困った時はフルオープン。
蚊帳付きのハンモックテントを持参して旅をしていたが、こんなものがあるから人との出会いが阻害されるのだと思って捨てた。私の願いはただ一つ。その日の朝には想像もしていなかった夜を過ごすこと。現在地は那覇。死ぬこと以外に予定はない。経済的には困窮しているが、精神的には豊かな膨らみの中を生きる。強がりだとしても構わない。豊かに生きると決めた瞬間から豊かになると信じて、神様と心ある読者の皆様に身を委ねて、予定なき日々を生きる。
片道切符で那覇に来たため身動きが取れない。困った時はフルオープン。個人の勇気はたかが知れている。呼ばれた場所に行く。呼ばれなければ那覇で死ぬ。私を神輿のように担いで欲しい。わっしょいわっしょい運んで欲しい。何もなければ野草を食べる。元気よく食べる。むしゃむしゃ食べる。本当は沖縄料理を食べたいとか思いながら元気よく食べる。風呂は海。冷房は海。身体中が塩気でベトベトしているが、海水が俺にじゃれついているのだと思えば至福。デフォルトの眠気が凄いが、道端で寝る技術が身についた。人目を気にし始めるとあっという間に死ぬが、人目を超越すれば生きていける。
沖縄は野良おじいがたくさんいるから和む。何もすることがなくふらふらしているのが自分だけではないと思えるから和む。時折野良おじいと話す。野良おじいたちの会合に呼ばれ、泡盛なのか泡盛じゃないのか不明瞭なアルコールを飲まされる。彼らにスマホはない。私はスマホを持っている。この点において私は卓越。そこらへんの野良おじいと一緒にしてもらっては困る。私は資本主義に対抗している訳ではない。ただ、単に、金がないだけだ。金がない中で、どれだけ快適に楽しく生きられるのかを探求する。何か起きればハッピー。何も起こらなければデス。遅かれ早かれデス。これは全員同じ。
何もなくなると小さなことに感動する。公衆トイレに感動する。無料でトイレが使えるなんてすごい。水が出るなんてすごい。屋根と壁があるなんてすごい。落書きも汚れも気にしない。ただただひたすらありがたい。さとうきびの生搾りを提供するおじいがさとうきびジュースをくれた。目が覚めるような甘さに「俺は生きている」と思った。ゴーヤの生搾りを提供するおばあがゴーヤジュースをくれた。目が覚めるような苦さに「俺は生きている」と思った。ことあるごとに「俺は生きている」と思うと、なんだか本当に生き生きとしてくるから不思議だ。今日か、明日か、道端でカラカラに干からびて死んでいるミミズのように行き倒れているかもしれないが、少なくとも、まだ、生きている。
この世の中は行動するバカが人生を謳歌する。心配するのではなく、面白がって欲しい。一緒に「意外と人生はどうにかなるのだな」と愉快な気持ちになって欲しい。ダメになったら「ダメでした」と言って、終わりを笑って欲しい。ミミズと会話できる女の子が言っていた。炎天下の中、灼熱の舗装路を無駄に冒険しているミミズを見つけて、女の子は言った。そんなところを歩いていたら死ぬよ、と。すると、ミミズは言った。死なないために生きている訳じゃない、と。私は令和のミミズである。ミミズの薬膳効果は高い。乾燥したミミズを煎じて飲むと万能薬になる。私が乾燥して死んだ暁には、試しに煎じて飲んでみて欲しい。元気になるか、元気を奪われるか、効果のほどは、神のみぞ知る。死してなお、琉球薬膳になることを願う。
おおまかな予定
6月27日(木)沖縄県那覇市界隈
以降、FREE!(呼ばれた場所に行きます)
連絡先・坂爪圭吾
LINE ID ibaya
keigosakatsume@gmail.com
SCHEDULE https://tinyurl.com/2y6ch66z
バッチ来い人類!うおおおおお〜!
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