一年前、東京都がColaboに対する深刻な妨害に屈して、23年度から補助を受けた場合少女たちの個人情報を都に提出しなければならなくなった。
行政への情報開示請求を用いた嫌がらせも続き、少女たちの情報を加害者に渡した自治体もあり、開示された書面はネットに拡散されたり販売されたりしている。
Colaboが保護する少女のなかには、行政職員の娘、自衛官や警察官の娘も多く、そうした加害親や、性売買業者とつながる議員等に少女たちの名前等を知られないため、少女たちの安心と安全を守るためにColaboはモデル事業制定過程から協力してきた「若年女性支援事業」から降りることにし、昨年度から、5千万円ほどのお金を受け取らずに寄付のみで活動を続けることにした。
これまで言えなかったが、その決断をする前、まだ補助金の要項が出る前に、東京都が、性売買業者とつながる団体と事前調整をしていると知ったことも大きな理由の一つだった。
それにより、東京都の姿勢は、性搾取から少女たちを守るということではないと改めて明確に理解することとなった。
そのような団体と一緒に活動し、連携会議などで情報共有しなければならなくなっては、ますます少女やスタッフの安全を守れなくなる、シェルターの場所や体制も知られてしまい、活動の存続に関わると考えてColaboは申請を断念した。
ちなみにColaboには東京都から公募についての案内はなく、公募が始まっていることも知らされなかった。
Colaboが抜けた後、「若年女性支援事業」に採択された団体が今、「悪質ホスト対策」の名の下に、「まずは業界と対話します」と宣言した新宿区長・新宿区と共に、ホストと一緒に活動を始めると発表した。
「ホスト」による性搾取の問題が「悪質ホスト問題」として、一部のホストの問題として語られることで、問題を矮小化していることはこれまでにも伝えてきた。
現実の被害を知らない人には、これらの「支援団体」や新宿区の取り組みが少女を守るための対策かのように思えてしまうかもしれないが、これは問題の本質を覆い隠すことであり、それにより、女性を性売買に誘導する構造のなかで大きな力を持つホスト業界を守ることにつながっている。
それにもかかわらず、こうした取り組みをメディアが大々的に連日取り上げているのにも理由があるだろう。ただ無知なだけではないはずだ。
先日、この団体の創設者のインタビューとして、こんな記事が出た。
「日本駆け込み寺・青母連の玄秀盛氏が明かすコラボ代表・仁藤夢乃さんの学生時代からの豹変ぶり」
アクセス数を増やすのは嫌だが、とてもわかりやすい記事なので、ぜひ読んで欲しい。
私はこの記事に書かれている新宿区の自殺対策委員会に参加したことも、この男に学生時代に会ったこともないし、会計不正がなかったことは監査結果でも明らかなのに、Colaboについて「不正は本当にあった」などとデマを流している。
「ホストはキモいおっさんと違ってちゃんと女のコに寄り添える存在」などと主張したことも当然ないが、自分たちこそがホスト問題を理解し少女たちに寄り添っていると印象づけるためにデマを拡散しているのだろう。
Colaboについて、「異性関係の薄い少女がコロっとホストの食い物にされていく実態や手口をまるでわかってない。21年間も歌舞伎町に拠点を構えてその現実を見てきた俺だから、今回だって4月の売掛撤廃発言までこぎつけた。外野が適当なこと言っているのは気に食わない」などと言い、活動を歪め、貶めている。
この動画↓の9:30あたり〜でもこの団体が業者と区と進めてきたまやかしの「ホスト対策」を批判しているので、反撃のつもりなのかもしれない。
「悪質ホスト対策の名の下でホスト業界を温存させる新宿区」
どういう人たちが連帯しColaboを攻撃しているのか、多くの人に知り、現実を見つめてもらいたい。
ちなみに歌舞伎町で、2022年末からColaboに嫌がらせを続け、少女へのアウトリーチの妨害などをしている団体↓の車には、日本保守党のシールが貼られている。
この団体は、東京都・新宿区が妨害に屈してColaboが歌舞伎町から追い出された後、ゴミ拾いの名の下に新宿区役所の庁舎の敷地に新宿区から許可をもらって車を置いていることをアピールしながら、Colaboの妨害活動をしていた。
東京都はColaboが補助金に申請できないように要綱を(少女たちの個人情報を提供するものに)変え、同時に女性差別を隠すこともしない人物による団体と事前調整をしていたのだ。
厚労省の女性支援法の検討会で、私は、
若年女性支援を民間と連携して行う際には、(性搾取の構造に理解がなかったり女性差別的な目線をもった団体もあるため)女性が主体となった女性による支援団体に限定すべきという意見を述べたが、男性も支援している団体の代表者から「男性も困っている」「男性支援もしている団体にもお金がつくようにして欲しい」などの意見が(女性支援法の会議なのに)出て、採用されなかった。そのことの影響を、昨年度からの若年女性支援事業のありさま、アウトリーチや事業の意義を変えられてしまったことを見て強く感じている。
Colabo攻撃の最も深刻な影響について、私はまだColabo潰しを恐れて語れていないことがありますが、それらは「支援団体」を名乗る人たちと権力との関係、「若年女性支援事業」の実態に関するものです。そのうちの一つがこれでした。
私たちが語れないであろうことを利用して、お金儲けを優先したり、そのために「女性支援」を利用する人たちがいて、私も口封じされてしまっている状況を苦しく思い、どうしたらいいのかと悩み続けていますが、どのようにして真実を知らせて、少女たちの置かれた状況や必要な支援を理解する人を増やしていくのかと日々考えています。
性搾取を正面から批判し、性搾取のなかにいる少女たちとつながるColaboに対する深刻な妨害に関する性売買業者、議員、東京都、「支援団体」の動きに、私たちが対峙しているものの大きさと力を感じながら、なんとか踏ん張っているのがこの1年半の状況です。
Colaboは2018年に始まった「若年女性支援モデル事業」の設計段階から、「草の根の女性団体に予算がつき、全国に若年女性支援が広がれば」との思いで厚労省や東京都との事業に取り組んできました。はじめは1千万円だった委託費も、実態を示すなかで4600万円と事業に見合う金額まで引き上げさせました。
厚労省の女性支援法の検討会の構成員にもなり、性搾取の実態を訴え、若年女性支援も法律に組み込まれ、性搾取の構造から抜け出すための支援の必要性も明記され、この4月から施行されました。(しかし、妨害の過程で「性売買」という言葉は消されてしまいました)
それに伴い、新法が制定された2022年から性売買業者や、それに近しい議員らがあらゆる政党を超えて連帯し、Colaboに対する深刻な妨害をバックアップしました。
さまざまな権力者達の動きがあり、このような団体が「若年女性支援事業」のお金と、女性支援団体としての立ち位置を取りに来た。そのことはColabo攻撃の深刻な影響の一つです。
ヘイト・デマに溢れた誹謗中傷記事を書かれたにも関わらず、Colaboの活動を理解し、応援しているはずの議員からも「挑発に乗らずに支援する側が力を合わせる事に努めて欲しい」などと言われました。そういうことにももう慣れました。
「支援団体や運動を分断」しないためにこの記事に反応するなということを言われるとき、いつも加害者の側ではなく、被害者に黙ることが求められるのです。守りたいものは、少女たちではなく、自身の利害関係や付き合いのある「支援団体」に対する幻想なのでしょう。
このような動きを見抜けずに、「良いことをしているから」と思ってしまう人が多いのも事実です。それをよくわかっているから、業者は「支援団体」を利用するのです。
行政や政治は、ただバカなのではなくて、市民にバレないと思っているのだと思います。だから多くの市民がこのことを知り、目を背けないことが大切だと思います。だけど真実を語れば攻撃は酷くなります。
Colabo攻撃の一環として、22年度に、様々な自称「支援団体」が性売買業者のバックアップを受けて立ち上がりました。
買春者撲滅団体などと名乗って、大久保公園周辺をパトロールをしているとPRしながら、実際には性売買業者を少女たちに紹介していたり、少女にご飯や医療を提供するとうたって性売買業者が立ち上げた団体が困窮者支援団体とイベントをしたり、アウトリーチを称して「Colaboっていう怖いところがあるから行かない方がいい」と少女たちに声をかけて回ったり、ゴミ拾い活動を称してColaboのアウトリーチを妨害する団体が生まれたり、街の安全を守る名目で性搾取構造を温存させる活動をする自警団が生まれたり、こども食堂と称して性売買業者に近しい人物が「支援」を始めたり、様々な形で、女性に対する搾取や性売買を温存させようという人たちが「支援」に入り込んでいます。
とても深刻な状況で、どのように打開したらいいのかと、先が見えないと感じることもありますが、私たちはこうした嫌がらせに屈せず、真実を語り、地に足をつけて活動を続けることがなによりの抵抗であると考えています。
多くの方に現状を知らせること、それが状況を変える力になると思います。だからこそ、それを恐れ、デマを拡散する人たちがいるのです。私たちが真実を語ることに対して、彼らはデマで私たちの社会的評価を貶めて、歪めるしかないのです。
「それを社会の問題にするのはおかしいやろ。29歳の女性の単なる犯罪行為や。人殺しを無罪と擁護する弁護士と似ているが、彼らは法律家として『容疑者は心身衰弱の状態で』と述べているわけで、資格のない人間が言うべきことじゃない。なにもかも十把一絡げにするのはあかん」と書かれている。
本来、風俗で妊娠するということはあり得ないのに(実際には本番行為が行われているが)買春者批判や妊娠させた男の加害責任は追及せず、性売買に女性を追いやる社会構造やホストの問題に目を向けず、「女性の単なる犯罪行為」としている。
『風俗で女性が妊娠するとはどういうことか』はこちらで解説しています。
『路上で出産せざるを得ない状況に女性たちを追い詰めたのは誰か』もぜひご覧ください。
この時からこれまでも語れていないことは多くありますが、若年女性支援事業が形骸化させられてしまっている状況、知って欲しいです。