【LoRAをめぐる著作権の考え方について】自分の意見
中日新聞社から取材の申し込みがありました。
新聞社の取材と言えば、昨年の毎日新聞朝刊1面の記事に関する出来事が思い出されます。あの記事は内容が非常に不満足で、朝刊の1面にふさわしくないものでした。
日本経済新聞が最近「生成AIの著作権問題」に関する記事を掲載しました。しかし、その内容は非常に偏った見方をしているように感じられ、日本のIT分野に対する理解が十分でないことが残念ながら表れていました。
この経験から、中日新聞の記事についても同様の懸念を抱いてしまいます。日本のメディアがAI技術やその法的問題についてより深い洞察と公平な視点を持って報道することは多分無理でしょう。
したがって、私は中日新聞からの取材依頼をお断りさせていただく所存です。 本投稿は、この件に関する私の立場を表明するものです。
なお、本投稿の内容は、自由に引用・転載していただいて構いません。
漫画家・イラストレーターが主張する「画風を再現するのは権利侵害である」という件について
この問題に関して、私個人としては法律や著作権法の観点からは重要性を感じていません。その理由は、日本の法律では効果的な対応が困難だと考えるからです。
例えば、Civitaiのような海外のプラットフォームに作家の画風を模したAIモデル(LoRA)がアップロードされる事例があります。これに対して、日本の法律で規制を行うことは事実上不可能です。
これは、海外のウェブサーバーに、日本の法律では違法とされる無修正の成人向けコンテンツが掲載されても、日本の法律で取り締まることができないのと同様の構図だと考えています。
このような状況下では、国内法による規制には限界があり、実効性に乏しいと私は認識しています。
国際的な観点から見ると、日本だけが法規制を設けることの実効性には疑問が残ります。例えば、中国やアメリカでさえ、画風を法的に保護する制度は確立されていません。
このような状況下で、日本人だけが自主規制を求められるのは公平性に欠けるのではないでしょうか。国際競争力の観点からも、慎重に検討する必要があります。
一部の創作者が主張する「絵柄は表現であり、法整備によって保護すべき」という意見には、実行可能性の面で課題があります。世界中には膨大な数の作家が存在し、その全ての画風を法的に保護することは現実的ではありません。
また、「画風の再現は権利侵害にあたる」という主張には、現時点で明確な法的根拠がありません。個人的な不快感を理由に法的保護を求めることは、法治国家の原則に照らして適切とは言えません。
さて、ここまでは一般論について述べました。私自身の見解としては、善悪の判断はそのプラットフォームのルールに従うべきだと考えています。
例えば、画風LoRAをアップロードされたCivitaiのような海外のプラットフォームが「あなたがアップロードしたLoRAは権利侵害にあたるので削除しました」と通知してきた場合、私はその判断に従います。
逆に、自身の権利が侵害されたと考える作家は、明確な根拠と証拠を持って削除依頼を出すべきです。これは、AIに反対する団体のwikiにも記載されている手順です。
しかし、なぜか「自分は画風LoRAによって権利侵害された!」とSNSで喚くだけで、削除依頼をプラットフォームに出さない作家が多いのです。
漫画家の樋口紀信さんは、自身の作家LoRAの削除依頼を「もしかするとアメリカで裁判になるかもしれないからやりません」と躊躇しています。しかし、自分の権利が侵害されていると感じているのに「裁判になるかもしれないから怖くて出来ません」というのは商業作家としての姿勢に疑問を感じざるを得ません。もし、自分の単行本が無断でアップロードされても「裁判が怖いからやらない」と主張するのでしょうか?それは馬鹿げています。
また、SNSで私が「他の作家になりすましている」という指摘を受けることがありますが、この件に関してはSNSの運営による判断が最終的な基準になると考えています。個人的な主観に基づく被害報告は聞くに値しません。申し訳ありませんが、それは被害妄想です。被害妄想に真摯に付き合うつもりはありません。いい加減にして欲しいものです。
これまで私は、SNS上で権利侵害行為を行っているという指摘を受け、SNS運営への集団通報を呼びかける動きがありました。しかしながら、結果として私のSNSアカウントは凍結されていません。
同様に、私が作成したLoRAに関しても、複数回にわたって集団通報を呼びかける動きがありましたが、現在に至るまでLoRAは削除されず、ダウンロード可能な状態を維持しています。
これらの結果は、私の行動が各プラットフォームのガイドラインに照らして問題がないと判断された証拠です。
近年、生成AIによるアニメやゲームの版権キャラクターの権利侵害について、日本経済新聞などのメディアで取り上げられています。この問題に関して、私見を述べさせていただきます:
キャラクターの版権を保有する漫画出版社やゲーム開発会社が懸念を表明することは理解できます。これらの企業は直接的な利害関係者であり、権利保護の観点から発言する立場にあります。
一方で、版権を持たないメディアや、自称アニメ・ゲームファンが問題視する姿勢には疑問を感じます。版権問題は、本来、権利保有者が判断すべき事項だからです。
特筆すべきは、多くのアニメ・漫画・ゲームの版権キャラクターを保有する企業が、この問題についてノーコメントの姿勢を取っていることです。この沈黙は重要な意味を持つ可能性があり、注目に値します。
権利侵害の有無や対応の必要性は、最終的に権利保有者が判断すべき事項です。外部の者が過度に介入することは、問題の本質を見誤る可能性があります。
最近、アニメの主題歌を担当したアーティストが、生成AIによるイラストをアニメ関連イベントで使用することに対して「アニメの伝統に反する」という見解を示す事例がありました。この状況について、以下のように考えます:
主題歌を担当するアーティストと、アニメの視覚的要素に関する版権を保有する企業とでは、権利や立場が大きく異なります。
アーティストの個人的見解は尊重されるべきですが、それがアニメ産業全体の立場を代表するものではないことを認識する必要があります。
この問題に関して、版権保有企業の公式見解が出ていない中で、関係者の個人的意見を過度に強調する報道には疑問を感じます。
メディアは、この複雑な問題について、より多角的な視点から報道し、バランスの取れた情報提供を心がけるべきだと考えます。
技術の進歩と伝統的な制作方法のバランスについては、業界全体での慎重な議論が必要です。
このような状況下では、各関係者の立場や権限を正確に理解し、版権保有者の意向を尊重しつつ、技術革新とクリエイティブ産業の発展について、より建設的な議論が行われることを期待します。
結論。
結局のところ権利侵害の問題については、個人的には重要性を感じません。
この問題に関して、私は特に関心を持っていません。
表現の適切性を向上させました。 これは生成AIの効果的な活用例の一つです。
おわり。
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