ルビコンわくわく傭兵ライフ   作:性癖解放戦線

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621が曇った方が需要があるようなので3周目設定で続行します

そしてこの番外編は、あれも乗りたいこれも乗りたいという欲望に溢れています
封鎖機構の機体はかっこよすぎる…


◯ローダー445

【挿絵表示】

621の機体。
密航でC-2000フレームが重大なダメージを受けた為、フレームを一新しつつより極端に仕上がったローダー444


執行少尉オルクス√2

 今日も今日とて排除執行!

 ルビコンさつばつ執行ライフ!

 

 とでもふざけていないとやっていられない惑星封鎖機構の走狗、執行少尉オルクスだ。試作機のパイロットである俺は試作装備の実用性のデータを取るため、執行機とは思えないほど気軽に出撃命令が出る。

 

 

[任務達成お疲れ様でした]

 

 

 今日も封鎖機構にちょっかいをかけにきたアーキバスの雇われ達に排除を執行している。なんでこんな小さい拠点に執行官が…!とか言いながら散っていく傭兵達…

 

 という訳で片付いたか、俺は帰投を…

 

[この傭兵はあくまで露払いです

 アーキバス本隊迎撃の為待機して下さい]

 

『残業か…』

 

[相応の報酬は支払われているはずです

 何か問題でも?]

 

 貴重な自由時間が…残業代をもらってもルビコンには使いどころが無いんだよな…独立傭兵じゃないからACのパーツを買う訳じゃないし………ん?AC?

 

 

『イア、惑星封鎖機構ってAC買って良いんだっけ?』

 

[システム上は禁止されていませんが…

 何をするつもりですか?

 それと私に識別名は必要ありません]

 

 

 封鎖機構に拾われた頃から考えていた事だが、オーバーシアーも惑星封鎖機構も宇宙全体を守るという1点においては利益が一致すると思うんだよな。つまりナガイ教授の口述筆記とかを集めてコーラルの危険性を証明出来れば、ウォルター達と協力出来るかもしれない。

 このまま封鎖機構として活動すれば、621との戦闘は避けられないだろう。そうなったら俺は多分死ぬ。やれるだけやってみるべきだ。

 

 

『ほら、HCは私的に利用出来ないだろ?だから休日用に足が欲しいと思ってさ』

 

[なるほど…それであれば問題はないかと]

 

『ありがとうイア!やる気でてきた!』

 

[はい…?えっと…お力になれて何よりです?]

 

 

 HCも悪くないけどせっかくAC世界に転生したならACに乗らないと!どんなアセンブルにしようか…夢が広がるな。

 

 

 

 結局昨日のうちにアーキバスが攻撃を仕掛けてくることは無かったため、追加の警備であるLCと交代してそのまま帰投。目星を付けておいたパーツを購入しておく。

 自社製品が売れれば良いスタンスの企業が多いから俺の立場でも買いやすくて助かるな…

 

 

 

 

 

[執行少尉オルクス システムより通達です]

[ウォッチポイント・デルタとの通信が途絶しました]

[調査及び原因の排除をお願いします]

 

 

 あっ死ぬ。どう考えても621じゃないか…

 

 

『遠くないか?それならバルテウスの方がHCより速いんじゃ…』

 

 苦し紛れだが行かない理由を探す。

 

[それについて開発部門から話があるそうです]

[格納庫へ向かって下さい]

 

 開発部門?ヴァンガード・オーバードブーストでも作ったのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『執行少尉オルクス、排除を執行する』

『今度こそ果ててもらおう…レイヴン』

 

 …わたしに光刃を向け、冷たく彼が言い放つ。

 

『これで詰みだ、レイヴン』

 

 …無力化されたわたしに、彼が刃を突き付ける。

 

『今回はこちらの不手際として警告で済ます』

『だが、次は無い』

 

 …取るに足らないと、彼が背を向けて去っていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 悪夢を見て飛び起きる。

 

「はぁっ…はぁっ…」

 

 私の浅い呼吸が部屋に木霊する。

 

 わたしが見慣れた彼に、わたしの見たこともない感情を向けられた。

 いつも助けてくれた彼が、わたしに本気で殺意を向けてきた。

 

 そんな、夢を見た。

 そんな、夢だったら良かったのに…

 それは、間違いなく現実にあったことで。

 

 

「バイタルが乱れているぞ!

 621、何があった!?」

 

 焦った声で、ウォルターが部屋に飛び込んできた。

 

「わるい…ゆめをみました…」

 

「そうか…」

 

 

 ウォルターがわたしの背をさすり、落ち着かせようとする。

 ウォルターは私がHCとの戦闘から死を恐れていると思ったようで、喪失した機能を取り戻す契機となると優しく諭してくれる。

 

 恐怖を知った、という点ではウォルターの考えは間違っていない。

 わたしは、彼に嫌われること、彼と敵対することを恐れている。今度こそ彼を助けたいと思っていたのに、次は自分の手で彼を殺めてしまうかもしれないことを恐れている。

 

 

 

 「前回」と同じように、わたしは密航後のガレージで記憶を取り戻した。しかし、記憶が戻る前の密航が前回とは違っている。

 

 2度の密航でわたしの窮地を助けてくれたオルクスが、惑星封鎖機構の執行機であるHCに乗ってわたしの前に立ちはだかった。

 

 彼に僚機申請の連絡を入れても返事が来ない。アリーナのランキングを見ても彼が居ない。独立傭兵オルクスの痕跡が何一つ見つからない。

 

 彼は私とは相容れない立場にいるということに気がついてしまった。

 どんな時でも私を助けてくれたオルクスは、「今回」わたしを助けてくれないんだ。

 

 

 それでも、彼の生存を諦める訳にはいかない。だから今は進むことにした。前回までは無かった依頼もあったが、実績を重ね、壁を越える。ウォッチポイントを襲撃し、独立傭兵スッラと所属不明機体を撃破。目標のデバイスを破壊してエアと再会する。

 

 

 

 

 

  [強化人間C4-621 生体反応を確認]

 

 ノイズ混じりのCOMを聞き、雨の降り注ぐ制御センターの屋上で目を覚ます。

 

  [オートパイロットを解除 ]

  [ハンドラーへの通信を接…]

 

 

《レイヴン 敵性機体の接近を確認しました》

 

 

 私の目の前にパルス防壁を持つ機体が飛来してきた。巨大な帯に囲まれたバックユニットを背負う人型の特務無人機体……

 

 

 

 

 

[コード15 被害甚大です]

 

 女性の機械音声…?バルテウスにそんな機能は…

 

『コード23 執行少尉オルクス現着

 HC-BALTEUS、交戦を開始する』

 

 っ…!バルテウスじゃ、無い!?

 

 

 わたしの前に現れたのはバルテウスの背部装備を背負ったHC…オルクスだった。

 

 

『思った以上に早い再会だったな、密航者

 …それとも、独立傭兵レイヴンと呼ぶべきか』

 

 HCはガシャンと音を立てながら背面と側面からミサイルポッドを展開。

 

 

《あなたの脳波と同期し…「交信」でサポートします》

  

 

《メインシステム 戦闘モード 再起動》

 

 

『次は無いと言った筈だが…やはり貴様は、

 我々の惑星封鎖を脅かす脅威だったようだ』

 

 戦闘開始と同時にオルクスはミサイルを発射。百五十六連装という尋常ではない量のミサイルがわたしに襲い掛かるが、その挙動はバルテウスのものと大差ない。

 

 オルクスの斜め前まで移動し、ミサイルを引き付けてからクイックブーストで飛び込むように回避。発射後の硬直をパルスブレードで斬りつける。

 

 

《敵機について調べました》

《惑星封鎖機構の執行機 新型HCに

 特務無人機 バルテウスの背部ユニット

 を装備した試作機だそうです》

《ダメージを与えるには展開している

 パルスアーマーを剥がす必要があります》

 

 

 私の周囲を周りながらレーザーライフルによるバースト射撃を行うオルクスとショットガンで撃ち合いながら出方を伺う。

 ショットガンとの撃ち合いは得策では無いと感じたのかオルクスはブーストをかけ、私との距離を離していく。

 

 私の方へ向き直す為に減速したオルクスへ向けて2連グレネードを発射。バルテウスのブースターは推力こそ凄まじいが、小回りが効かない。

 グレネードの命中したオルクスへアサルトブーストで接近。グレネードを躱してブースト速度を上乗せしたショットガンを叩き込み、ブーストキックでパルスアーマーを破る。

 

 

《パルスアーマー消失 今ですレイヴン》

 

 パルスブレードによる2連撃からブーストキックで蹴り飛ばし、2連グレネードで追撃。

 

 

『ッ…やってくれる…!以前とは違うようだな』

 

 3分の1程度はAPを削れたはず…パルスアーマーを再展開される前にアサルトアーマーまで削り切る!接近してショットガンを…

 

 

『…だが、ここで終わる訳にはいかない』

 

《この波形は…!?危険です 距離を!》

 

 

 焦り過ぎた…!想定よりも早いアサルトアーマー展開に対応が間に合わず自ら飛び込んでしまい、ACSが負荷限界を迎える。

 

『この新型で…終わらせる!』

 

 可変式超高温バーナーによる連撃からすかさず4連装ショットガンで追撃。私がACS負荷限界から復帰する前に距離を取り、全方位へミサイルを放ってくる。

 

 炎によって足場を奪われた状態で雨のようなミサイルを躱すわたしと、空中を自在に飛び回り火炎放射を振るうオルクス。戦況は一気に反転した。

 

 ラスティの語った理由なき強さとその危うさ…それは今の彼の姿を指しているのだと実感させられる。

 

 執行少尉として封鎖機構に言われるがままに職務を果たしていく…その姿には独立傭兵オルクス…本来の彼のような自ら選び戦う姿とは程遠い。

 

 だからこそ、今の彼に負ける訳にはいかない。

 

 グレネードを跳躍して回避、そのままアサルトブーストでオルクスに食らいつき、わたしの有利な間合いでの接近戦を押し付ける。

 

 パルスアーマーを突破。両腕のショットガンを斉射してからブレードで2連撃。ブーストキックで地面に叩き落としてからリロードの完了したショットガンを再び撃ち込む。

 

 

 

『…慣れない機体とはいえ寄せ集めにここまで追い込まれるか』

 

[システムより判断を通達します]

 

 再び彼の機体から機械音声が聞こえてきた。

 

[ウォッチポイント・デルタ内のスキャンが完了]

[壊滅状態 システムは拠点の放棄を決定しました]

[これ以上の戦闘は推奨しません]

 

『…了解した イア

 執行少尉オルクス 撤退する』

 

 

『俺の負けだ、独立傭兵レイヴン

 …システムは君の脅威度を改めることだろう』

 

 彼はバーナーを正面に構え、ナパームと共に放射。炎と煙の向こうに彼の姿はすでになかった。

 

 

《…撤退したようですね》

 

《…レイヴン あなたには 休息が必要です》

 

《それから》

 

 突如、視界に激しい光が映る。

 

《あなたが巻き込まれたコーラルの逆流

 あれは…予兆に過ぎません》

 

 爆発の余波に雨雲が吹き飛ばされた。

 

《ルビコンを焼き払う…この炎と嵐の》




曇らせは良い…俺にはそれが必要だ

◯AA22EX1: HEAVY CAVALRY-BALTEUS
試作HCの背部ユニット換装による機能追加を行った機体
この機能により更なる汎用性の獲得が期待されている
バルテウスのような弾幕による制圧力と高い推力にパルスアーマーを獲得
武装はマルチレーザーライフルが据え置きで肩部パルスキャノンを外し、シールドをバルテウスの4連ショットガンへ変更



オーバードウェポンみたいにバルテウスのやつ背負いたい!という欲望の結果で書きました
考え込む621に対して新兵器をエンジョイするオルクス…これは理由なき強さですわ…


次回、お忍び(笑)ダブルデート(失笑)編予定

オルクスに蔑称を付けたい(他に案があれば活動報告にコメント頂けると助かります)

  • オルクズ
  • オルカス

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