紅麴サプリ死亡は70代・90代 受診は12月以降に集中 厚労省

「紅麴」サプリ問題

足立菜摘
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 小林製薬大阪市)の紅麴(べにこうじ)原料を使用したサプリメントの問題で、厚生労働省は9日、サプリが原因と疑われる5人の死亡例について、70代が3人、90代が1人、年齢不明が1人だったと公表した。また、日本腎臓学会の調査で、患者の初診日は2023年12月以降に集中していることも明らかになった。

 小林製薬から厚労省に報告された5人の死亡例については、男性が2人、女性が3人。5人のうち3人に、前立腺がん悪性リンパ腫高血圧高脂血症リウマチの既往歴があった。

 日本腎臓学会の調査では、4月4日までにサプリ使用による健康被害が95症例報告された。年齢は50代が最も多く、60代、40代と続いた。

 最初に受診した時期は23年12月~24年3月に集中しており、大半の人が数カ月以上、サプリを使っていた一方で、使い始めた月に受診した人もいた。

 健康被害が報告された患者の大半は、腎臓にある尿細管の機能が低下して倦怠(けんたい)感や体のむくみを起こす「ファンコニー症候群」が疑われた。約75%の患者は、サプリの摂取を中止することで症状がある程度改善する傾向がみられた。

 日本腎臓学会の南学正臣理事長は「必要以上に怖がる必要はない」としつつ、症状がなくても腎機能障害を起こしている患者もいることから、「おかしいと思ったり、飲んでいて不安になっている方については、病院を受診して腎機能の検査をしていただきたい」と呼びかけた。

 健康被害をめぐって、厚労省は8日時点で216人が入院し、1251人が医療機関を受診したと、小林製薬から報告を受けたと発表した。同社の窓口には、同日時点で計約5万9千件の相談が寄せられている。(足立菜摘)

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