もしバレたら……。 恐らく、相談者さんの想像している以上の事態になります。 単に学校内の作文コンクルールであれば、バレても怒られる&再提出で済むでしょう。でも、この作文コンクールの主催しているのは国税庁と全国納税貯蓄組合連合会です。特に国税庁は脱税などを取り締まる機関なので、たかが中学生の作文コンクールといえど見逃すことができないんです。 私は報道機関で仕事をしておりますが、今回の作文コンクールのように全国規模でやっているもので盗作がバレるとシャレになりません。 もしバレた場合、学校の校長はコンクールの主催団体に謝罪に行かなければなりません。地元の教育委員会にも事情説明を行い、学校側は始末書を提出します。当然、教育委員会から学校長は「もっとちゃんと指導しなさい」的なことを言われます。 また、これが入賞作が発表になった後で、相談者さんの作文が選ばれてしまった場合、学校側は地元の市長などにも謝罪に行かなければなりません。なぜならこの作文コンクールの場合、入選者は自治体のウェブサイトで発表したり、市長などが作文を書いた生徒を直接表彰すケースが多いからです。 学校内では担任の先生が学校長や教頭、学年主任などの先生からお説教を受けます。「こんなことになったのは先生がちゃんとあの生徒を指導しなかったからだ!」と。学校では教頭などが各担任の仕事ぶりを評価する立場にあり、各先生のキャリアなどに大きく影響しますが、このような問題を起こすと担任の評価は間違いなく下がります。 あと相談者さんですが、高校進学に大きな影響を与えます。学校推薦などはしてもらえないとまず思ってください。友人が教師を務める中学校では、内部でそういう規定を設けているそうです。 恐らく、高校などに情報が直接漏れることはないと思いますが、どの生徒が盗作したかは分からなくてもどの学校の生徒が盗作したかは把握しています。税の作文のような大規模なコンクールの場合、入選作が盗作だと新聞やニュースなどで報道されてしまうので。 それに高校側は盗作を行った人物のことを知らなくても第三者が密告する場合が結構あります。特に高校在学中に問題が発覚すると、通っている高校を問題に巻き込んでしまうので大変です。公立ならともかく、私立高校なら中学校にかなりキツいクレームを入れるでしょう。もし高校の名前が出ると、学校のイメージが傷つき翌年の入学者減少などにつながりかねないので。 中学生の相談者さんの「たかが宿題……」と思われる気持ちはよく分かります。でも、上記で述べたような事態を招く可能性は十分あります。 ちなみに最終選考に残ったような作文は、文の一部(段落丸ごと)などをそのままネットに入力し、盗作でないか確認する作業を行うことが多いです。一言一句そのままでなくても盗作とみなされることが多いので、「~である。」を「~だ。」という程度に変えた程度じゃ危ないですよ。 しかし、月曜に提出なら時間がまだあります。 盗用した作文に手を加え、オリジナルにするしかないでしょう。 まず、文中の言葉は類語(同じ意味を持つ、似た言葉)検索を使って、違う言い回しに変えましょう。「○○(作文内で使っている言葉)、類語」で検索すれば、いくつか出てくるはずです。 あと、途中で自分の考えや意見を挟むようにしましょう。 つまり、盗作ではく、「参考にした」というレベルにしてしまうんです。これなら指摘されても「最初の状態では盗作と疑われ、余計な誤解を生みそうだったので内容を一部修正しました」と言えば済む話です。無論、ちゃんと「参考にした」レベルの作文にしていれば、そのような指摘すら受けないはずです。 恐らく、これが一番リスクが少ない方法だと思います。たかが宿題で進路に影響する大問題になってしまうのは相談者さんの望んではいないはず。 貴重な日曜日は潰れてしまうかもしれませんが、それで最悪の事態が回避できるなら安いものです。 大変でしょうが頑張ってください。