沖縄在住の男性Ｎ様から「会いたい」とご連絡をいただいた。二年前、人生的に色々あり、このまま死んでしまおうと思った時に坂爪さんを知った。そして、命を救われた。いつか、必ず御礼を伝えたいと思っていたら、坂爪さんが沖縄にいることを知って、慌てて連絡をした。連絡をする時は指が震えた。このまま連絡するのをやめてしまおうかとも思ったけれど「えいやっ！」と思ってラインをした。仕事を抜け出してきたから、お茶をする時間はない。ただ、御礼だけを伝えたくて来た。本当にありがとうございます。Ｎ様は、そのようなことを話した。

私は、胸が震えてしまった。わがまま放題やりたい放題、言いたい放題に言い続けただけのブログでも、自分でも気付かないところで誰かの命を救っていることがある。素晴らしい話だ。何か大きなものに感謝をしたくなった。Ｎ様は一冊の本をくれた。手ぶらで会うのもあれだと思って、急いで本屋さんに駆け込み、大好きな本を買った。坂爪さんが本や花を配っているのを見て、自分も自分の好きな本を配るようになった。この本にもまた、自分は命を救われた。今は仕事で那覇に来ているのだが、車もある。だから、本当に困った時はいつでも連絡くださいと言って、Ｎ様はにこやかな笑顔で帰った。

話した時間は五分程度と短かったが、満ち足りた気持ちがした。素晴らしい出会いは、年齢を問わない。時間を問わない。回数を問わない。たった一度きりの出会いだとしても、こんなにも豊かな気持ちになれるのかとびっくりした。早速、もらった本を読んだ。これがまた素晴らしい本だった。ありがとうという言葉には魔法の力がある。心を込めなくてもいいから、嘘でもいいからありがとうと口にする。すると、良いことが起こる。末期がん患者は「本当にそう思えなくていいから、ありがとうを二万五千回言うと涙が出てきて本当に感謝できるようになる。本当に感謝できる状態で更に二万五千回言うと、周囲からも顔色がよくなったねと言われるようになる。更に二万五千回言うと、がん細胞が消えてなくなる」などと書かれてあった。

私は早速真似をした。余談だが、トイレ掃除にも威力があるらしい。素手で、道具を使わず、ティッシュペーパーだけでトイレ掃除をすると運気が上がる。便器の中に素手で腕を突っ込むと、自我が消えるらしい。この感覚はわかる。ありがとうの魔法も、トイレ掃除の魔法も、お金がかからない。失敗しても損失がない。だったら「やる」の一択である。私は、ありがとうありがとうありがとうと念じながら読書を続けた。すると、驚いたことに、沖縄在住の女性Ｍ様から連絡が来た。お会いしたことはないのだが、そこには想像を超えた魅力的なオファーが書かれてあり、私は度肝を抜かしてしまった。

ハブに毒があるように、人間にも毒がある。ハブの毒は牙にある。人間の毒は言葉にある。顔つきにある。雰囲気にある。私は下駄を履いている。私を見て、怪訝な顔をする人もいれば、陰口を叩く人もいる。だが、人懐っこい笑顔で「涼やかですね！」とか「音がいいですね！」とか「私も履いてみたい！」と言う人もいる。下駄を好意的に受け入れてくれる人は、おおらかな人が多い。私は、おおらかな人と繋がる。夢は叶う。だから、日常的に使う言葉には気をつけた方がいいのだと思う。不平や不満は、ありがとうを殺す。文句ばかり言っていると、文句ばかり言っている顔になる。顔に全部出る。あれも欲しいこれも欲しいとエゴは２４時間不足を嘆くが、朝、目が覚めただけでも超ラッキー。あとはおまけ。生きている時間はボーナスタイム。ありがとうと言ってみよう。トイレ掃除をしてみよう。会いたい人に会ってみよう。何でもいいからやってみよう。読み終わったので、ご希望される方に本をお譲りします。素晴らしい本はどんどん広まればいいと思う。嫌な気持ちで繋がるのではなく、素晴らしいものを素晴らしいと思う気持ちで繋がりたいと思う。