伊勢市の英心高で初の講演会
三重県松阪市曽原町出身の陸上長距離選手・西山雄介さん(29)=トヨタ自動車=が6日午後1時半から伊勢市の私立英心高校(長田朗校長、473人)で初めて講演し、「挑戦し続けることの必要性と自己実現」をテーマに話した。
西山選手は市立三雲中学校、県立伊賀白鳳高校、駒澤大学出身。中学時代から多くの全国大会で活躍し、大学では出雲、全日本、箱根の三大大学駅伝に4年連続出場。トヨタでは、2020(令和2)年と24年の全日本実業団駅伝で区間賞。22年8月のオレゴン世界陸上のマラソンでは日本人史上最高記録となる2時間8分35秒で13位に入った。3月の東京マラソンでは自己ベストの2時間6分31秒で日本人1位でフィニッシュしたが、パリ五輪出場は逃した。
講演会は、英心高教諭が高校時代、西山選手と共に12(平成24)年の国民体育大会で県代表となったことが縁で交流があり実現。西山選手自身、初の講演会となった。
この日、西山選手は「夢の実現へ」というタイトルで講演。「大きな目標に対して、小さな目標をいくつも設け、それをクリアしながら成長していくことで自信につなげていく」など、自身のこれまでの競技生活の中から確立した、目標達成までの五つの取り組みを伝えた。最後に「自分の人生は自身のものです。最後の選択だけは自分で決め、自分の将来を自身の手で切り開いていきましょう」とメッセージを伝えた。
市立久保中学校出身の3年・永田媛仁さんは「トップアスリートの話を直接聞けて、将来の自分の人生に向けてプラスになったと思う。私も西山選手のように一つの目標を達成できるよう頑張っていきたい」と深く感じ入った様子だった。
西山選手は「初めての講演会だったが、これまで自分がもがいた中から確立できた取り組みを伝えて、何か生徒たちのきっかけにつながればと思う気持ちで登壇させてもらった。今回の講演が生徒たちの将来につながればうれしい」と振り返った。