さてさて、お気に入り100件目指してがんばります!
それではどうぞ!
俺たちは今、【オルクス大迷宮】へと来ている。一番重要な場所なのだが、昨日あった事が忘れられずに集中力を欠いていた
時を遡ること数時間前~
風呂に入った俺は、明日の為にクナイ擬きや手裏剣擬きを磨いていた。【オルクス大迷宮】でのことは覚悟がきまった。しかし緊張しているのか眠れず、こうして意味もなく武器を磨いて気を紛らわせていた
コン コン
扉を叩く音が聞こえたが、隣の南雲の部屋だろう.きっと白崎が南雲と密会するために扉を叩いているのだ
コン コン
おいおい南雲! はやく出てやれよ! 白崎さんをあんな格好で廊下に放置とか酷すぎるぞ?
コンコンコンコンコンコンコン……
扉を高速でコンコンした後に、首謀者の声がした
「開けてくれないかしら? 浩介君?」
どうやら隣ではなく、俺の部屋に用事があるようだった。扉を開けると、ネグリジェにカーディガンを羽織っただけの八重樫が立っていた
「え……うそん」
呆然とした表情で呟くと、急いで手を掴み部屋に招き入れる
「ど、どうしたんだ、そんな格好で」
緊張していることを悟られないように注意しながら紅茶を注ぐと、質問をする
「その、明日の実戦訓練なんだけど.嫌なこと思い出しちゃったから、寂しくなっちゃって」
いつもの凛とした雰囲気はなく、俺の目の前にいたのは
「━━そうか……まぁ、だいたい予想はつくが……王都外での魔物を倒す訓練の時でも思い出したか?」
「……」
返事はないが、代わりに頷きで返してくれたので当たりのようだ
「確かに初めて魔物を斬ったときは気持ち悪い感触だったし、罪悪感も少なからずあった……でもさ、俺は自分が生きるためなんだから仕方がないって割りきったよ」
「……」
「その考えを八重樫に強制するつもりはない……あの時言ったように俺は自分にできることを全力でやるだけだ。
言っちゃあ悪いが、この世界の奴らには対して、さほど関心がない。可哀想だとは思うがそれだけだ……俺は自分とクラスメイト、それに先生を守るので精一杯だからな。
格好つけたようなつけていないようなセリフを言った後、恥ずかしくなって紅茶を一気に飲む
「やっぱり浩介は格好良いわね……よし!」
ボーと、したあとに何かを決心したようで八重樫は俺の手を取ると、自分の頭に置いた
「何してんの?」
突然のことで目を丸くしている俺を尻目に数秒後、ボソッと何かを言って「━━おやすみ浩介!」と出ていった。
「いや、本当に……あーチクショウ……決心鈍るから止めてくれよ」
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「浩介! 大丈夫か?」
目の前には心配した様子のメルド、そして
「すみません、ボーとしてました」
「無理そうなら……「あぁいえ、大丈夫です」そ、そうか」
意識を切り替えて目の前の小型の魔物と相対し、気配遮断技能で見失っている隙に一刀両断にし、クナイ擬きや手裏剣擬きで敵を怯ませながら反撃をさせる暇なく倒しきった
「よ、よし全員終わったか……次はいよいよ20階層で訓練だ! 最後だからといって気を抜くなよ!」
「はい!」と全員が元気に返事をして、先に進む
「遠藤君、ボーとしてたけど何かあった?」
心配してくれたのか、南雲が駆け寄ってきた
「いや、昨日緊張しすぎて眠るのが遅くなってな」
勿論だが嘘だ。あの後、いろいろと準備をしていただけだ
「へ、へぇ」
昨日という単語で南雲の様子が少しドギマギになった。
「そっちこそ昨日は何かあったのか?」
「い、いや? な、何にもなかったよ?」
目を泳がせて慌てている南雲に追い討ちをかけようとしたが、メルドの「遠藤、お前も前に出ろ!」との声に中断させられてしまった
っ━━おのれメルドぉ!
「擬態しているぞ! 周りをよく注意しておけ!」
渋々と前に出て前衛組に合流すると、敵を見つけたメルドが大声で忠告してくれた。
「頑張りましょ……浩介」
「おう」
さてと……確か咆哮をして前衛を一時的に麻痺させるんだったか
俺は後ろに一気に下がる。八重樫はいきなり下がった俺に驚きながらも、持ち直して剣を構える
それと同時に咆哮が発せられて前衛組は硬直してしまい、その隙にロックマウントというゴリラ型の魔物は、岩を投擲……否、それは岩ではなく後衛組にルパンダイブで突っ込むロックマウントだった
それを俺は技能を使って壁を走り、飛んでいるロックマウントの首を落とした
さきほどまで、「いやぁぁぁ! 変態ぃぃ」とか騒いでいた白崎達は別の意味で「ヒィッ?!」と悲鳴をあげた
「貴様、よくも香織達を.許さない!」
白崎たちの悲鳴を勘違いした天之河が怒りをあらわにすると聖剣が輝き出す
「万翔羽ばたき、天へと至れ──"天翔閃"!」
「あっ、こら、馬鹿者!」
メルドの静止を聞かずに発動したその技は、ロックマウントを
殺りきったぜ! と清々しい顔をした天之河にメルドは近付いていき、拳骨をした
「へぶぅ!?」
「この馬鹿者が。気持ちはわかるがな、こんな狭いところで使う技じゃないだろうが! 崩落でもしたらどうするんだ!」
メルドの言葉に「うっ」と声を詰まらせ、バツが悪そうに謝罪をした天之河。そんな落ち込んだ様子の彼を後衛組が近づいてきて慰める
ふと、白崎が例の罠であるグランツ鉱石を指さす
そこには青白く発光する鉱物が花咲くように壁から生えていた。その美しさに香織を含め女子達は夢見るように、うっとりした表情になった。
「ほぉ~、あれはグランツ鉱石だな。大きさも中々だ。珍しい
この鉱石は加工して指輪・イヤリング・ペンダントなどにして贈ると大変喜ばれるらしい。求婚の際に選ばれる宝石としても人気だ」
「素敵……」
と、白崎がチラッと南雲の方に視線を向けている。それをニヤニヤ見守る俺だったが、隣にいる八重樫と目が合うと反らされてしまった。何故に?
「だったら俺らで回収しようぜ!」
そう言ってグランツ鉱石に向けてヒョイヒョイと壁を登っていく
「こら! 勝手なことをするな! 安全確認もまだなんだぞ!」
檜山はその注意を聞いてないフリをして無視し、どんどん登っていく
トラップがないか探っていた団員は顔を青ざめさせて叫んだ
「団長! トラップです!」
しかし、騎士団員の警告もむなしく、檜山は鉱石に触れてしまった
その瞬間、部屋全体に魔方陣が広がった。魔方陣は徐々に白く光輝いていく
「くっ、撤退だ! この部屋から急いで出ろ!」
メルドの叫び声もむなしく、誰一人として間に合わず、一瞬の浮遊感の後、地面に叩きつけられた
その場所は石造りの橋の上で、俺達の位置はちょうど中間で、両サイドには奥に続く通路と上階への階段が見える
奥の通路からも魔方陣が出現し、ベヒモスが現れた
次はベヒモス戦です
評価と、お気に入り嬉しいです!ありがとうございます!
応援がある限り書き続けるのでよろしくお願いします!
それと、恋愛とかそういった甘いシーンは下手くそだから見逃してください!すいません!
それではまだ次の話でお会いしましょう
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- 待ってま~す
- 畑山愛子先生っ!!すっきぃぃ!!
- 園部好き!