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シエル

答え合わせ

答え合わせ - シエルの小説 - pixiv
答え合わせ - シエルの小説 - pixiv
4,452文字
自己満足なだけのシリーズ
答え合わせ
脳内妄想です
ご本人様とは関係ありません

完全な自己満足です

やっとくっついたー!

……けど、これから前途多難だろうな(他人事)
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1211308
2024年2月19日 15:00

見られた

「いや、これは……」

雑に涙を袖で拭きながら首を振る

「な、なんでもないよ」

自分なりに笑ってみせたが、どうだろう

「ユーイチ…」

難しい顔をしながら荷物を適当に床に放り投げて、近付いてくる

ダメっぽい……

「ほんとに、なにも……」

黙って抱きしめられた

抵抗したかった
ユタカさんのこと穢しちゃうよ
おれは穢らわしいんだ
こんなおれ、嫌いになるよ

ユタカさんのためにも離れた方がいいのに

でも、どうしようもなく安心する
ずっと、ずっと会いたかった
抱きしめてほしかった


あの夜からずっと


「なんでも、ないのに……」

「んなわけないやろ」

報告は?
直ぐに行かなくていいの?
先生に怒られちゃうよ?


「ゆ、ゆたかさんっ……!!」


そんな疑問は言葉にならず、タガが外れたみたいに大泣きした









何時間も泣いていた
にも関わらず、ずーっとそばにいて抱きしめてくれた

「落ち着いたか?」

こくりと頷く

優しい
ほんとに優しい

そういうとこ…好き


好き


好きなんだよなぁ……


「傍に居てやれなくてごめん」

「……?」

「幸四郎から聞いたんや」

合点がいった

…ユタカさん、知ってるのか

「怖かったよな、本当にごめん」

「ユタカさんが謝ることじゃないよ……」

「優しい子やね」

ポン、と頭に手を乗せられた

……穢れる
触っちゃだめだよ
汚れるよ

ユタカさんに触れられる度に、罪悪感が募っていく

「でもな、許せへん」

「……」

「相手も自分自身も」

なんにも、なんにも悪くないのに

憤ってくれている
自分を責めている

なんで、おれなんかにそこまで……

「もう大丈夫だからな」

「うん…」


離れたい
触れてほしい

この2つが心の中で戦っている

意志が弱い
ハッキリしろ

いつも自分のことばっかり

ユタカさんが嫌がるやろ

好きが何やねん

そんなの関係ない

潔く、潔く身を引いた方がいいに決まってる


忘れろとは言わない
諦めろ


「こっちおいで」

手を引かれた
自己嫌悪で吐きそうになる

ベットに座らされて、真っ直ぐおれを見つめてくる

期待するな
断れ
泣いてでも嫌がれ

…ユタカさんの為なんだぞ


「まだ怖いよな」


嫌だ
嫌だ

優しい声で喋らんでよ


「けど、俺がいるから…」



あぁ…もう、


なにもかもがいやだ



「だめっ!!」


伸ばされた手を、思いっきり振り払った

ユタカさんは驚いている
こんな態度…今までとったことないもんね…

「も、もうやめよう…」

「…何を?」

「こういうこと…」

「何で?」

冷たい声だった

いきなり拒否されたらそうだよね
訳分かんないよね
普通怒るよね

今は、それでいいのかもしれない

「お、おかしいよ、付き合ってないのに…」

「今更?」

「変だよ…」

「そう?」


……だめだ

押し負けそう
押し切られそう

なんか、なんか、なにか他に…


「じ、実は……好きな人ができたの…」


「……へぇ?」

とっさの嘘にしては上出来だと思う
色んな意味で最悪だが

「年は?」

「……同い年」

「好きなんだ?」

「……うん」

違う
ほんとは年上

好きなのはほんと

「どんな人?」

「カッコよくて…何でも出来る人で…」

…ユタカさんしか頭に浮かばない

違う
違うんだよ
嘘つかないといけないのに

なんで、どうして

ユタカさんばっかり……

「君は俺の婚約者だよね?」

「…その人の方には行かないから、」

「好きなのに?」

これから先、この人以外好きになれそうにない

嫌だな
辛いな

…悲しいな

「自分の役割はちゃんと分かってる……で、でも…身体は好きな人に捧げたいっていうか…」

どうせなら記念に1回抱いてもらえばよかった

もう無理だけど

「だから、こういうのは…終わりにしたい」

「ふーん」

さっきからずっと俯いている
顔が見れない

…見なくていいか

見たらきっと、全て崩れる


「ユーイチ」

「………なに」

「本当のこと言いなさい」


ドキッとした

悪い意味で


「な、なんのこと…」

「幼なじみ舐めるな、俺を侮るな、…全部嘘やろ」

「………」

「隠さず、全て言いなさい」


い、言えるわけない

それこそ本当に終わる

素直になったらいけないんだ

引かれる
嫌われる

醜い本心なんて、迷惑なだけだ


「ユーイチ」


言ったら…だめなのに……

いつものように名前を呼ばれただけで、心の壁が簡単に壊れた


「…好き、ユタカさんが好き……」


言ってしまった
と落胆すると同時に気持ちが溢れてくる

「おれも会いたかった…」

言葉と涙が止まらない

「でも気持ち悪くて……嫌だよね、こんな気持ち、迷惑だよね、ごめんね、忘れるから、諦めるから、」

涙って枯れるものじゃなかったけ
昨日と今日で一生分泣いてる気がする

「好きになって、ごめんなさい……」

もう泣きたくないのに

みっともなく泣いている

目が痛い
頭も痛くなってきた

加害者なのに被害者ぶってる

ほんと、最低だ……


「ユーイチ」

涙で濡れに濡れた頬を遠慮なく挟んで、ユタカさんは顔を上げさせてきた

目が合うと、何故か笑った


「やっと言ったな」







「……え?」





やっと、言った…?

………なにを?



「君の欠点は鈍いとこだけやと思ってたけど、ネガティブさもやね」


???


「ようやく堕ちてきたと思ったのに…どうして違う方向に行くんかな」


怒…られてる…?





「好きだよ」



「……ん?う、ん?」


よく分からないまま返事をした

「……好きなんだ」

「うん……?」

知ってるけど……?
嫌われてると思ってたの?
そういう風に思われるような態度…

さっきとったかも…

「あのな…ユーイチと同じ恋愛感情やぞ」

こつん、と額を合わせてきた

そして謎の日本語を話されて、思考が停止する


「…………え」


「好きだ」



思わず涙が引っ込んだ



ちょっともうよくわからない




「え、えぇ!?」

「ホンマやで、嘘ついてる風に見えるか?」

「み、みえ、みえ……」

至近距離で捉えるユタカさんの瞳

…おれだって分かる
幼なじみだもん

嘘くらい見破れる

「どう?」

「………みえない」

「せやろ?」


え?
は?

じゃあほんとに……

この人、おれのこと好きなの…??


「…答え合わせしようか」

額と手が離れるのを名残惜しく感じた

今まで散々悩んでいたくせに
なんやこの矛盾

「俺はユーイチのことが好きだ」

今度はそっと手を握られて、焦る

「ユーイチは?」

「す…好き…」


な、なんだこれ

熱い
どこもかしこも熱い

握られた手が火傷しそう


「こういうの…なんて言うか知ってる?」

「……りょ、両想い…?」

「正解」

笑いかけられて、心臓が飛び出しそうになった


両想い…ユタカさんと…

ユタカさんと両想い…


「うそ…」

「ホンマやって」

信じられん…
夢?
夢なんかこれ?

「俺に触られるのは平気?気持ち悪くない?」

「……大丈夫」

なんでだろう
あんなに気持ち悪くて怖かったのに
自分から触れることさえ嫌だったのに

両想いだから?
ユタカさんとだから?

…だったらいいな


少しだけ手を握り返した


「キスしていいか」

「ぇ、んっ…」

言われた時にはもうされていた

軽く合わさって『口開けて』とお願いされた

小さく開けると深いキスをしてきた

「んぅ…っ、ぁ…」

丁寧にじっくりと口内を舐め回すやつだ

好き
気持ちいい
甘くて…もっとほしい

舌を差し出すと喜んで絡めてくる

キス1つで身体が溶かされていく

「ふ…っぁ…」

安心する
心地いい

…だいすき

「は、ぁ……」

口が離れると、肩を押されてベットに倒れこむ

「謝らなくてええからな」

覆いかぶさってきて、ゆっくりと服を脱がされる

身体のあちこちにキスを落としてくれる

相変わらず羞恥心はあるが、それ以上に心が晴れやかになる

「俺もね、ユーイチに触られるの気持ちいいよ」

「ほ、ほんと…?」

「うん、触る?」

触っていいみたいなので、試してみたくて手を伸ばす

肩や胸元、腕などをぺたぺたと触る

「気持ちいい…?」

「……うん」

うれしい
すごいうれしい

ユタカさんも、おれと同じくらい気持ちよくなってほしい

「…好きだよ」

耳に直接、吐息と声が吹き込まれる
それが身体に甘く響く

「ん、あぁ…っ」

「可愛い」


へん、へんだ

へんになりそう


両想いはうれしいけど、こっちはまずいかも……



「ユーイチくん」

「ぅん…?」

「今日は最後までしよう」


見惚れるぐらい、とても素敵な笑顔だった

言ってる内容は意味わかんないけど


「え?な、え?…最後?」

「うん」


最後……最後って…………

セッ……


「あ……」

脳がショート寸前にまでなる

今日は結ばれたってことでいいじゃん
そういうのはまた今度でいいじゃんか

おれ、もういっぱいいっぱいだよ

「ダメ?」

「え……いや…」

会話どころじゃない
せめて数十分、覚悟を決める時間が欲しい

「知識は?」

「す、少し…?」

頭の中がこの先のことで埋め尽くされている

本当に、一回、待って欲しい

「できるだけ優しくするから」

かっこいい
触って
いじめてほしい

ユタカさんの好きにされたい…


……じゃなくて!!


「ま、まってよ!」

「んー?」

脱がされた上の服は遠くに投げられた

「あの、まだ、準備というか………」

「俺がしたい」

「いや、その……覚悟が…」

「大丈夫や、俺に全部任せてな」

違う…!
そうじゃない…!!

軽く絶望していると、ユタカさんが服を脱ぎ始めた

あかん
あかん

混乱する

意識が飛びそう

しぬ
死んじゃう

行き着く先は間違いなく死……

「まっ…!」

「待たないよ」

起き上がって止めようとしたら、真剣な顔をしたユタカさんに逆戻りにされた

「何十年待ったと思ってるん?」


なんじゅうねん…??

じゅうねん?

またも知らない情報に脳が追いつかない


というかおれ…
ユタカさんに聞きたいこといっぱいある…


「ずっとこうしたかった」

「ねぇ…っ、」



「愛してるよ」



答え合わせ
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2024年2月19日 15:00
シエル
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ちきん
ちきん
2月19日

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