深淵卿に憑依しました   作:這いよる深淵より.闇の主人

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それでは~どうぞ!


ステータスプレート

 さて、全員が戦争に参加することが決定したわけだが、元は平和主義の日本の高校生だ。いきなり魔物と戦うのは不可能って事になり、聖教教会本山がある[神山]の麓の[ハイリヒ王国]に向かうこととなった

 

 途中の綺麗な景色に全員が感嘆の声をあげ、産まれて初めて見る魔法に釘付けとなっている

 

 地上が見えてきた。眼下には大きな町、国が見える。

 山肌からせり出すように建築された巨大な城と放射状に広がる城下町。

 ハイリヒ王国の王都だ。

 台座は、王宮と空中回廊で繋がっている高い塔の屋上に続いているようだ。

 

 深い深呼吸をする。今更ながら異世界に転生したのだと自覚できたようだ。

 

 手を握りしめ、これから起こるであろう事についての覚悟を決めるのだった

 

 

 

 

 ~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

 

 王宮に着くと、俺たちは真っ直ぐに玉座の間に案内された

 

 教会も豪華だったが、それに負けないくらいの煌びやかな内装だった

 

「お、いた...南雲」

 南雲を探す為に歩くスピードを落とす...と、最後尾をこそこそ付いていくのが見えたので話しかける

 

「?! ...遠藤君か、どうしたの?」

 

「今のところの要注意人物について話し合おうかなって」

 

「イシュタルさんとか?」コソコソ

 

「そうそう、というかイシュタルだけじゃなくて教会自体が危ないかもなぁ...てね。ま、只の憶測だし気にしなくていいよー」コソコソ

 

 少し離れていたので急ぎ足で列を追うと、巨大な両開きの扉を次々と通っていってるところだった

 

 中に入ると、玉座の前で立ち上がって待っている国王らしい人物と王妃のような女性、リリアーナ、ランデル、甲冑や軍服らしき衣装を纏った人達や文官らしい人たちが数十人も並んでいる

 

 イシュタルが手を差し出すと、国王はその手をとり、軽く触れない程度のキスをした

 

 その後は自己紹介を受けた

 

 リリアーナとランデルは覚えていたが、どうやら対して目立たないので国王と王妃の名前を忘れていたようだ

 

 後は、メルド団長やその他の高い地位にある者の紹介がされていたがメルド以外に興味ないし覚える必要がないかなと、流した

 

 その後、晩餐会が開かれ異世界料理を堪能することになる。見た目は地球の洋食と同じようなものだった

 ピンク色の怪しいソースも、虹色に輝く飲み物もあったが、とても美味しかった

 

 

 晩餐が終わって解散になると、各自に一室ずつ与えられた部屋に案内された。無駄に豪華だなとか考える前に、眠気が勝ったのか、ベッドにぶっ倒れるように眠った

 

 

 

 ~~~~~~~~~~

 

 翌日から早速、訓練と座学が始まった。

 

 俺と南雲は集合の10分前には並んでいた。時間になると生徒全員が到着したようで、メルド団長が確認する

 

「全員いるか!」

 

「そういや遠藤は?」

「ほんとだ」

「まだ来てない?」

 

 という言葉にメルド団長は側にいた部下に部屋を見てくるように言った

 

「遠藤がまだ寝ているかもしれん、少し部屋のようすを」

 

「す、すいませ~ん! 此処にいますよ」

 

「ぬ、いたのか。これはすまない」

 

 あ、これは久しぶりに枕に顔を押し付けて泣き叫ぶやつや

 

 ていうか、お前らが集合する前からいたんだから気付けよ! 

 

 

 メルドは、ウオッホンと、咳払いをすると俺たちに銀色のプレート...ステータスカードを配った

 

 さて、遠藤(おれ)の初期値はどのぐらいなのかな? と少しわくわくしていると、メルド団長が説明を始める

 

「よし、全員に配り終わったな? このプレートは、ステータスプレートと呼ばれている。文字通り、自分の客観的なステータスを数値化して示してくれるものだ。最も信頼のある身分証明でもある。これがあれば迷子になっても平気だからな、無くすなよ?」

 

「プレートの一面に魔方陣が刻まれているだろう。そこに、一緒に渡した針で指に傷を作って魔方陣に血を一滴垂らしてくれ。それで所有者が登録される。'ステータスオープン'と言えば表に自分のステータスが表示されるはずだをああ、原理とか聞くなよ? そんなもん知らないからな。神代のアーティファクトの類いだ」

 

 この程度の説明は知っているので、さっさと言われた通りに指に針を少しだけ刺して血を垂らしてこっそりと'ステータスオープン'と言った一瞬淡く輝くと文字が表示された

 

 

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 遠藤浩介 17歳 男 レベル:1

 天職:暗殺者

 筋力:100

 体力:120

 耐性:60

 敏捷:180

 魔力:30

 魔耐:30

 

 技能:暗殺術・気配操作・影舞・直感・言語理解

 

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 へぇ、これが初期値か...筋力と体力、敏捷が高いな。勇者(笑)がオール100だとして勝ってるのがこの2つか。

 

 

一人プレートとにらめっこをしていると、説明が終わったのか全員がステータスを見ている

 

「南雲はどうだったんだ?」

 知ってはいるが、確認の意味を込めて一応みせてもらう

 

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 南雲ハジメ 17歳 男 レベル:1

 天職:錬成師

 筋力:10

 体力:10

 耐性:10

 敏捷:10

 魔力:10

 魔耐:10

 

 技能:錬成・言語理解

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「お、錬成師...か、鋼錬(はがれん)みたいなのか?」

 

「それは錬金術師だから違うと思うけど、というか遠藤君凄いね? このステータス」

 

「俺なんかより多分、天之河の方がヤバイだろ天職が勇者だったりしてな」

 

「確かに天之河君なら勇者でチート技能持ってそうだよね」

 

 二人で天之河(勇者様(笑))について話していると、メルドの一言で南雲が凍りつく

 

「後は.....各ステータスは見たままだ。大体レベル1の平均は10くらいだな。まぁ、お前達ならその数倍から数十倍は高いだろうがな! 全く羨ましい限りだ! あ、ステータスプレートの内容は報告してくれ。訓練内容の参考にしなきゃならんからな」

 

「ぐふっ」

 

「南雲は心に100のダメージを受けた」

 

「はあ、こういうのって俺TUEEEEだと思ったのに」

 ふざけて言ってみたが予想以上に落ち込んでいるようだ

 

「落ち込むのは早いって、こういう話でのお決まりを思い出してみろよ」

 

「ピンチに陥ると、覚醒する~的なやつ?」

 

「そうそう、諦めんなって」

 話し合っていると、メルドに「二人も列に並んで報告しに来てくれ」と言われて初めてクラスメイト達が一列に並んでいることに気がついた。

 

「次は...遠藤か。ではプレートを見せてくれ」

 

「はい」

 返事をしてプレートを手渡す

 

 

「ほう、暗殺者か...素質はあると思っていたが」

 おっと影が薄いからかな? そうなのかな? ケンカ売ってる? とか思ったが、頑張って表情をつくり、「ありがとうございます」と返した

 

 ついに南雲の順番になり、メルドは先程までのホクホク顔から一転して、「うん?」と笑顔のまま固まり、「見間違いかしらん?」と目をゴシゴシしたり、プレートを叩いたり、光にかざしたりした後に微妙そうな表情で南雲にプレートを返した

 

「ああ、その、なんだ。錬成師というのは、まぁ、言ってみれば鍛治職のことだ。鍛冶するときは便利だとか...」

 と、歯切れ悪く説明するメルド

 

 そこへ、南雲のことをよく思っていない...目の敵にしている者の筆頭である檜山が、ニヤニヤしながら近づいてくる

 

 これから始まるのは原作通り、檜山が南雲をボロクソに言う胸くそ展開だ。

 しかしまぁ、親友をボロクソに言うんなら...それなりの対価が必要だろう

 

 俺は息を潜め、何を面白いのかニヤニヤしている檜山の足を払う

 

「なっ...おぶっ?!」

 盛大にすっ転んで、顔面を地面にぶつける檜山

 

「何やってるんだよ~」

 と、クラスの殆どが何もないところでひとりでに(・・・・)転んだ檜山を笑っている。勿論おれも

 

「く、おい南雲! お前そんな非戦闘系でどうやって戦うんだ? メルドさん、錬成師って珍しいんっすか?」

 

「...いや、鍛冶職の十人に一人は持っている。国お抱えの職人は全員持っていたな」

 

「おいおい、南雲~。お前、そんなんで戦えるわけ?」

 

 

 

 檜山が、ウザイ感じでハジメと肩を組む。周りの生徒達──特に男子はニヤニヤと嗤わらっている。

 

 天之河くぅ~ん! ここに仲間を苛めている人がいるよぉ! 的な感じで勇者(笑)をみるが、顔をしかめているが助ける気はないようだ

 

 

「さぁ、やってみないと分からないかな」

 

「じゃあさ、ちょっとステータス見せてみろよ。天職がショボイ分ステータスは高いんだよなぁ~?」

 

 

 

 本当に嫌な性格をしている。メルドの表情から結果を察している筈なのにニヤニヤ気持ち悪い笑みで手を差し出している。他三人もギャハハ! と笑いながらまくしたてている

 白崎さんや八重樫さんなどは不快げに眉をひそめている。

 

 

 

 南雲は投げやり気味にプレートを渡す。

 

 

 ハジメのプレートの内容を見て、檜山はわざとらしく爆笑した。そして、斎藤達取り巻きに投げ渡し内容を見た他の連中も爆笑なり失笑なりをしていく。

 

 

 

「ぶっはははっ~、なんだこれ! 完全に一般人じゃねぇか!」

 

「ぎゃははは~、むしろ平均が10なんだから、場合によっちゃその辺の子供より弱いかもな~」

 

「ヒァハハハ~、無理無理! 直ぐ死ぬってコイツ! 肉壁にもならねぇよ!」

 

「くふふっあっはっはっは!」

 俺はわざとらしく笑い、此方に意識を向ける。

 

「なんだよ遠藤? 流石の大親友様も、こんなの見たら失望しちゃうのか?」

 何を勘違いしたのか笑みを深める檜山に近づく

 

「何勘違いしてんだか、俺は...」

 と、先ほどのように八重樫のお祖父さんである鷲三(しゅうぞう)さんに教えて貰った技術を使って転ばす

 

「さっきまでこんな醜態さらしてた奴が恥ずかしさのあまり人を馬鹿にして必死に気を紛らわせようとしてるのが面白くてな」

 

 

「ほい、災難だったな」

 呆然としてる三人を無視してプレートをひったくって南雲に返す

 

 一部の人が笑いをこらえている。おっと幼なじみ(仮)さんと、ポニーテールさんは笑いすぎると可愛い顔が台無しになっちゃうぞ! 

 

「て、てめぇ! この野郎っ」

 殴りかかろうとしたが、メルドに止められその場は解散になった

 

 




なんだか、雫ちゃんがたまにしか出てこないから次はメインで出したいな

お昼頃に出せたらまた会いましょう


では次回もお楽しみに

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  • 待ってま~す
  • 畑山愛子先生っ!!すっきぃぃ!!
  • 園部好き!

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