原発被災者の苦悩と伝えたいこと 11日に武蔵野で講演「フクシマを思う」 東京都内に避難 大学生・鴨下さん
2024年6月1日 07時21分
東京電力福島第1原発事故で8歳の時に福島県から都内に自主避難し、ローマ教皇に被災者の苦しみを直接訴えた経験を持つ大学生の鴨下全生(まつき)さん(21)の講演会とチャリティーライブを組み合わせたイベント「フクシマを思う」が11日、東京都武蔵野市の武蔵野公会堂で開かれる。(花井勝規)
「フクシマを思う」は2011年5月に始まり、今回で34回目。原発問題を考える武蔵野市民らによる手作りイベントとして回を重ねている。
鴨下さんは事故翌日の11年3月12日、福島県いわき市から両親と弟の家族4人で自主避難し、その後、都内のアパートで暮らした。転校先の小学校では福島から来たことを理由に、卒業するまでいじめられた。
高校入学後、避難者支援団体のキリスト教徒のメンバーに悩みを打ち明けると「ローマ教皇に相談しては」と提案された。原発事故の被災者を取り巻く理不尽さを手紙で訴えると、19年3月にバチカンに招かれ、フランシスコ教皇と面会。同年11月には来日した教皇と東京で再会した。教皇との対面をきっかけに実名で講演をするようになった。
イベントは午後7時から。第1部では鴨下さんが「原発事故で自主避難した少年がローマ教皇に会い、そして今、21歳で伝えたいこと」をテーマに講演。第2部では、舞台俳優の金子あいさんが震災小説「爆心地ランナー」を朗読する。第3部はオーボエ奏者古部賢一さんの演奏がある。
参加費は2千円。23歳以下は無料。収益金は「未来の福島こども基金」などに寄付される。問い合わせは実行委員会の鎌内啓子さん=電090(2474)7911=へ。
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