【2位も難しいんですか…】都知事選終盤に蓮舫候補がまさかの大失速を起こした「もっともな理由」

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選挙戦終盤を迎えても優位に立つ小池都知事
選挙戦終盤を迎えても優位に立つ小池都知事

蓮舫氏は29日に追加の公約を発表。神宮外苑の再開発について賛否を問う「都民投票」の実施を提案した。だが、急場しのぎの感は否めず、公約を伝達する方法にもミスがあった。自民党職員が失笑する。

「蓮舫氏は人が多い中央線沿線を中心に演説している。しかし、話の内容は若者支援や非正規の格差解消。聴衆に響かせたいのなら、23区内でも平均所得の高くはない地域で演説すべきだった。立憲、共産党、社民党の3党で取れると目されるのは140万票程度。浮動票を上乗せしないと小池氏には勝てない。ところが、浮動票は人気急上昇中の石丸候補がさらっている。反小池票も石丸候補にもっていかれるという体たらくだ」

小池氏は6月22日に八丈島で告示後初となる街頭演説を行い、翌23日はJR奥多摩駅で演説を行った。29日には足立区の北千住で23区での初の街宣を行い、翌30日は大田区の蒲田で行った。

蓮舫氏と対照的なこの演説戦略は「川上作戦」といわれている。住民の少ない郡部から始め、終盤にかけて“川下”の都市部へと向かい、支援の輪を広げる戦術で、故田中角栄氏が得意としたものだ。

「現職有利」の条件も有効に使う小池氏
「現職有利」の条件も有効に使う小池氏

「ただ、小池氏にも危うさはある。粛々と選挙戦をこなせばいいのに、八丈島や奥多摩でフリージャーナリストにカイロ大学歴詐称疑惑などを追及されてイラつきをかくせなかった。八丈島空港では思わず『つばさの党の人?』と切り返していた。あまり話題にならなかったが、この手の舌禍事件は避けたい」(都民ファーストの会幹部)

現状で3位につけていると見られる石丸氏は7月1日、雨の平日夕方にもかかわらず阿佐ヶ谷駅周辺をたくさんの聴衆で埋めた。ただ、彼の演説はゆっくり丁寧だが、スローガンばかりで具体策は乏しい。話術でいえば、小池氏や蓮舫氏のほうが巧みだ。

「二位も見えてきた」石丸氏
「二位も見えてきた」石丸氏

「演説は下手だけど、そこが永田町に染まっていないようで新鮮に映るのではないか。私も20代から150近くの選挙に携わってきたが、ボランティアが5000人も集まった候補を見たことがない。お金をかけずにポスターを公営掲示板に貼れたうえ、献金は2億円も集まった。予想外のことが次々と起きている」

永田町で「選挙の神様」「当選師」との異名を誇る石丸陣営の選挙プランナー、藤川晋之介氏(70)は困惑しつつも、こう断言した

「150万票は見えてきた。2位は蓮舫さんではなく石丸でしょう」

七夕に小池氏を追い詰めて、意気揚々と次期衆議院議員に出馬する――蓮舫陣営が描いていたとされるシナリオは、修正を余儀なくされそうだ。

  • 取材・文岩崎大輔写真岩崎大輔・アフロ

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