「速いバイクに乗っててビリケツですというなら、はいもうやめますって言えるんですが、今はね…」と不満げに現状を語っているのは我らが中上選手。MotoGPにおける日本代表として長らく走ってきた中上選手だが、その長いキャリアの中でも今年は最悪。去年の段階でもすでに最悪だったのに、今年はもっとひどいですとまったくの遠慮無しでホンダについての不満を隠さない。 「ちゃんとした戦闘力を持ったマシンに乗って、自分のいまの実力、みんなの中での立ち位置というのを確認したいんです」とメディアのインタビューに答えるガミさん。「これがね、ちゃんとしたマシンに乗っててビリでしたというなら、ここ(MotoGP)にいる意味もないし、もう辞めるしかないねって諦めもつくんですが、いまの状態ではなんとも判断ができません。まあやめちゃってもいいんですが」と吐き捨てる。 今年でホンダとの契約が切れる中上選手だが、果たして来季はどうなるのか。アプリリアのアレイシ・エスパルガロが今年で引退すると、来年は兄マルケスと並ぶ32歳でグリッドで最年長となる中上選手だが「どうですかね。チーム(とホンダ)次第です」とそっけない。 「そりゃチャンスがあればMotoGPで引き続き走りたいと思っていますよ。でもホンダがこのままなら…(走る意味がない)ぼくはもう二十歳の若いライダーではありません。レースするなら上位争いができるんだってところをちゃんと証明したいんです。でもいまはザルコにミアにマリーニに…みんな状況は同じでしょう?ぼくはみんなより遅いわけじゃないし、ぼくの持ってるポテンシャルはこんな後ろの方を走ってるようなものじゃないんです。今年はここまで7戦を走って、これまでで最悪の状況です」 中上選手を含め、ホンダに乗るライダー全員が苦境にあえぐ状況にある中、ホンダからは特段のサポートは届かず、マシンは基本的に開幕戦の時のまま。夏休み後にはアップデートがかけられた「新型」のRCVが届くようで、いまは全員がそれを待っているところだが、傍目で見ている状況からは、ホンダがどこまで本気で開発を進めているのかが伝わってこない。 それは中上選手も同じようで、具体的な進捗のないままただレースを消化していくしかない状況に苛立っているように見える。最近のメディアでの中上選手は、直接的なホンダ批判さえも恐れることなく不満を表明している。ホンダの開発の中心にいると言っていい中上選手でこの状況なのである。ホンダの今後には不安を禁じ得ない。 ヤマハが欧州スタイルの軽妙な仕事の進め方を身につけて、ピットにいるライダーやスタッフの間での笑顔が増えるに合わせてマシンの開発も順調に進んでいるように見えるところ、苦虫を噛み潰したような表情のまま腕を組んでマシンを睨みつけているだけのホンダが、浮上のきっかけをつかむのはいつのことになるだろうか。そして中上選手はそんなホンダをいつまで待つことができるか。
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