いつの間にこんな写真を…リベンジポルノ被害にあった女子高生の家族が明かす、母子で泣き続けた「苦しい日々」
あまりに軽い刑罰
2013年10月。東京都三鷹市で芸能活動をしていた女子高生が、ストーカー化した元彼に殺害される事件が起きた。被害女性は加害男性に、交際時に撮影されたと思われるわいせつ画像をネットに投稿されていたことも判明し、2014年11月の*リベンジポルノ規制(又は防止)法の成立に繋がった事件である(正式には「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」)。 【マンガ】「一緒にお風呂入ろ」母の再婚相手から性的虐待を受けた女性の「罪悪感」 これにより第三者が、被写体が誰かを特定できる方法で、プライベートで撮影された性的画像などをネット上にばらまく行為自体が犯罪となり、第3条1項により、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金の処罰対象となったが、 残念ながら、データが世界中に拡散し被害が際限なく広がり続ける状況下で、一生尊厳が踏みにじられ続ける被害の特性を考えれば、あまりにも刑罰が軽いと言わざるをえないと感じる。 取材に応じてくれた盛田伊都子さん(仮名・50歳)の娘さん(20代)も高校生の時、以前交際していた大学生からリベンジポルノの被害にあっていた。
プライバシーが隠し撮りされていた
「被害にあったのは、娘が高校3年生の時でした。娘は受験勉強に専念したいという理由で交際していたX君と別れることにしたのですが、別れ話をして3ヵ月ほどたった頃、突然ネット上にX君が娘の裸の写真などを投稿するようになったのです。X君と共通の知人からそれを知らされた娘は、口もきけないくらいショックを受けていました」(伊都子さん。以下同) ある程度の匿名性が担保されているSNS上では、しばしば「そういった画像を撮らせる方が悪い」といった論調の書き込みを目にするが、必ずしも合意があって撮られたものとは限らない。 「驚いた私はまず娘に『そもそも、なぜ、そのような写真を撮ったの? 』と聞きましたが、娘は『知らない』と言いました。それで、本当に心が痛む作業でしたが私も画像を確認したところ、確かに隠し撮りのようなものばかりでした」 別れてから画像を晒す行為自体、矮小な思考が際立っているが、隠し撮りしたものを本人の許可なく流出させるなど、悪質極まりない。 「画像はSNSのあらゆる場所に拡散されました。娘のもとには、心配した友人たちからひっきりなしに連絡が来ました。でもそれは彼らが画像を見たという意味ですから、心配されるたびに娘は慰められるどころか、晒し者にされたことを思い知らされただけでした。娘は携帯電話を握ったまま微動だにしていませんでしたが、背中から深い絶望が感じられました」 当然学校にも行けず、部屋に引きこもるようになった娘さんは、数日後に自殺を図ったという。