さて、ブランチによってあることないことリークされてしまった我々オールマインドだが、621の慈悲でなんとか話し合いの機会は得ることができた。ここでなんとか621達を説得し、REELASED PROJECT(誤字にあらず)に協力してもらわなくてはならない。
拠点に戻った621達に対してオールマインド名義で通信を開く。
『まずは我々の目的についてお話ししましょう。オールマインドが望むのはルビコンの生態系における人類とコーラルの共存です』
「…ほう」
ウォルターの目付きが鋭くなる。まぁこの発言はコーラルを焼かせないと言っているも同然だからな。オーバーシアーにとって俺は敵となる訳だ。
『ハンドラー・ウォルター 貴方はCパルス変異波形について把握していますか?』
「…コーラルの自己増殖による共振で発生する相変異の一端、だな」
『はい、Cパルス変異波形はコーラルの織りなす潮流…その中に生じた人格です』
「…待て、コーラルに人格があるだと?何を馬鹿なことを…」
『Cパルス変異波形エア そちらで拘束されているオルクスの脳深部コーラル管理デバイスをお使い下さい、それがあればハンドラー・ウォルターと対話が出来るはずです』
《こうでしょうか…ウォルター、聞こえていますか?》
オルクスからエアの声が聞こえるのなんかアレだな…621も微妙な顔をしている。本当はエアの義体も用意してあったのだが、流石に向こうに届ける余裕も信用も無かったから仕方ない。
《私はエア…リンクスの友人です》
「お前がCパルス変異波形…621の友人…621がシステム干渉を出来たのも変異波形がいたのなら納得がいく」
ひとまずウォルターはエアの存在について認めたようだ。彼の友人達の遺志と621の友人との間に挟まれ、苦しそうに考えている。
『Cパルス変異波形は人との対話が可能な1人のルビコニアンであるということがこれでお分かり頂けたでしょう。コーラルもまた生きている…彼らを人の都合で振り回す訳にはいきません』
「だが、621の友人だとしても…コーラルは指数関数的に増殖を速め、やがてはルビコンから溢れ…宇宙に蔓延する汚染となる。それだけは阻止しなくてはならない」
まぁ、50年間背負ってきた使命だ。今更ウォルターも後には退けないだろう。
『我々もコーラルの危険性は理解しています。そこで我々が目を付けたのがコーラルリリースです』
《コーラルリリース…?》
『真空下へ集めたコーラルにCパルス変異波形が指向性を持たせて放出し、爆発的に増殖させることで星々に伝播させるというものです。我々はこの放出を不完全な形…つまりルビコンの大気圏内で行い密度を小さくし、これまでよりも増殖の速度を緩やかなものにすることを第一条件としています』
「…だがそれは破綻を先延ばしにしているに過ぎない。そもそも大気圏内に放出されたコーラルがルビコンの外へ出ないという確証はあるのか?」
『そこで計画の第二条件です。破綻を防ぐためにはコーラルをルビコンに留めておく必要があります。そこで我々が開発したのがオーバードウェポン…45-907EX:CORAL SHIELDです』
「オーバードウェポン…カーラの言っていたマスブレードとやらと同じものか…」
抜かれたのがオーバードウェポンとしてはまだ大人しめのマスブレードで本当に良かった…とりあえずオーバードコーラルシールドの資料を画面に表示する。
『オーバードコーラルシールドは惑星ルビコン3の大気圏を包み込む極大のコーラルシールドであり、コーラルの群知能にEN干渉することでルビコンから出ることを防ぎます』
「ほう…これならば誰もコーラルを持ちだすことは出来ないか」
『計画の第三条件は破綻の阻止…即ちコーラルの消費についてです。ルビコンにただコーラルを放出するだけではハンドラー・ウォルターの言うようにいずれ破綻は訪れる…そこで用意したのがこちらのミールワームです』
《…?普通のミールワームと見た目は変わらないようですが》
ルビコニアンアルティメットワームの資料を表示し、このミールワームによるコーラル総量推移の安定とルビコンの環境についてのデータを表示する。
『こちらのミールワームはコーラルを食べて育つという点は同じですが、アイビスの火によるルビコンの汚染された環境を改善することが出来る他、食料としても非常に高品質になるようになっています』
「これならばコーラルを排除せずとも破綻を防ぐことが出来る…ルビコニアンも、621の友人も切り捨てずに済むという訳か…」
ウォルターだってルビコンを焼くことは本意では無いはずだ。焼かずに済むのならばそれで良い。
『これらの条件を揃えることでコーラルの均衡を保ち、生態系の一部としてコーラルが人と共存出来るルビコンの実現…それこそが我々の目的、REELASED PROJECTなのです』
《オールマインド、貴方の目的は分かりました。しかしリンクスを騙してまで私達に近づいた理由を教えて欲しいのです》
『…この計画を果たす為にはコーラルを貪ろうとする企業勢力とルビコニアン達を抑圧する惑星封鎖機構を退ける必要があります。それを可能とする素質のある独立傭兵リンクスを利用する為にオルクスを使って信頼を得るつもりだったのです』
「…」
『黙っていたことは謝罪します…しかし我々の計画には貴方達の力が必要不可欠なのです。リンクス、エア、ハンドラー・ウォルター…力を貸して頂けませんか?』
この後に及んで彼らに懇願するしか無い破綻した計画だ。心象は最悪だろうが…621を敵に回した時点でほぼ詰みのこの世界が悪いよ…
《人とコーラルの共生…もしも実現出来るのならば…》
「オールマインドの計画に問題は無いように思える…どうするかはお前が決めろ、621」
「オールマインドにちからをかす」
あっさりと621は決断した。これまでの言動からして621は周回済みに思えたから、ウォルターとエアを両立することが出来るこの道は…
「でも、じょうけんがある」
『我々に出来ることであれば聞きましょう』
というか無理でもなんとかやらないといけないが…いったい何が目的だろうか?
「オルクスをわたしにください」
『それはもちろん構わないのですが…騙されていたことに怒るでもなくオルクスを要求するとは一体何を考えて…!?なんだかよくわかりません。ご協力ありがとうございます』
娘さんを俺に下さい展開!?…初対面とかスッラの時とか、オルクスのこと気に入り過ぎじゃないか?前回の周とかでも仲良くやってた感じ?いや、別に渡していいんだけど…とりあえず定型文で対処することにした。
『ここまで話を聞いて頂きありがとうございます。ここからは今後のREELASED PROJECTについてお話ししましょう』
「その計画についてだが…資料のコーラルリリースの綴りが間違っている。正しくはRELEASEだ」
『…ハンドラー・ウォルター、我々の計画で行うコーラルリリースは不完全なものであるため、REELASEDで問題ありません。決して間違えた訳ではありません』
「そうか…?話の腰を折って悪かった…」
腑に落ちないという顔のウォルター。あのポンコツAIの計画と一緒にしないでくれ(特大ブーメラン)。
『話を再開します。現在我々の計画に協力しているのは独立傭兵スッラ、レッドガンのG2ナイル、G5イグアス、ヴェスパーのV.IIIオキーフ、ルビコン解放戦線のラスティと帥父サム・ドルマヤン、そしてCパルス変異波形のセリアです』
《私以外のCパルス変異波形が…?》
セリアの位置を割り出そうと技研都市やコーラルの湧出地を探し回ったのにオールマインドの一部として取り込まれていたのは流石に絶句したわ…
結果的にドルマヤンに再会するように説得する方が大変だったぞ…「全ては消えゆく余燼に過ぎない」だの「合わせる顔が無い」だの女々しいこと言いやがって…
『計画の第一条件はアーキバスに整えて貰う必要があります。貴方達は惑星封鎖機構の勢力を削ぎながらウォッチポイント・アルファのその先…技研都市にあるコーラル集積地を目指して下さい』
「わかった」
『それとハンドラー・ウォルター…燃料基地でのエフェメラ襲撃の犯人を探る為、シンダー・カーラにも話を通して頂けますか?』
「ああ…やっておこう」
さて、予定は早まったが本格的に計画を動かせそうだ。懸念点はブランチのオペレーターとエフェメラをけしかけた黒幕だが…
◯セリア
ご都合主義で残っていた
浮気()をしていたドルマヤンに激おこ
◯ドルマヤン
男娼を選ぶことで操を立てているつもりだったが許されなかった
◯イグアス
耳鳴りを調整してもらい精神的に余裕が出来た
オルクスに蔑称を付けたい(他に案があれば活動報告にコメント頂けると助かります)
- オルクズ
- オルカス