中でユーリを助けたのも、だからなのか?

 

「……不躾な問いだったな」

 

 俺が押し黙っていると、「スティールヘイズ」は踵を返した。

 シャフトの僅かな出っ張りや、崩落を免れた数少ない足場を器用に伝って、上に引き返していく。

 

「君が、自ら背景を見出せることを祈る」

 

 去り際に、そんな言葉が聞こえた気がした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……あぁ、作戦完了か。報告しないとな」

 

 

 しばらく経って、俺はそう呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 作戦の結果、ウォッチポイント・アルファ調査のイニシアチブは、ベイラム・インダストリーに渡った。

 これを受け、G1(ガンズワン) ミシガンとG2(ガンズツー) ナイルの両名は、ベイラム本社に独立傭兵の有用性を全力で喧伝。

 ウォッチポイントの調査は、引き続き独立傭兵を中心として行われる運びとなった。

 

 対するアーキバスは、これを静観……つまり、ベイラムに調査をやらせ、集積コーラルにたどり着いたところを横取りするという方針を固めたようだ。

 

 

 ……それと、G1(ガンズワン) ミシガンから、個人的なメッセージが届いた。

 

 中には、約束通り借金を肩代わりする旨と、感謝の言葉が綴られていた。

パラナちゃんに憑いてる変異波形

  • セリアだよ
  • 違うよ、オリ変異波形の名前考えろ
  • セリア=AM説を支持しています

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