これがビラ配り事件の真相。と、書けばなんとなくメイは悪くないと勘違いする人もいるだろう。
説明する。一連のメイの行動は、やっぱり圧倒的にメイが悪い。まず、助っ人左腕はなぜ2軍施設にいたのか? 謹慎中だったからだ。
少し前の巨人戦。2死二塁からの一ゴロでベースカバーに走ったメイだったが、判定はセーフ。激こうして塁審を突き飛ばして退場に。この間に二走が生還し、この1点が響いて阪神は敗れる。メイは連盟から2週間の出場停止処分。
ところが、その謹慎期間中に歯の治療を兼ねて? ガールフレンドとグアム旅行へ出かけた。緊急事態宣言が出ているのにセクシーキャバクラに出かけた国会議員に国民が激怒しているように、当時監督・野村克也が怒ったのなんの。メイを猛叱責した。それ以前から起用法などをめぐってギスギスしていた2人。ついにメイが爆発した。1軍は遠征中のことだった。
「あの監督は、勝てば自分の手柄。負ければ選手のせい」
これが、後の世に「ビラ」と伝わる主張(プリント)の趣旨だ。公然と監督批判をしたわけで、これは完全にアウト。球団から1200万円の罰金と無期限出場停止処分が科される。そして、メイはそのまま帰国、退団した。
ただ、メイがタダモノではないのは、その年の暮れに巨人と契約。翌年の長嶋巨人の日本一に貢献する。何から何まで後味の悪い「緊急事態」だった。
★巨人移籍後、和田にわざと危険球
阪神と確執を持ってライバル巨人へ移籍したメイは、そこでもとんでもない事件を引き起こす。阪神戦。打席に和田豊(現球団テクニカル・アドバイザー)を迎えて、和田の背中付近へ危険球を投げ、またまた出場停止処分を受ける。しかも、わざと狙ったという趣旨の発言も残した。まさにトラブルメーカー。ただし、最近では野村監督の逝去に際してお悔やみのメッセージを発するなどしている。