エモーショナルマーケティングという観点で読み解く上野千鶴子氏の記事

 


おや、フェミニズムの大家、上野千鶴子先生、最近よくメディアにでられていますね。

 

それにしても「宿題」とは   

一通りよみましたが、この文章、まじめな人ほど「やっぱりフェミニズムの観点って重要かも」「親の世代の苦労を受け入れなきゃ」と思いやすいようにできているような気が…しないでもない。

 

そこで、エモーショナルマーケティングという観点から見ていってみましょう。

まずはざっくりと構造をとるとこんな感じ。

上野先生からの宿題   

1)案外あるでしょ?男女差別。

2)目を背けてきたのは、差別を直視したくない「私」がいたから。

3)(差別を直視するために)母や祖母の世代をの体験を聞こう。

4)今聞いておかないと間に合わないかも

5)「女とか男とか関係ない」と思いたいのは、(あなたの)ウィークネス・フォビア(弱さ嫌悪)だ。

6)「私」からスタートする、女性の経験の言語化・理論化(女性学・当事者研究)が必要 

  

どこにエモーショナルマーケティングの手法が?

詳細を分析してみましょう。 

1)案外あるでしょ?男女差別。【筆者の意図に沿った想起の誘導】

素直な人ほど「どうだったっけ?」と自分の体験を振り返るでしょう。

世の中の差別が皆無なはずはないので「やっぱり」案件はだれでももっています。

それを利用した foot in the door 的な手法ではないでしょうか。

 

2)目を背けてきたのは、差別を直視したくない「私」がいたから。【ゆらぎの誘導】

「あなたは現実から逃げている」といった内容ですが、そういわれて反発したい気持ちと、権威ある先生が言うのであればそうかも?と思う気持ちが入り乱れますね。ここに論理の矛盾について脇が甘くなる余地ができます。

   

3)(差別を直視するために)母や祖母の世代をの体験を聞こう。【少し意外な確認の提案】

少し前段から離れる「確認の提案」であることから、ちょっとした安心感が生まれやすいです。

2)の問いかけが、読者の内心のありように迫るタイプのものだけに、落差の効果は生じやすいです。

  

4)今聞いておかないと間に合わないかも【罪悪感・焦燥感の誘導】

「実録」スタイルの文章が入っています。は今も昔も説得力のあるアイテムです。マーケティング的には「お客様の声」相当です。

共感を誘う文章であることもあいまって、『もしかしたら「聞かないこと」は申し訳ないことかも』と思いやすくなる構造ですし、「早く聞いておかなきゃ」という焦燥感も発生しやすい形です。

アンチエイジングや発毛関係の広告の「いま始めないと後で後悔するかも」と、同じ構造ですね。

 

5)「女とか男とか関係ない」と思いたいのは、(あなたの)ウィークネス・フォビア(弱さ嫌悪)だ。【克服すべきことの提示】

「逃げないために」克服すべきことは何か?という問いに対する「正解」が提示されます。

東大名誉教授という権威の語る「正解」ですので、アピール度は抜群かも。

 

自己啓発商品の宣伝でよく見る「意識をアップデート」と同様のものでしょう。

  

6)「私」からスタートする、女性の経験の言語化・理論化(女性学・当事者研究)が必要 【解決策の提示】

解決策の提示+ダメ押しです。

すでに4「確認提案」にある内容が、抽象化されたうえでして再帰的に使われていますので、反復効果も見込まれますし、売り込みのしつこさも軽減されています。 

「最近、フェミニズムに興味を持つ女性が増えているように感じています」といった「流行」を暗示させる文も入っています。

権威ある先生からの「宿題」です。真面目に取り組まないと「流行」に遅れるかもしれない…という、追い込みも入っています。

 

さらに…、女性読者対象のものなので男性には反論等されにくいというオマケがついていますし、中高年の上野ファンにとっては「そうよね~」で済み、余分な圧力は生じません。

 

エモーショナルマーケティングの手法がもりもりで、なかなか凝っていると感じました。さすがマーケティング方面で活躍されていたこともある上野先生です。

   

見落としガチな観点は?というと

うんうんうなずいて読んでしまうことで、以下のような観点は想起しにくくなります。

 
読者の「いま」にとって特に切実なのは「男女差別」なのか?

「考えてこなかった」ことは「直視することの忌避」なのか?

「母・祖母世代の語り」を聞くことのデメリットはないのか?

「ウィークネス・フォビア」に着目する必要は本当にあるのか?

上野氏の提案は「ウィークネス・フォビア」の解消に役立つのか?

「女性学」の方法論(当事者研究)に問題はないのか?

とりあえず、ほかにもありますが、この辺で。

 

以上、おそらく上野先生がお望みではなかったであろうスタイルで、私なりの自由研究に励んでみました。 

  

感想 So what?

さて、私の感想をサックリ書いておきますね。

男女差別を思い起こせって、そりゃあるけど、だから何?

弱さに目を向けろ? 余計なお世話だ!

このご時世、庶民にしてみれば、そんなことより明日のメシが大事なんだよ。

ウエメセの宿題に対しては「だが、断る!」一択です。

 


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情報分析と思考が趣味のおばさん。埼玉育ちだが大阪府内某川の土手っぷち近くの狸屋敷在住 成人発達障害者のための自助会やってま。情報商材や美容・健康グッズは売らん主義の物販アフィリ屋。むかしの名前はアライグマ。
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