クリベッジ (Cribbage)  

【作者】
【プレイ人数】2人
【時間】30分

cribbage

【概要&FGCでの楽しみ方】

 クリベッジは二人用のゲームとしては当会で最も頻繁にプレーされているゲームのひとつです。点数計算は確かに複雑ですが(後述の詳しいルールを参照下さい)、一度慣れてしまうと、逆に複雑さが楽しさに変わるのですから最初から敬遠するのは損というものでしょう。ディールされたカードからクリブに何を捨てるかの決断、スターターの運、相手の出すカードの読み合い、など、多少手札が悪くても、そしてプレーのどの時点においても、それなりに考えることがあります。

 一方が規定点数(121点)に達するまでディールが繰り返されますから、運は拮抗してきます。悪いときに我慢し、良いときに攻める、その押したり引いたりの駆け引きがこのゲームの大きな魅力です。自分の狙ったスターターがどんぴしゃりで裏返ったときはぞくっとします。ちなみに、当会でプレーするのはシックス・カード・クリベッジです。

 日本ではクリベッジボード(写真)の入手がやや困難ですが、インターネットの通販等を利用することは可能です。当会が最初に手に入れたクリベッジボードはクリベッジの解説書(洋書)におまけで付いてきた中国製のプラスチックボードでした。また、最近ブームの雑貨を扱う店でクリベッジボードとは知られずに、「なんとなくおしゃれなもの」として売られていることもあります。私たちは新潟の某雑貨屋で「便器型クリベッジボード」を発掘した経験があります。以来、クリベッジボードは集めるともなく集めています(収蔵庫)。写真のクリベッジボードは、横のブリッジサイズトランプと比較して分かるように、かなり大きなものですが、マッチ箱を二つつなげたような小さなものもあります。

(以上、だじゃれ委員)


【詳しいルール】

【カード】通常の52枚。ランクはAがもっとも低くKが最も高い。コートカード(絵札)はすべて10点、それ以外はカードの数字(ピップ・ヴァリュー)が点数を表す。

【ディール】山札をカット(二つにわけること)し、手に持った上半分の底のカードを比べる。ランクの低い方が最初のディーラーとなり、以後は交互にディーラーをする。ディーラーはそれぞれに1枚ずつ6枚配る。残りは横においておく。なおクリベッジでは、ディーラーになっていることを「イン・ザ・ボックス」、ノン・ディーラーのことを「ポーン」と呼ぶことがある。

【目的】プレイ中、またはハンド(手札)で役を作り、多くの点数を獲得する。点数は逐次加算していくため専用の得点ボードがあるが、紙とコインなどで代用できる。どちらかが121点に到達した時点で終了になる。61点で終了するようにしてもよい。

【クリブ】ディーラーもノン・ディーラーも6枚の手札から2枚を選び、テーブルに伏せて出す。この4枚をクリブと言い、プレイには関係がないが、最終的にはディーラーのハンドとして計算する。

【スターター】クリブを出したら、残っている山札をめくる。このめくられたカードをスターターという。プレイ中にはとくに関係がないが、これがJだったらスートにかかわらず「ヒズ・ヒール」といってディーラーが2点を直ちに獲得する。

*ノン・ディーラーが山札の半分くらいを底が見えないように持ち上げ、その間にディーラーが下の山の一番上のカードをめくるというのが正しいやり方とされている。

【プレイ】ノン・ディーラーが最初にプレイする。手札の4枚から1枚ずつお互いが交互に出していく。このとき相手のカードと一緒にならないように、自分のカードは自分の側に並べておく。そして、出すときは、誰が出したかにかかわらずそれまでのカードの点数の合計に、新しく自分が出すカードの点数を足した数を言う。例えば、最初に8を出せば「八」と言い、次にJを出したプレーヤーは10を足して「十八」と言う。ただし、合計が31を越えるようなカードは出せない(ゴーを参照)。


[得点]プレイ中、相手のものも含め、出された順にカードのつながりを考える。そして、以下のような役ができたときに得点を獲得する。

(1)フィフティーン(2点):合計15点目となるカードを出したプレーヤーが獲得する。

(2)ペア(2点):連続する同じランクのカードの2枚目を出したプレーヤーが獲得する。

(3)スリー・オブ・ア・カインド(6点):連続する同じランクのカードの3枚目を出したプレーヤーが獲得する。ペア・ロイヤル、プライアルともいう。

(4)フォー・オブ・ア・カインド(12点):連続する同じランクのカードの4枚目を出したプレーヤーが獲得する。ダブル・ペア・ロイヤルともいう。

(5)ラン(枚数が得点):3枚以上のランクの続いたカードを出したプレーヤーに入る。この際続いていればプレイされた順番は関係がない。例えば、「2、3、4」でも「2、4、3」でも途切れていなければいい。

(6)サーティー・ワン(1点):合計31点目となるカードを出したプレーヤーが獲得する。(当然、ラスト・カードの1点も入る。)

(7)ラスト・カード(1点):プレイ可能な最後のカードを出したプレーヤーが獲得する。


[ゴー]31点を超えるようなカードしか手札にない場合、「ゴー」といって相手にプレイする権利を譲る。ゴーされた相手は、31以内で出せるカードがあるならばすべてプレイしなければならない。このとき上の役ができたときはもちろん得点を加算する。ゴーといわれたプレーヤーはカードが出せても出せなくてもラスト・カードを出す(あるいは出した)ことになるので自動的に1点が入る。

 どちらもプレイできなくなったら、それまでのカードを裏返し、ゴーを言ったプレーヤーから、残りのカードで新たにプレイを始める。すなわちカードの点数は0からということになる。


【手札計算(ショウ)】

 すべてのカードをプレイし終えたら、手札の計算をする。このとき必ず、ノン・ディーラー、ディーラー、クリブの順で計算する。もし途中でどちらかのプレーヤーが決勝点を越えたならゲームはそこで終わる。クリブはディーラーの得点になる。

[得点]手札の計算は、自分の4枚にスターターを加えた5枚で行う。つまりスターターは共有のカードということになる。役はプレイ中の役(1)-(5)に加えて、

(8)フラッシュ(4点+1):スターターを除く4枚がすべて同じスートだったら4点が入る。もしスターターも同じスートだったらさらにプラス1点。ただし、クリブの場合は、5枚が同じスートでなければフラッシュの得点はない。

(9)ヒズ・ノッブ(1点):スターターと同じスートのJがあれば得点される。

 ハンドの計算をするとき、プレイされた順序に関係なくカードはすべての重複する役で計算される。特にフィフティーンは足して15になるあらゆる組み合わせて得点される。


【勝利】

 一般的には121点、または61点に先に到達した方が勝利。


【得点計算のコツ】

 やっかいなのは手札の得点計算です。ただし慣れると機械的にできるようになります。パーレットは、フィフティーン、ペア類、ラン、フラッシュ、ヒズ・ノップの順で計算すると見落としがないと述べています。もし見落としがあり、相手がそれに気がつけば、そのまま相手に得点がいくというのが公式ルールです(マッギンと言う)。3-4-4-5で8点といったように型で覚えると楽かもしれません。


(美化委員)

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