割り勘など、日常生活でよく使う割り算。
しかし、負の数を使った割り算は、大人になってからほとんど利用する機会がないのではないでしょうか。
そのため、計算ルールを忘れてしまっているかもしれません。
今回の問題に挑戦して、負の数の割り算を覚えているか確かめてみてください。
問題
次の計算問題を解いてください。
9÷(−9)÷(−10)
※答えは、分数でも小数でもOKです。
解答
正解は、「1/10(小数での表記の場合:0.1)」です。
計算式に負の数が入っていても、答えは正の数になりました。
「どうしてこうなるの?」と疑問に思う人は、次の「ポイント」で負の数の計算ルールを確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、正の数を負の数で二回割っている点です。
9÷(-9)÷(-10)
まず、以下の割り算ルールを確認しましょう。
割られる数、割る数が異符号どうしなら、答えは負の数になる。
例:−12÷3=−4(負の数÷正の数) 12÷(−3)=−4(正の数÷負の数)
割る数、割られる数が同符号どうしなら、答えは正の数になる。
例:12÷3=4(正の数÷正の数) −12÷(−4)=3(負の数÷負の数)
それでは、このルールに従って問題の計算をしていきましょう。
まず最初に、9÷(−9)を計算します。割り算が二つ続いていますので、左から順に計算します。
9÷(−9)÷(−10)
=−1÷(−10)
9÷(−9)は、正の数÷負の数なので異符号どうしの割り算です。よって答えは負の数、−1になります。
次に、−1÷(−10)を計算します。これは、負の数÷負の数ですから、答えは正の数になります。
−1÷(−10)
=1/10
最初の割り算で負の数として出た答えを、さらに負の数で割ったため、最終的な答えは正の数になったのです。
まとめ
今回は、負の数が二つ入っている割り算問題に挑戦しました。
負の数の割り算では、計算に使う二数が異符号どうしなのか、同符号どうしなのかで答えの符号が変わります。
計算ルールはシンプルなので、負の数の他の問題にも挑戦してみてくださいね。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
負の数の問題にもう一問挑戦!