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拾
じゆう
萬
まん
字
じ
鏡
きよう
難
な ん
字
じ
尽
づくし
(『拾萬字鏡』内容見本)
令和 2 年 12 月
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拾萬字鏡 難字尽
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『拾萬字鏡』字書編集について
令和 2 年 2 月 4 日
(令和 2 年 12 月 22 日 一部修正)
字書の編集を思い立ったのは、平成 27 年(今から 5 年前)のことであるが、当初とは随分に構想が変わっている。今
後も細かい点の変更が考えられるが、現時点で筆者が考えている今度の字書についてここに書き留めておく。
1. 種類: 漢字字書。あくまでも「字書(字典)」であり、熟語は他へ任せる予定。
2. 目的:
漢字圏で用いられてきた漢字について網羅的にあつめ、それらを解説した字書は日本に限らず世界にも未だかつて
みられない。又近年みられる網羅的大字典の類は、親文字(掲出字)の出典情報が不十分であったり、そもそも明示され
ていないものがあったり、研究者や一般読者に対して甚だ不親切であると感じている。さらに掲載した漢字の存在が
怪しいものや、古資料につたわる音義のあやしむべきものに対して考証がなく、誤ったまま字典に載せているものが
現在世の中に流通している。これら諸問題を解決するのが一番の目的であり、漢字圏のみならず全世界を代表する最
も信頼のおける字書を目標とする。
3. 対象: 漢字を知ろうとするすべての者。
4. 規模:
世界(主に漢字圏)で用いられる漢字を網羅的に収録。そこで「漢字」の定義を定める必要があるが、これは明確に決
めることができないものである。梵字の漢字化や花押の漢字化など来源が明らかに別の文字体系である場合は載せな
いようにしている(ただし「卍」や「〇(レイ)」など漢字圏でひろく使われるものは別)。また、Unicode の漢字面に登
録されている文字は梵字由来であっても仮名文字由来であっても全部載せることにしている。それ以外の文字に関し
てはすべて筆者の感覚で掲載の有無を考慮している。収録字数は完成まで予測不可能だが、10 万字は超える見込み。
5. 体裁: ヨコ書、本文 2 段、親見出し 16 ポイント、注釈 10.5 ポイント、黑単色刷。部首別画数順配列。
6. 独自性・差別性:
本書は出典ならびに用例重視の字典で、情報の正確さが他書にない点。用例は古今の字書や漢字の専門書、教科書
等の漢字使用の指標となる資料のみならず、日記や手紙、小説など私的な記録、漢字圏の人々の生活と密接にかかわ
っている漢字資料、看板や石碑、広告など屋外の漢字資料までひろくあつめ、それらを年代順に整理。結果として過
去から現在までの漢字の発生時期や流行時期、さらに漢字の使われた場所など本書により求めることができ、古代か
ら現在に及ぶまでに形成された漢字の総記録となる。また、漢語方言字やその他の特殊な漢字は現在まで日本語で解
説された資料がなく、従来日本の字書に掲載されてこなかった世界の漢字を日本語で知ることができるようになる。
7. その他:
漢字は言葉と同様に変化が生じるものである。また漢字資料は世に無限にあり、現在も作成され続けている。いつ
の日か世に本書を送った後も日々用例の採集、発掘調査をおこない、成果をまとめて増補改訂版を度々作成すること
を目標とする。
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編集方針
*収録範囲
・漢字文化圏(中国、台湾、香港、日本、朝鮮、越南、シンガポール、マレーシアなどその他のアジア地域)の古
今漢字資料中にみえる漢字(古壮字、和製漢字、朝鮮製漢字、字喃など方言字、地域文字の類)で確認できたもの
を選別して最大限に収録。新しく発見された漢字等の収録も惜しまず収録した。
1書籍、資料に載らない、漢字にならってできてゐる個人文字、位相文字、新文字の類も知り得た範囲で吟味し
た上、収録を試みた(位相文字、新文字の類の説明は後述)。
2Unicode などで符号化された漢字のなかでも、譌字や異体字の類は収録を省いてゐる場合がある。
3本書は漢字の世界のおくぶかさを日本語にて解釋しておかうと思ひ立って編輯した。ゆゑに常用の漢字のみな
らず、あまりつかはれることのない漢字もおさめるようにつとめた。
4原資料中で誤字のくづれた字形は、正しい字形にあらため、その旨をしめした。また例えば「赤色、縁色」の
「縁」のように灰で網掛けし、原文マヽであることをしめした。
5仮名づかひは正仮名づかひとした。
6検索の便をかんがへて親字の先頭には親字番号が振ってある。
7漢字は朝鮮や日本、ベトナムなど種々なる地域につたはり、民族や地域ごとに既存の漢字にならひてあたらし
い漢字もつくりだしてゐる。たとへば朝鮮では「畓」「欌」等、日本では「峠」「轌」等、京族やベトナムでは「𤳆」
「𫧧」等(一般に字喃とよばれる)、壮族は「 」「 」等(一般に古壮字とよばれる)......。本書ではこれら各々
の民族や地域においてつくられた方言字も収集せられてゐる。これらのほとんどは一般にもちゐることがないが、
前項にて上述のとほり漢字の世界をしるためにあへておさめたのである。
8まづ大きめの字で親字をしめし、つぎに字音をしめした。ただし方言字・国字、あるひは方言訓や方言で別の
義がある場合は〔日本〕〔朝鮮〕〔喃〕...などの如く括弧をしてその地域名をしめした。〔喃〕は中国京族と越南
京族がもちゐる文字であることを示す。
9字音について
本書では、漢語における漢字の音を上古音・中古音・近代音・現代音の 4 つに分けて掲載し、さらに現代漢字
音に關しては、〔普〕(普通話)・〔潮〕(潮州話)・〔台〕(台湾閩南語)・〔客〕(客家語)・〔廣〕(廣東語)・〔壮〕(チ
ワン語)・〔越〕(ベトナム語)・〔韓〕(韓國・朝鮮語)・〔日〕(日本語)の最大 9 言語の漢字音をローマ字表記で示
した。漢字音をローマ字を示すにあたり、本書では次のローマ字表記法を採用した。
〔普〕「漢語拼音方案」(1958 年 2 月 11 日第一屆全國人民代表大會第五次會議批准)
〔潮〕「潮州話拼音方案」(1960 年廣東省教育行政部門公布)
〔台〕「臺灣閩南語音標系統(TLPA)」(民國 86 年 1 月 12 日中華民國教育部公告)
〔客〕「客家語拼音方案」(1960 年 9 月廣東省教育部公布)
〔廣〕「廣州話拼音方案」(1960 年廣東省教育部公布)
〔壮〕1982 年に修訂された“Sawcuengh”と呼ばれる現行のチワン語ラテン文字表記
〔越〕“Chữ Quốc Ngữ(𡨸國語)”と呼ばれる現行のベトナム語ラテン文字表記
〔韓〕「국어의 로마자 표기법(國語のローマ字表記法)」(2000 年 7 月 7 日文化觀光部告示第 2000-8 號)
〔日〕ヘボン式ローマ字表記
また、方言の場合、その地域の發音に基づいて IPA 表記で漢字の音をしめした。ただし日本における国字(方言
字)の場合は字訓が多く、字音をもつものがすくないためローマ字式の表記をしてゐない場合がおほくある。
10ローマ字式で字音をしめしたあとには『廣韻』や『集韻』といった韻書やその他の字書などから反切や直音を
引いてゐる場合がある。
11本書は『玉篇』『龍龕手鏡』『四聲篇海』『康煕字典』『中華字海』『漢語大字典』『大漢和辞典』『新撰字鏡』『類
聚名義抄』等の従来の漢字字書をひろくこまかく、さまざまな古典と対照しながら確認し、あやまりがあればす
べてあらためた。特に従来の字書には引用誤りや誤字、漢字の音義のあやまりも見つかった。これをあらためず
に『中華字海』や『漢語大字典』、『大漢和辞典』等現代の字書にも引き継がれて(それが定説化して)しまってゐ
るのは大変なげかはしく遺憾である。『拾萬字鏡』はあとの時代の字書にも聢と正しく漢字がつたへられる様に
編集には細心の注意をはらふ。
12現存する書籍については、できるだけ目をとほして孫引きのない様につとめた。なほ出典となる書籍名は《》
でかこってしめしてある。又やむをゑず直接目をとほせぬ書籍を孫引きする場合にはかならず「《》引《》」の形
式でしめす様にした。
13出典となる資料はなるべく古いものから引用することをつとめ、引用文末や出典資料名末には資料の年代を()
でくくり西暦でしめした。たとへば《新撰字鏡》...引...用...文...。(901)とあれば、その資料は西暦 901 年(或い
はそれまでに成立をみたもの)のものであり、同時に 901 年当時にその意味の漢字が存在してゐた証拠になる。
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文字・漢字発生史の指標となり漢字學のあらゆる分野で活用できるものと思ふ。
14引用する文が白文の場合には適当に「、」「 」「。」の句読点を打った。
15各民族の「方言字」や「方言義」の場合や新語、新造字の場合はかつて字書や書籍に載ることがすくないため
に証拠となる出典が得られず表示してゐないことがある。その場合最近の文字とみて一律《新造》とし括弧の中
にしめす年代は編者あるいは提供者による発見および採取した年をしめした。あらかじめご了解ねがひたい。な
ほ出典でしめした書籍のすべては巻末の「参考書目」の一覧にてたしかめることができる。また、本文中の〔壮〕
としるされた古壮字の出典はみな『古壮字字典』である。
16字義の解説頭に廃語には†、死語には‡を附した。なほ本書において廃語とは 2001 年以降用例のない語彙を
指し、死語とは 1901 年以降用例のない語彙を指す。無印は用例が 2001 年以降にあることをさす。
17漢字の見出し頭に常用字には⁑、罕用字には*、廃字には†、死字には‡を附した。認定基準は次の通りであ
る。
⁑ 常用字 漢字圏のいづれかの地域において常用字あるいは常用漢字指定である漢字。ある地域で常用
字となってゐればこの記号がつく。
* 罕用字 2001 年以降の用例が確認できるが常用字には指定されてゐない漢字。(独自調査)
ある地域で用ゐられてゐればこの記号がつく。
† 廃字
1901 年以降 2000 年以前の用例が確認できる漢字で 2001 年以降の用例が確認できない漢字。
(独自調査)
越南などの喃字や壮族の古壮字、朝鮮半島の俗字など 2000 年以後に漢字の使用がほとんどさ
れてゐない、或いは廃止された地域の俗字は結果的に廃字や死字に認定されることが多い。
‡ 死字 1900 年以前の用例・字書の記載がある漢字で 1901 年以降の用例が確認できない漢字。(独自
調査)
(無印)
本書に《新造》とあるやうな最近できた漢字、流行字、個人文字であったり、本書の親字頭
に A や G の記号がつく筆写字形や誤字形であったりする場合は無印である。これは一時的な
漢字であって古い資料が確認できない、筆写字形や誤字の場合使用されてゐても正字や本字
に用例を帰属させてゐるなどの理由で認定できないものと判断してゐる。新造字の場合、一
時的な造字となる可能性もあるため判定が下せない。これから用例が増えていけば軈て何ら
かの認定を下せるであらう。
*なほ、本書でいふ「用例」とは漢字字書を除いた日用的な漢字資料(手稿や小説、看板、地名、屋号、国語辞
典、百科事典、方言辞典など)で日常的に使用されてゐる例をいふ。漢字字書の場合使用されない漢字を拾って
のせてゐることがしばしばあるので必ずしも当時の用例とは言ひ切れないといふ考へからである。よってある国
や地域の罕用字表や文字コードおよび文字規格に含まれてゐても本書において廃字や死字に認定されてゐる場
合がある。【1617は検討中】
18本書でいふ異体字とは、親字と同音で且つ同義あるひはそれに近い義をもつ親字とは異なるかたちをもつ漢字
をさす。
19異体字は字音の直後、もしくは字義の直前に【】でかこってしめしてある。異体字は石碑や書籍など文献によ
ってかぎりなく存在してをり、誤字もふくまれてゐるのかどうかの見きはめと整理が大変むづかしい。ゆゑに異
体字の収録には原則『康煕字典』までに成立した字書に掲載のあるものだけといふ制約をもうけた(が、明らか
な譌字や嘘字のたぐひは収録をけづってゐる)。よって石碑の異体字をあつめた『碑別字新編』『偏類碑別字』や
それらも含んだ『中華字海』などの書に見 る異体字であっても本書には収録してゐないものがある。ただし『宋
元以来俗字譜』や杉本つとむ編『異体字研究資料集成』にふくまれる各種異体字資料のものからも適当にえらび
とってゐる。
20異体字のあとには出典など解説をくはへてゐるが字喃や方言字の場合は字書にてかつて整理されてゐないこ
とがおほくあるため出典の表示はしてゐない。
21異体字は種々の文献を照らしあはせ吟味し、取捨選択しておさめてゐる。よって用例があるにもかかわらず異
体字欄のなかに含まれてゐない漢字もある。特に部首が簡化字になる場合はユニコードの範囲内で異体字欄に収
録はしたものの、親字としては立項してゐない。また、部首に変体・異体がある場合も同様である。
22漢字によっては音義がつたはらないものがある。その場合は「未詳」としるした。
23解説中にある★のしるしが付いてゐるものは筆者の考へであることをしめす。
24一部の漢字に関しては[初出]の項目をもうけた。これは、その漢字がいつごろ文献にあらはれたのかをしる
目安である。
25字喃の場合、解説中には適当に熟語も加へた。これは字喃文献や現代ベトナム語辞典から選んでぬきだしたも
のである。尚、あてる漢字(字喃)が不明の場合は□であらはした。
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26活字の制約上、草冠(⺾⺿⻀)や之繞(⻌⻍⻎)、角偏(角⻆)、食偏(⻞⻟)、爪冠(⺥⺤)、示偏(⺬⺭)などの形に
ばらつきがみられる場合がある。あらかじめ御諒承願ひたい。
27部首は、検索の便と漢字圏各地の漢字を収めて煩雜を極めてゐるため、從來の康煕部首にかゝはらず、新しい
部首を設けた。新部首は原則として意符に從ひ、9 字以上共通の意符をもつ漢字があつまれば、その意符を遠慮
なく新しい部首として設けた(9 字といふ基準は康煕部首の最低ラインである)。これによって新しく設けられた
部首は、男・光・夜・看・井・多・雷...などである。
28筆画数は、草冠(⺾⺿⻀)と之繞(⻌⻍⻎)はすべて 3 画でかぞへた。示偏みな「⺭」の形をみなして 4 画でかぞ
へてゐる(が、示部は 5 画にある)。牙は 4 画でかぞへた。なほ、「者(8 画)」は『康煕字典』では「妓(9 画)」に
したがふが、活字の制約上親字の形が「妓(9 画)」になる場合でもすべて 8 画でかぞへた。
29その他十分に注意をはらったが、あやまりもあるとおもはれる。気づかれたことがござればお手数でも御連絡
いただければこのうへないよろこびである。
30漢字もことばである。新たな意味をもったり、或は新たな音も出たり、もしくは新たな漢字もうみだされたり
もするとおもはれる。そのため時代とともに字書を改訂していかなければならない。この字書が定期的に見直し
をされ、つねに最新で信頼ある拠所となることを願ってやまない。
令和 2 年 12 月 22 日改訂
漢字使用地域表示
(古代)漢語中で用ゐる場合には使用地域表示なし。漢語は漢字文化圏で全国に広まってゐるためである。基本的に表示のないもの
は以下の表示のある地域に於いても漢語ママの意味で通用すると考へてよい(但しその語(文字)が常用されるものかどうかは示し
てゐない)。
〔呉〕...呉語中で用ゐる(上海話、蘇州話、温州話など)。
〔蜀〕...巴蜀語(古蜀語)中で用ゐられた(現在は消滅。四川官話、岷江語、樂山語などに名残がうかゞへる)
〔閩〕...閩語中で用ゐる(閩南語も含む、潮州話、雷州話、海南話、台湾閩南語、新嘉坡閩南語など)。
〔湘〕...老湘語(雙峯語)中で用ゐる。
〔新湘〕...新湘語(長沙語)中で用ゐる。
〔粤〕...粤語中で用ゐる(廣州話、廣東語など)。
〔北京〕...北京官話中で用ゐる。
〔東北〕...東北官話中で用ゐる。
〔冀魯〕...冀魯官話中で用ゐる。
〔中原〕...中原官話中で用ゐる。
〔江淮〕...江淮官話中で用ゐる。
〔西南〕...西南官話中で用ゐる。
〔膠遼〕...膠遼官話中で用ゐる。
〔贛〕...贛語中で用ゐる。
〔客家〕...客家語中で用ゐる(香港客家語、台湾客家語など)。
〔壮〕...壮(チワン)語中で用ゐる。
〔侗〕...侗(トン)語中で用ゐる。
〔苗〕...苗語中で用ゐる。
〔喃〕...中国京語および越南語中で用ゐる。
〔日本〕...日本語中で用ゐる(北海道、本州、四国、九州、沖縄)。また〔日本〕とある漢字のなかには漢籍に見えず日本の文献に
残った大陸由来の漢字(佚存文字)も含まれる場合がある。
〔朝鮮〕...朝鮮語中で用ゐる(韓国、北朝鮮)
『拾萬字鏡難字尽』について
本書は『拾萬字鏡』既載の漢字のうち、知っていても意味がないであろう珍しい漢字ばかりを選んでここに載
せた難字字典である。同時に現在制作中の字典『拾萬字鏡』の内容や取り組みを広く知っていただきたく思い制
作した内容見本でもある。本書で『拾萬字鏡』がどのような字書か知っていただきつつ、漢字のおもしろさもつ
たえていきたい。漢字圏さまざまの資料をもとに 5 年かけて集めたものは、結果的に未だ類をみない貴重な情報
の宝庫となった。決して活用はできぬ資料であるけれども、情報量の多さと情報の確かさは類書に負けていない
と考えております。なにとぞ御笑覧ください。
令和二きのえね年極月日
筆者しるす
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丨 部
1 【ゞ】4 画 U+2A708
〔日本〕
〈助〉とも。《悉曇私見聞》ウゞヌゞムゞ讀ト思ハ
口古脣ノ三内ニ見合せテ。(1529)《神明鏡・上》
文籍檨々ノ物ゞ渡せリ。(1540)《邇言便蒙抄》勒
肺(ハラマキ)、腹巻ゞ。(1682)
2 【2.】4 画 U+XXXX
[音周]
〈名〉「2.1.(周折)」とは、紆余曲折。様々な事情
が複雑に入り組んでいろいろと変化があること。
《胡言漢語》2.1.、音勒忒、西洋記、今日受了這
箇和尚許多2.1.。内閣文庫本《西洋記》(第 13 回)
今日受了這箇和尚許多週摺。
3 【1.】4 画 U+XXXX
[音折]
〈名〉「2.1.(周折)」とは、紆余曲折。様々な事情
が複雑に入り組んでいろいろと変化があること。
《胡言漢語》2.1.、音勒忒、西洋記、今日受了這
箇和尚許多2.1.。内閣文庫本《西洋記》(第 13 回)
今日受了這箇和尚許多週摺。
4 【僺】5 画 U+XXXX
duǒ
〈動〉ささへる。しっかりと持ってささへる。*
「僺柱䂭」は、中華人民共和國浙江省杭州市富陽
區にある山の名。《浙江地名疑難字研究》僺、撑持。
5 【(16)】6 画 U+XXXX
〔台湾〕[音磨]又[音武]又俗[音秒]陰上
〔台〕bo2/bu2/bio2
〈名〉天地をつくった神。ものごとの根源。《台湾
彙音字典》(16)、創造宇宙而主宰者、因其爲萬類根
源、故尊稱之爲“老(16)”。(2002)《臺灣俗字典》(2019)
◎「母」と同音近義である。「母(もと)」の字を回
転させて、ものごとの源をつくった者の意をあら
はした指事文字。
6 【𠁸】15 画 U+20078
〔喃〕suốt
<名>ひねもす。朝
あさ
から晩
ばん
まで。
乙 部
7 【㐈】3 画 U+3408
〔朝鮮〕둘 dul【㐙】
*古文書において奴婢の名に用いられる字。「㐈萬」
《台湾教育部異体字字典》
8 【乥】4 画 U+4E65
〔朝鮮〕홀 hol
*口訣字。吏読漢文(朝鮮における漢文)で句読点に
付す文字。《台湾教育部異体字字典》
9 【乧】5 画 U+4E67
〔朝鮮〕갈 gal
ア*古文書において奴婢の名に用いられる字。「乧
任」「乧老味」「乧老尾」《台湾教育部異体字字典》
イ〈名・動〉放置。放置する。《台湾教育部異体字
字典》
10 【乭】6 画 U+4E6D
〔朝鮮〕돌 dol
ア*人名用字。「乭合」「李乭大」「乭今」「乭介」
《台湾教育部異体字字典》
イ*地名用字。《台灣教育部異體字字典、韓國特用
漢字表、乙部、乭項》曲乭、江原道淮陽。大乭、
咸鏡南道北靑。小乭、咸鏡南道洪原。上乭、咸鏡
南道北靑。
ウ*子どもの名。また、奴婢の名。《台湾教育部異
体字字典》
エ〈名〉いし。《台湾教育部異体字字典》引《新字
典》乭、石也。又兒名奴名多用之見俗書。
11 【𠃯】8 画 U+200EF
〔喃〕ụt【𧰦】
<形>ずんぐりした。
12 【𠃷】9 画 U+200F7
〔喃〕út
<名>末
すゑ
っ子
こ
。最後
さ い ご
にうまれた。 最
もつと
も若
わか
い。
⚡・く部
13 【 】8 画 U+XXXX
〔壮〕[音叉]
〔壮〕ca
«異體»【 】【㐅】【叉】
ア〈形〉まちがひ。あやまり。《古壮字字典》 、
差、差錯、錯。(1989)
◎漢語「差」と同源。
イ〈形〉質のわるいさま。《古壮字字典》 、質量
低劣。(1989)
◎アの引申。
14 【】10 画 U+XXXX
〔喃〕俗[眉𧘇切]陰上【躾】【𨊋】【𦝺】【】
〔越〕mẩy
〈名〉からだ。「𨉟~」。