深淵卿に憑依しました リメイク 作:這いよる深淵より.闇の主人
始まり
気がつけば暗く、うっすらと霧が漂っているだけの何もない空間に寝っ転がっていた。
「え、なに……どういう状況なんだこれ?」
俺は学校へと向かっていた筈なんだけどなぁ……と、立ち上がって周りを見渡してみたが、辺り一面は闇と不気味さを感じる霧しかない
「うおっ!?」
「どうも~」
確認した時には誰もいなかった筈だが、視線を正面に戻すと目の前には男性がいた。急だった事から驚いて尻餅をついてしまう
「ど、どうも……って、アンタ誰だ? 急に目の前に現れたよな? それに此処は━━」
「質問が多いよ。まず一つ目の俺は誰かって話だけど……君たちが言うところの神様ってやつだよ」
「……神?」
この何もない場所で唯一の手掛かりを持っていそうだと思った男は自身を神と名乗る。だが、それを信じるには証拠が無い
「そうそう、神様だ。いや、信じてねぇな……こっちのが早いわ」
「急に何を…………くっ!?」
男は人の良さそうな笑みから一転して冷たい表情になると、乱暴な口調で俺の頭を鷲掴みにした。学年でもトップクラスの力を持っている俺が引き離そうにも、男の手はビクともしない。男の顔面を殴ってやろうとした時、頭の中に一つの映像が思い浮かんだ
「━━━俺は死んだってことか?」
「トラックに跳ねられた挙げ句、吹っ飛ばされた先でも車に跳ねられ、その先にあった工事中のビルの屋上から鉄パイプが降ってきて死ぬなんて運が悪かったねぇ」
「いやいやオーバーキルすぎだろ……で、神様が死んだ人間に何の用があるんだ?」
目の前の男が神様だということを信じることにして、自分は何をすればいいのか問う
「死んだ人間が神様と会うってシチュエーションは一つしかないだろ?」
「地獄に落ちるか天国に昇天するかの裁定……とか?」
「アホか、神様転生とか知らねぇの?」
男は、ニヤニヤとした笑みを浮かべながら聞いてきたが、俺が見当ハズレな事を言ってしまったせいか、呆れたように答えを言ってきた
「……そっちね」
「知ってるなら面倒な説明はカットな、特典は3つで行き先はランダムって感じで」
「ランダム……それって転生する世界の候補とかって知れたりするか?」
ランダムって言われても候補が何個かあるんじゃないかなぁと思い、聞いてみると……
「うん?確か今回は……《ありふれた職業で世界最強》《とある魔術の禁書目録》《転生したらスライムだった件》《ハイスクールDXD》《fate zero》《ようこそ実力至上主義の教室へ》の……6つだったな」
「(今回は?)その6つかー」
取り敢えず、その世界に行ったとしてのメリットを出すことにした
《ありふれた職業で世界最強》なら、数ある作品の中で一番好きなポニテ剣士の八重樫雫がいる。生でポニテ八重樫雫をみてみたいし、尚且つ一緒に剣の稽古がしたい。それで……まぁ、できる事なら付き合いたいなぁ
《とある魔術の禁書目録》は神裂火織の堕天使エロメイドが印象的か……いや、一番重要なのはポニテだけどもね! あの素晴らしき豊かな胸も良いと思うんだよな……あぁ~でもやっぱ神裂って言えば聖人の力だな…魔術無しでも強いってことは是非とも斬り合ってみたい
《転生したらスライムだった件》は……見てないから分からん、行かなくていいってか……行きたくない候補1だな
《ハイスクールDXD》は姫島朱乃さん目当てだな、話はよく分からないけど……とにかくポニテでおっとりしてそうで可愛い。スケベ主人公がいて……確か部長さんアンチが多いんだったか? 知らん
《fate zero》は……間近で英霊の闘いが見たいな。聖杯戦争に裏で関わったり、もしかしたらマスターになったりしてな。楽しそうだ
《ようこそ実力至上主義の教室へ》は軽井沢恵と茶柱佐枝のポニテを拝みたいなぁ~二人とも可愛いし、それか綾小路と組んで面白おかしく裏から指示出されて動いたりな。
えーと、なんか一通り習ってるんだっけ? 格闘術とか? 剣道はやったことあんのかな? 絶対やり合ったら楽しいだろう
「お前の願望って、ポニテの女に会いたいだとか剣を交えたいとかしかねぇのかよ……
「いや、別に髪型なら一番ポニーテールが好きってだけで、それだけで判断してるわけじゃなくて、その人にはその人の髪型ってもんがあるわけですし? 全人類女子がポニテだったら変でしょ? 俺は喜ぶけどね? 似合う似合わないがあるし……後者はあれだよ、剣や刀で戦うアニメや漫画ばかり見てたからそれに憧れて剣道とかやってたからね。俺のじいちゃんの影響で一通りの武術とか経験したし……例をあげると合気道とか八極拳かな」
「長ぇ……ペラペラ話すようになったなコイツ」
「まぁ、好きなことには全力、興味ないことには不真面目に適当にってのが売りなんでね」
「へぇ……それで? 特典はどうすんだよ」
「あ~、んじゃあ1つ目は転生先を《ありふれた職業で世界最強》にしてくれ」
「……は?それに特典使うのかお前?」
勿体ねぇ、とか目で訴えてくるが無視する事にした。だって一番行きたくない……というか行っても需要がない《転生したらスライムだった件》だったら嫌だろ。それに一番好きなの八重樫雫だし
「後は……直感とか欲しいな」
「はぁ? 直感だぁ?」
「困った時に解決策が急にひらめいたり、危険なことや危ない時、負の感情とか……そういったことを感知したり~的な?」
「なんとなく分かったわ、俺が勝手にアレンジしておくとして……最後はどうすんだ?」
ん? なんかニヤッとしたような……? アレンジって………まぁいい、気のせいだろ
「家の近くを剣道場とかまぁ、そういった道場があって鍛練ができる場所にしてくれ」
「えぇ……バカなの死ぬのコイツ?あ、もう既に死んでるんだったな」
「その反応は流石に酷すぎないか?」
なんなんだ一体、俺にどうしろと? 無双はハジメ君がしてくれると思うんだけど……まぁ、自分に出来る限りの事はするつもりだけどさ。
てか、その為に少しは強くなろうと近くに道場が欲しいって言った訳だし……
「……とか言いつつ要求した近くの道場が八重樫道場だったらなとか思ってんの分かるからな。俺ってば神だし?
——いや、そうか……魔王のね……いいねぇ……ワンチャンあるぞ」
おおっと、バレて〜ら。つーかなんだろう………あまり聞こえないが嫌な予感しかしねぇんだけど
「んじゃ行ってこいや!」
なんか企んでいるであろう笑顔でグッショブポーズをする神様に不安を抱きながら俺の意識は闇へと落ちていった
次に目を覚ますと、誰かは知らないが涙を流しながら俺のことを女性が抱き上げており、隣には一緒になって泣いている男性もいる。どうやら赤ちゃんスタートらしい
「あい(oh)」
リメイクです
勝手ながら話を少し変えて書くので、前作と少し違う所があるかもしれませんが、見てくださると嬉しいです
ヒロインについて
- 八重樫雫は確定
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