ピカソの前で愛人二人が取っ組み合い「ゲルニカとCF」

皆さんは画家のパブロ・ピカソを知っていますか?さすがに20世紀を代表する画家の一人ですから、ほとんど知らない人はいないと思います。1881年にスペインで生まれ、主にフランスで制作活動を行い、1973年に91歳でその生涯を終えるまでに数々の名画を描きあげました。正直私は小学校の時に教科書で初めてピカソの作品を見た時に、自分にはこの価値がわかる日は一生こないんじゃないかと思ったものですが、人生を重ねて色々と知識を得た今ではその良さというか凄さというものがわかってきました。

そんなピカソですが彼の女性遍歴はなかなか凄く、7人の女性と恋をして、2回結婚し、3人の女性との間に4人の子供をもうけております。この7人の女性は彼の作品にも皆大きく影響を与えたとされ、ピカソの画風はその時付き合っていた女性に左右されるほどだったようです。

さてそんな恋多きピカソですから、女性問題による修羅場も経験してます。今回はその中で彼の代表作であるゲルニカ(Guernica)制作時の有名なCFエピソードをご紹介します。このエピソードはピカソの愛人の一人だったフランソワーズ・ジローが著者である「ピカソとの生活」に書かれていたものです。ちなみにこの女性は7人の女性の中で最もピカソに愛された女性であると言われ、唯一自分からピカソの元を去った女性です。

ではここから詳しくこのCFについて取り上げていきます。まずこのキャットファイトエピソードは1937年5月前後の時のお話です(おそらくゲルニカ制作中の出来事ですので5月だと思われます)この時対決するのは4人目の恋人マリー・テレーズ・ウォルター(Marie Therese Walter)5人目の恋人ドラ・マール(Dora Maar)です。ここで実際のCFの前に二人がどんな女性だったかを簡単に紹介します。



年齢はマリー・テレーズは27歳でドラは29歳。二人とも女性として魅力に溢れた年齢で女ざかりといった時ですね。
まずゲルニカ制作の際にドラは助手として、その制作過程をカメラにおさめてました。そこにある日マリー・テレーズがやってきて二人は鉢合わせします。日頃から相手に対して嫉妬心と対抗心を燃やしていた二人の女性。そこで二人は口論になり、お互いに出て行けと罵りあいになります。膠着状態の中、マリー・テレーズがピカソに「どちらがでていくべきか決めて」と詰め寄ります。するとピカソは「君達ふたりで闘って決めてくれ。私は勝った方と付き合う」と言い放ちます。この二人の女性にとって、目の前の女は同じ男を愛している憎しみべく敵であり、更に既に口論により相手への怒り・憎しみは沸点に達してます。そこに「闘って勝った方と付き合う」と投げかけられた言葉は、闘いのリングにおけるゴングと同じ効果があったのでしょう。この言葉を皮切りにお互いに向かっていき激しく殴り合い取っ組み合う大喧嘩になったそうです。床には絵の具や絵筆が散らばり、かなりの大格闘になったみたいです。それを見てピカソは止めるどこかそれを眺め面白がったそうです。この事について「あれほど面白いものはなかった」と人としてどうなんだ?的な発言をしております。この闘いの結末は、ドラがカメラを壊されるのを恐れて喧嘩をするのをやめて、それを受けてマリー・テレーズも闘うのをやめて部屋から出て行って終わったというように言われておりますが、本当かどうかは不明です。ただ結論はともかく二人の女性が激しく取っ組み合いの喧嘩をしたというのは事実であり、CF好きにはとても惹かれるエピソードですね。


この二人のキャットファイトについて、”後妻打ち”と同様に一般の日本人が知っているとしたら、少し上の世代の方の場合にはこの後に紹介するトリビアの泉で知ったという方も多いと思います。

最近知ったという方であれば、youtubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」のピカソ第2弾の回で知った方が多いのではないかなと思います。
ここで余談になりますが山田五郎さんの大人の教養講座はとってもタメになってしかも面白いチャンネルです(私が今更新を一番楽しみにしているチャンネルかもしれません)。見たことない人は是非とも見てみてください。絵画の見方がガラっと変わると思いますし、とっても勉強になります。勉強といっても堅苦しさは一切なくTVの番組とかよりも全然面白いので多少長くても見るのが全く苦になりません。また山田五郎さんと一緒に進行を務めているワダさんの天然なところがとっても可愛くて癒されます(顔は出てないけどしゃべり方とかが昔の優香ちゃんみたいでかわいいです)。そしてテロップやSEも絶妙で編集さんも非常にいい仕事をしております。


ここで更に追加の情報として「トリビアの泉」で取り上げられた回と、このシーンの再現がある映画サバイビング・ピカソ「Surviving Picasso」を紹介したいと思います。


番組名:トリビアの泉

まずは専門家の方の説明の後に、昼ドラ「牡丹と薔薇」でドロドロ愛憎劇を繰り広げて当時話題となった小沢真珠さんと大河内奈々子さんが、それぞれ小沢さん=マリー・テレーズ・ウォルター、大河内さん=ドラ・マールのイメージ絵と吹き替えで紹介映像が作られてました。コメディタッチな吹き替えということもあり、この映像については特に見る必要はないかなという感じです。ちなみにこのトリビアは”78へえ”でした。


サバイビング・ピカソ「Surviving Picasso」(1997年)

出演者:Susannah Harker[スザンナ・ハーカー](マリー・テレーズ・ウォルター) vs Julianne Moore[ジュリアン・ムーア]( ドラ・マール)

このサバイビング・ピカソという作品の中でもこのキャットファイトシーンは取り上げられておりました。私は深夜にやっていたこの映画をたまたま録画していて、この作品のこのシーンでこのような出来事があったことを知りました。ただし再現度としてはかなり弱い感じで、実際はもっと激しい取っ組み合いだったと思われるので、その辺りが残念でした。でも想像を補う上でもなかなかに貴重な作品だと思いますのでここでご紹介しておきます。


キャットファイトの歴史をわかりやすくする紹介する為に引用情報として作品のキャプチャ画像を使わせて頂いておりますが、掲載に問題ありましたらお問い合わせフォームでご連絡頂ければと思います。可能な限り早急に対応させて頂きます。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • いつも楽しく拝読、拝見させて頂いています。女闘眼様の知識の広さ、深さには毎回驚かされるばかりです。このエピソード、キャットファイトファンには有名ですが、やはり文章で読んで想像すると、今でも十分興奮するネタで、ファンならだれもが皆一度は想像するシチュエーションですね。(笑)
    これからも更新楽しみにしてます。

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    • ありがとうございます。このように言って頂けると本当に作った甲斐があったなと感じられるので素直にうれしいです。
      このエピソードはかなり有名ですが、やはり色々と細かい情報が足されると更に臨場感が出ていいですよね。「ピカソとの間に子供を産んだという女性としての強みを持った女」と「ピカソの芸術性を理解できる知的な女」の闘いという対比も中々に素晴らしいポイントですね。

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  • トリビアの泉はみましたよ。
    女性の出演者がなんとも軽蔑の眼差しでコメントしてました。
    でも自分を取り合って女性同士が取っ組み合いの喧嘩をするなんて、男冥利につきますね!
    女性には理解できないでしょうね。

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    • この頃のトリビアの泉は視聴率も結構ありましたよね。私もCFとか関係なく好きで見てました。女性出演者で眉をしかめていたのはMEGUMIちゃんですね。まあ無理もないかなと思います(笑)

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