転生したらモンキー・ゴードでした   作:NEST中毒者

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行が空きすぎかなと思って修正したらここすきがズレました。ごめんなさい。


海上グリッド制圧②

 

「ウォルター、そっちは順調かい?」

 

「ああ、621もだいぶ名が売れてきた…それで、話しておきたいことというのは?」

 

「ああ、ある独立傭兵の話だ。そいつの名は――」

 

 

 

「――という訳さ」

 

「カーラ、俺は」

 

「ああ、分かってる。別にあんたが私を売ったなんて思ってるわけじゃないさ」

 

「状況からして、おそらくハッタリ。私を動揺させるためにフカしたんだろ」

 

「……だが、私らの繋がりを知ってるのは事実だ」

 

「下手をすれば、()()もね」

 

 

 

 

 

 

 

 

MISSION BRIEFING

 

「621、仕事の時間だ」

「これは、俺の『友人』からの私的な依頼だ」

「ある独立傭兵が、『友人』に関する重大な情報を握っている」

「そこで、その独立傭兵を排除、可能なら捕縛してもらう」

「独立傭兵の名はモンキー・ゴード」

「こいつを偽の依頼で誘き出し、叩く」

「……それと、俺は声が割れている可能性がある」

「偽依頼のブリーフィングを録ってくれないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな機体で、ここまでやるのか……!」

 

 

 現れた独立傭兵、「レイヴン」こと「強化人間C4-621」のAC、「LOADER 4」は、決して高性能と言えるものではない。

 

 探査用のフレームに、普及型アサルトライフル、パルスブレード、連装型と双対型のミサイル。

 

 低負荷で扱いやすい、バランスが取れているなどと言えば聞こえはいい。

 だがはっきり言えば、強いのは左手のパルスブレードくらいで、他は大した長所の無い、決定力に欠ける物だ。

 

 相手に押し付けるべき強みを持たない、器用貧乏。

 

 にもかかわらず。

 

 

(強い……! 今まで戦ってきた、どんな敵よりも……!)

 

 

「ウォルターからもらった、たいせつな機体」

 

「ばかにしないで」

 

 

 「LOADER 4」の両肩から、同時にミサイルが放たれる。

 

 連装と双対、異なる軌道で追尾するそれは、単純に弾数が多いもの以上に回避困難だ。

 

 そうしてミサイルに対応している間にも、間断なく放たれるアサルトライフル。

 ACSに蓄積した負荷は、断続的に衝撃を受けている間は回復しない。

 故に、大した威力も衝撃もないアサルトライフルを、A()C()S()()()()()()()()()()()のものと割り切って使う。

 

 そして、ミサイルに追われて迂闊に前に出れば。

 

 ――翠の光刃が振るわれる。

 

 

「チッ! やりにくいな……!」

 

 パルスブレードをギリギリで躱し、両手のハンドガンを連射する。

 だが、ただでさえ精度の低いそれは、不規則かつ3次元的な機動で振り切られ、ろくに命中しない。

 

「なら……!」

 

 ミサイルに合わせて、無防備に敵の懐へ飛び込む。

 

 当然振るわれるパルスブレードを、アサルトアーマーで迎撃。

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぶなかった」

 

「……ッ!勘のいい奴……!」

 

 ギリギリでブレードをキャンセルされ飛び退かれた。

 

 当たっていないわけではないが、浅い。

 

「……さて」

 

 虎の子は不発、再使用には時間が要る。そもそも、同じ手が何度も通じる相手ではない。

 お互いの武装からして、先にスタッガーした方が即死する状況。

 だが、こちらの姿勢安定性はゴミだ。衝撃値レースは圧倒的に不利。

 依頼は嘘だった。こいつに勝とうが負けようがタダ働き。

 やることは一つだ。

 

 逃走。

 

 だが、ここは洋上のグリッド。

 この前の逃走経路も、しっかり対策してるわけだ。

 

 ……となると、向かうべきは。

 

 

 踵を返し、ABを起動。

 隔壁は閉ざされている。だが、完全に脱出不能の密室でもない。

 換気扇のところまで飛び、蹴破る。

 

「追え、621!」

 

「うん」

 

 ABでこちらに向かってくる「LOADER 4」から、ミサイルが飛来する。

 ご存じの通り、逃げながらミサイルを避けることはできない。

 

 だが、この前とは状況が違う。

 

 振り返り、チェーンソーを翳す。

 爆風を硬質の刃で遮る。

 そうしてダメージを軽減、再び背を向ける。

 

 

 

(スキャナーがイカれてアラートも出ないが、問題ない……! ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()! 大体のインターバルが分かれば、背部カメラで察知して対処できる!)

 

 ダメージを最小限に抑えながら向かうは、()

 幸いにも、この前の()()()のおかげか、追いかけっこではこちらが上のようだ。

 

 屋根を駆け上がり、エレベーターのシャフトを昇る。

 

「にがさない」

 

 被弾。

 

 もうこっちのタネに気づいて、発射間隔をバラつかせてきたか。

 リペアキットを切る。

 これでリペアは残り1、後がない。

 

 だが、ゴールは目前だ。

 

 最上層の隔壁に到達した。

 チェーンソーを起動。無理やり隔壁を刳り抜く。

 

「どこいくの」

 

 背後から振るわれる光刃に、作業を中断。その場から飛び退く。

 

「さぁ、どこだろうな……!」

 

 引き付けてから、切れ込みを入れた隔壁に再度突撃。

 回復したアサルトアーマーでぶち壊して外に出る。

 これでアサルトアーマーも打ち止めだ。

 

「高度6980メートル、方角良し」

 

 一直線に進む。向かうは大陸のある方角。

 

 そのままグリッドの縁まで行き、今生2度目のダイブを敢行した。

 

 ここは海上。普通に飛び降りれば海の藻屑になるだけだ。

 

 だが。

 

()()()は計算に入れていなかったようだな……!」

 

 そう。

 

 前回の戦いでBAWSからせしめた戦利品とは。

 

 

 

 

 ()()()()()()()

 

 

 BAWSがエルカノと共同開発した最新鋭の品で、まだ市場にもほとんど出回っていない。

 

 先の追いかけっこでの優位もこれによるものだ。

 豊富なEN容量に、高出力による急速なEN回復。

 他のパーツが負荷の低いジャンク品であることも相まって、「ジュピター」は極めて高いEN効率を実現していた。

 

 そして、それは空中でも発揮される。

 本来空中ではEN回復が遅くなるが、「ジュピター」の余りに余ったEN出力は、空中でも一定のEN回復を可能にしていた。

 

 更に言えば、ここは海上だが、絶海の孤島という訳ではない。そして7000メートルにも迫る高度。

 

 

 つまり。

 

 

 

 

「ここから陸地に辿り着いてみせる……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グリッドの足場から、飛び去る「ジュピター」を見つめる「LOADER 4」。

 そこに通信が届く。

 

 

「クソ……こんな方法で逃げられるとはな」

 

「やむを得ん。621、ミッションは失敗……」

 

 

 

 

「ううん」

 

「まだ」

 

「おわってない」

 

「……ッ!?待て、621!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 洋上のグリッドから、陸地を目指す。

 そのためには、可能な限りENを節約しながら距離を稼ぐ必要があった。

 ブースタを少しずつ吹かす。

 そうやって小刻みにENを回復しながら、ゆっくりと陸地を目指し……

 

 

 

 ――その背に、弾丸が突き刺さった。

 

 

「高出力低負荷は向こうも同じか……!」

 

 追ってきやがった。

 奴のブースタから漏れる光は青い。ジェネレータは出力の高い還流型。

 そして低負荷のフレームと武装。

 こちらと同じことができない道理はない。

 

「にがさない。ぜったい」

 

 続けて飛んでくるミサイルに、チェーンソーを盾にして対処する。

 

 

 この状況。

 生きて地上に戻るためには、可能な限り多くのENを陸に向かうことに費やす必要がある。

 だが、得てして戦闘にはENを使うものだ。

 

 つまり。

 これから始まるのは。

 

 

 

 戦えば戦うほど死に近づく、地獄のチキンレースだ。

 

 




RANK ??/?

レイヴン/強化人間C4-621
AC // LOADER 4

UNIT
R-ARM UNIT:RF-024 TURNER(普及型アサルトライフル)
L-ARM UNIT:HI-32: BU-TT/A(パルスブレード)
R-BACK UNIT:BML-G1/P20MLT-04(4連装ミサイル)
L-BACK UNIT:BML-G1/P31DUO-02(小型2連双対ミサイル)

FRAME
HEAD:HC-2000 FINDER EYE
CORE:CC-2000 ORBITER
ARMS:AC-2000 TOOL ARM
LEGS:2C-2000 CRAWLER

INNER
BOOSTER:ALULA/21E
FCS:FCS-G2/P05
GENERATOR:VP-20S

EXPANSION:???


解説
我らが主人公、C4-621。
アセンを悩みまくった結果、「ほぼ初期機体のクセにめちゃくちゃ強い」という感じになった。
まだチャプター1だし。まだまだ強くなる余地がある

ひょっとして劣悪な機体で生き足掻いてるのはこっちなんじゃないか?


それと、オールマインドパーツを期待してた方はすいません。


追記:活動報告にネタ募集を置いてみました。

雑魚戦は冗長かなと思ってなるべく端折ってるけど、あった方がいい?

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  • いらん

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