みんな好きだなぁ
いや、俺もだけどね?
ということでどうぞ!
「らぁぁァァっ!」
サソリモドキの爪部分に斬りつけてみたが、傷一つとしてつかない
「硬いなぁおい」
自信満々に飛び出したのはいいものの、大したダメージを与えられない自分に少しイラつきながらも冷静さを忘れず慎重に動く
たまに魔法攻撃を撃ってくるが、動作をよく観察していれば簡単に避けられる
「重いが捌けねぇ程でもねぇな!」
爪を使って攻撃してくるが相手は巨体の割には中々のスピードで攻撃してくるが、比較的簡単に爪の攻撃を捌くことができる。ただし一撃が重いので、剣が壊れないように受け流すのに骨が折れるのが唯一の欠点だ
距離をとると、触手だが尻尾だか分からないが、そこから針を飛ばしてくる。それを[+縮地]と[+空力]の会わせ技で避ける
「これでも喰らえやぁぁぁ!」
避けると同時に影舞を使って壁を走り、勢いをつけて胴体部分に踵落としを喰らわせた。
怯んだ隙に剣で追撃しようとするが直感が離れた方がいいと警告したので、すぐにその場から飛び抜く
「遠藤! 回復が終わったぞ!」
それと同時にユエの"蒼天"が叩き込まれる。回復だけでなく、血も吸っていたようである
そういえば...と、俺は一つの提案をする。
この魔物の外殻は鉱石でできている。原作でも、錬成を使えば簡単に外殻を突破できると言っていた
余計な傷は負わないに限る
「おい南雲! この魔物の外殻、もしかしたら鉱石かもしれない 鑑定してみてくれないか?」
「なに?」
一瞬、何言ってんだコイツ? 的な顔をしたあとに、ため息をつくと、接近して魔物に触れる
「どうだ?」
「マジだったわ」
"縮地"を使い、一瞬で帰って来た南雲はそう答えた
「ということは」
「そうだなぁ」
二人は凶悪な笑みを浮かべる。
俺たちはサソリモドキに近づくと、南雲が錬成で外殻を突破し、胴体部分に斬りつける
キィィィイ──と甲高い悲鳴を上げるサソリモドキだったが、そこで終わらないのがこの二人、次に
尻尾を斬り、足を斬り、口内に南雲特製の爆弾を入れて起爆、動かなくなったサソリモドキをみて、やっとで二人は倒したのだと納得した
本当ならこのサソリモドキとの戦いはもっと激戦した筈なのだろうが、浩介の原作知識という最大最強で理不尽な武器のせいで呆気なく散ったのだった
「しっかし、便利だよなぁ直感の技能」
なんと説明しようか迷っていたところ、話しかけてきた南雲の言葉に助けられた
「あ、あぁ...直感がこんな事にも使えるなんて初めて知ったわ」
俺たち二人と新たに仲間になったユエはサイクロプスとサソリモドキの素材と肉を持って拠点へと戻った
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「シュタル鉱石、魔力を込めた分だけ硬度が増す...か、コイツのおかげで俺たちの武器は更に強力になるぞ」
「魔力を込めるほどに折れにくい刀...いい」
深淵卿が「ねぇねぇ呼んだ? ねぇね」と煽っている気がするが無視を決め込む
南雲とユエが重要な話をしている、しかし俺は聞いていなくても知っているので、南雲が現在製作している俺の武器の名前を考えることにする
夜のように黒い刃、そして桜のごとく散っていく敵
いやいや、
ここはもっと単純に、黒い刀身を夜に例えて
黒刀とか関係ないけど、神様に反逆するわけだし...英語で「反逆」を意味するリベリオンとか?
「遠藤、ほら」
思考にふけっていた為か、南雲の話を聞いていなかった俺に刀が放られたが、気づかない。寸前で直感が働いてくれたおかげで、投げ渡されたものを受け止められた
「ボーとしてたが、大丈夫か?」
「いや、コイツの名前は何にしようか考えてたんだ」
「いや、普通に黒刀でいいだろ」
「う...そうだな」
さっきまで考えていた名前の数々は何だったんだろうか、とか思いつつ刀を構えてみる
「どうだ?」
持ってみた感触もそうだが、重さも丁度よく感じる
「最高だ! 流石は南雲だな」
「それは良かった」
南雲の武器を絶賛していると、ユエが俺と南雲の二人に話をふってきた
「ハジメとコウスケ、どうしてここにいる?」
当然の質問に、驚いたが、南雲は自分のこれまでの経緯を話していった。
仲間と共に異世界に召喚されたこと、南雲はありふれた職業である[錬成師]が天職で能力値も並以下、それが原因で無能と言われていたこと、ベヒモスとの戦いで仲間に裏切られて奈落に落ちたこと、魔物を喰って変化したこと、神水のことや今使っている武器が元いた世界での兵器だということ
すると、グスッと鼻を啜るような音が聞こえだす。発生源を見ると、ハラハラと泣き出すユエがいた
「....ぐすっ....ハジメ....つらい....私もつらい....」
「気にするなよ。もうクラスメイトのことは割りかしどうでもいいんだ。そんな些事にこだわっても仕方無いしな。ここから出て復讐しに行って、それでどうすんだって話だよ。そんなことより、生き残る術を磨くこと、故郷に帰る方法を探すこと、それに全力を注がねぇとな」
ポンポンと頭に手をやり、そう言う南雲
その光景をみた俺は場違いな気がしたので、刀を持って外にいこうとする。が、そこでユエの静止の声がかかる
「グスッ...待って...コウスケは?」
「別に俺は話すような事は無いしなぁ...」
話す気がない雰囲気を察した南雲が自分の話した内容に少し付け加えた
「俺は確かに仲間に裏切られて逃げ遅れ、奈落へと落ちた。でもな、落ちる寸前、崩れかけの床にしがみついていた俺の手を取って助けようとしてくれたのが遠藤なんだ。
まぁ、逃げるより先に掴まってた場所も足場も全部崩れて二人とも奈落に落ちちまったけどな」
「そういや、あの時の礼を言ってなかったな...結局落ちちまったが、助けに来てくれてありがとな」
「ッ! ...助かってないんだから礼をいうなよ...はぁ、話すよ。
俺は落ちた後、直感を頼りに敵がいない道を通って逃げてただけだ。
そして、敵がいないルートを通りながら直感を頼りに南雲を探した。後は知っての通り二尾狼を錬成を使って仕留めている南雲を見つけ、一緒に魔物の肉を喰って...後は南雲と同じだな」
と、ユエが近づいてきて頭を撫でてきた
「...なぜ撫でる?」
「コウスケ....命懸けでハジメのこと助けようとした。偉い」
....限界だった俺は刀を持って外に出る
「お、おい! どうしたんだよ?」
「ユエの食事を邪魔しないように出ようかと思ってな、後は自主練だ。明日の朝までやる」
「朝までって...ほら、お前のメシだ持ってけ!」
南雲が二つの肉を渡してくれた
「サンキュー」
簡単に返事を返すと拠点から出る
確かこのサイクロプスの肉が、"金剛"で、サソリモドキの肉は"魔力放射"と"魔力圧縮"の技能を獲得できるんだったか
これでまた強くなれる。だが足りない、俺はもっと強くならなければいけないんだ
起きたことはもう変えられない、全て俺が悪いんだ。そう、俺の責任だ
強くなって俺は━━━━
随分と遅くなってしまいました。すいません!
いやぁ~サソリモドキが呆気なく死んでしまいましたね
すんません、なるべく彼らには傷ついて欲しくなかったんですよ遠藤君は
次の投稿は早くて2時くらいになるかもしれません
それでは次回もお楽しみに!
遠藤浩介のヒロインにシアを入れるか
- 入れてもok
- やめてください
- 流れで
- 雫かわいい
- 雫を出せ