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 東京都新宿区のJR山手線新大久保駅で21日朝、ホームから線路に落ちた女子大学生を韓国人留学生が助け出していたことが24日、分かった。
 留学生は、東京都杉並区に住む申鉉亀さん(27)(写真1)。同駅では2001年1月、線路に落ちた男性を助け出した韓国人留学生李秀賢さん(写真2)http://home.nownuri.net/~gibson71/=当時(26)=が電車にはねられ亡くなっている。
 申さんは李さんと同じ東京都荒川区の日本語学校に通っており「先輩のことを瞬間的に思い出した。先輩に助けられて普段の何倍もの力が出た」と話している。
 申さんらによると、21日午前5時半ごろ、山手線内回りのホームで、トイレに行く途中だった申さんが、線路に転落し倒れている女子大生を発見。ホームには20人ほどの客がいたが、見ているだけだった。
(共同通信) - 5月25日1時25分更新女性線路転落 韓国人留学生が救出 JR山手線新大久保駅
JR山手線新大久保駅で線路に落ちた女性を救出した申さん=東京都新宿区で24日午後8時、永井大介写す (写真1)(毎日新聞)10時09分更新


 
  義と涙 日韓つなぐ 留学生 転落救助死

 「犠牲、両国の悪縁切った」韓国紙、連日の報道



 「現代に儒教精神」


 JR新大久保駅の事故で亡くなった韓国人留学生・李秀賢さん(写真2)の遺骨、遺影を抱き帰国した父盛大さん(右)と母辛閠賛さん(中央)ら=30日午後、釜山市の金海空港(写真3)(釜山日報提供)

 【ソウル30日田代俊一郎】東京都新宿区のJR新大久保駅で、ホームから線路に転落した男性を助けようとして死亡した韓国人留学生、李秀賢さん(26)の行動を、韓国各紙は論語の「殺身成仁(義のために命を犠牲にする)」などを引用し、連日、大きく報道している。社説などでは、李さんの死は韓国社会が喪失しつつある儒教精神の義の心を覚せいさせたという論調のほか、「悪縁を切る」といった日韓の不幸な歴史を友好的なものに昇華させる犠牲的な行為として伝えている。
 李さんの地元の「釜山日報」は二十九日、「エウレカ、義人李秀賢」と題した社説を載せた。エウレカというのはアルキメデスの原理を発見した時、アルキメデスが「私は悟った」という意味で叫んだ言葉だ。 社説では「今、韓日両国には“あっ、生と死の意味はこんなことであろう”という“エウレカ”の叫びで満ちている」とし「道義心が強くて意志が固い人は、命を惜しむために義を犠牲にしないということを、李氏の死は雄弁に語った」と書いた。
 他の新聞も、社会面や記者コラムなどで「義のある死、韓日追慕の波」(東亞日報)「韓国の留学生“殺身成仁”」(ハンギョレ新聞)「韓国青年 殺身、日(日本)列島が感動」(朝鮮日報)などと報じている。 中央日報は「“殺身”で悪縁を切った」。李さんの家系はおじいさんが植民地時代に日本に徴用されて苦労したことなど日韓の歴史を背負っている。「このような悪縁を乗り越え、李秀賢が義のある死を選択したのは無駄にならない」との父親の言葉を引用している。
 これは金大中大統領が送った弔電のなかの「(李さんの)義のある生き方は今後の韓日友好協力関係の発展とともに永く残ることになる」との言葉に響き合うものだ。
 李さんの日本での死が反日感情といった過去に向かうのでなく、日韓がともにその死を悼み、死を無駄にしないために新しい関係を築いていくとの論調は、現在の日韓友好の深さを示しているともいえる。

 李さん遺骨無言の帰国 恋人、空港に出迎え
 【ソウル30日共同】東京のJR駅で、ホームから線路に転落した男性を助けようとして死亡した韓国人留学生、李秀賢さん(26)の遺骨が三十日午後、両親の胸に抱かれて自宅のある釜山市の金海空港に無言の帰国をした。
 空港には釜山市長や秀賢さんが在籍する高麗大の同級生のほか恋人のハン・ジョンイムさん(26)も姿を見せ、父の李盛大さん(61)と母の辛閠賛さん(50)を慰めた。
 盛大さんは大統領秘書官から金大中大統領の弔意を伝えられると「不肖の息子のために国民のみなさんから多くの関心を寄せていただき、ありがとうございます」と涙で言葉を詰まらせた。
 臨時に設けられた空港内の弔問所には二百人以上が参列。遺族のすすり泣く声が漏れる中、簡単な告別式も行われた。
 遺骨は自宅にいったん運ばれた後、近くの寺に安置され、僧りょが読経する中、遺族らがめい福を祈った。 一方、韓国政府は同日、金大統領の指示で秀賢さんに国民勲章を授与し、遺族に一時金一億二千八百四十万ウオン(約千百四十万円)などを贈ることを決定した。所管の保健福祉省職員が空港で盛大さんに勲章などを手渡した。


 ●転落救助死概要● ホーム救助死の2人 カメラマンと韓国人留学生
 JR山手線の新大久保駅で二十六日夜、酒に酔ってホームから落ちた男性を助けようとし、ともに電車にはねられ死亡した二人は、警視庁新宿署の調べで二十七日、横浜市緑区竹山、カメラマン関根史郎さん(47)と、韓国人で東京都荒川区東日暮里、日本語学校生李秀賢さん(26)と分かった。
 調べによると、関根さんと李さんは同駅ホームにいて、埼玉県朝霞市の左官坂本成晃さん(37)=死亡=が転落したのを目撃、助けようと線路内に降り、巻き添えになった。二人とも坂本さんとは全く面識はなかった。
 坂本さんは仕事を終えた後、仲間と一緒に新大久保駅近くの飲食店で酒を飲み、さらに駅の売店で日本酒を買ってホームで飲んでいるうち、よろけて転落したらしい。

 ■「李さん基金」創設へ 東京
 韓国人留学生李秀賢さんが通っていた日本語学校「赤門会」(東京都荒川区)は30日、「李秀賢君の勇気をたたえる基金」設置を発表した。振込先は郵便口座番号01100―2―100314、受け付けは31日午前9時より。
 また同校の新井時賛理事長は、全国の日本語学校でつくる財団法人「日本語教育振興協会」(東京都新宿区)が、留学生からの募金を受け付ける窓口を同協会内に設けることを明らかにした。近く口座などを決める。
 当面は李さんの両親への弔慰金や見舞金に充てる。将来的には留学生支援の基金にすることも検討中。
 ■ネットに追悼メッセージ 李さんサイトに次々
 東京都新宿区のJR新大久保駅で、ホームから転落した乗客を助けようとして死亡した韓国人留学生李秀賢さん(26)は生前、インターネットのウェブサイトを個人で設けていた。サイト内にある掲示板には、二十六日の事故後から、友人だけでなく、日韓両国の人々から「あなたのことを忘れない」「日韓の懸け橋になることでしょう」など、多くの追悼メッセージが寄せられている。
 李さんが趣味のギターを弾く姿や、韓国内を友人とツーリングで回った日記を掲載したサイトにはアクセスが急増。多い時には一時間に数千件のアクセスがあり、一時はつながりにくくなるほど。
 韓国からは「あなたの死によって多くの日本人が、韓国人の美しい心を理解するでしょう」(三十代男性)、「韓国人としての自負心が感じられます」(二十歳女性)などの多くの書き込みが寄せられた。
 日本人からも「あなたの勇気ある行動が結果として輝かしい未来を奪ったことに無念さを感じます」などのメッセージが寄せられた。

 ●李さんのサイト(韓国語)  http://home.nownuri.net/~gibson71/

 ■消防マン敬意の募金 北九州
 北九州市消防局は30日、東京都新宿区のJR新大久保駅でホームから転落した男性を助けようとして死亡した韓国人留学生ら2人の行動に敬意を表し、遺族への弔慰金を募る募金箱を局内に設置した。消防局員、消防団員計約3000人を対象に募金を呼びかける。
 同市消防局は「2人の勇敢な行動は、市民の安全を守る消防マンの精神に通じる」として来月末まで弔慰金を募り、遺族に届けることにしている。

 ■2遺族に災害給付金 警視庁
 警視庁は30日、死亡した韓国人留学生李秀賢さんとカメラマンの関根史郎さん(47)に対し、「警察官の職務に協力援助した者の災害給付に関する法律」を適用することを決定した。遺族には一時金か年金の給付金と葬祭給付金、警視総監からの見舞金が贈られる見通し。
 東京都内で外国人が死亡したケースで給付金支給が決定されるのは初めて。一つの事故で2人を認定するのも例がないという。

 ■首相の書状贈呈
 政府は二十九日午後、東京都新宿区のJR新大久保駅でホームから転落した男性を助けようとして死亡した韓国人留学生李秀賢さん(26)と横浜市のカメラマン関根史郎さん(47)の遺族に対し、二人の勇気をたたえ、弔意を表す森喜朗首相名の書状と金一封を贈呈した。
 また、政府は「人命救助に準ずる行為」として、緊急叙勲する方針を決め、三十日の閣議決定を経て、賜杯(木杯)を贈る。

 李さんの遺志を顕彰し設立された奨学金制度。国際日本語研修協会http://www.ijec.or.jp/learner/isuhyon.html
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