2022.3.24
感染症対策を行い、十分な距離を保ってインタビューをしています。
さて、ここまでは初の3Dアクションゲームとして、「遊びやすさ」や「カービィらしさ」を作り上げてきたというお話を伺いましたが、3Dになったという部分以外についてもお伺いしようと思います。
先ほど「誰でも遊べる」「間口は広く奥が深い」という「星のカービィ」シリーズ全体のコンセプトをお話ししましたが、難易度を上げすぎないという考えとは別に、「遊びごたえがある」ということも意識しています。
そこで今作では特に、「カービィができること」を増やして遊びの幅を広げたいと思っていました。
先ほどお話しいただいた「ほおばりヘンケイ」や、ステージ上の探索要素も、遊びの幅を広げていると思いますが、さらに、ということでしょうか。
はい。
今回は、メインとなるステージとは別に「ワドルディの町づくり」という要素を新しく作りました。
ステージでワドルディを助けていくと、この町にそのワドルディたちが移り住んでいって、次第に町の施設が充実していくようになっています。
その「ワドルディの町」では、施設が充実していくと、どのようなことができるようになるのでしょう。
「カフェ」で、食べものをテイクアウトするとステージの戦いの最中でも好きな時に体力を回復することができます。
さらに、 動画「ぶき屋」ではコピー能力を「進化」させることができます。
進化させると、見た目が変わって威力がアップしたり、特別な性能が追加されたりもします。
強いボスにつまずいてしまった時にも、今までよりも攻略の選択肢が増えることになります。
なるほど。町の施設の充実によって、ボスの攻略方法を変えたり、途中で食べもので体力を回復させつつ、基本的なワザで攻略していったり、といった選択を取れるようになるのですね。
はい。
アクションが難しければ、しっかりと準備することで有利に挑むこともできるので、自分のスタイルに合わせた攻略法でボスに挑めるんです。
今回のボスは過去作と比べても歯ごたえがあるように作りこんでいるので・・・。
「ワドルディの町」の存在は初心者の方にとってゲームを進めやすく、またゲーム慣れしている方には、やりこみ要素として、遊びごたえを感じていただける部分かなと思います。
『スーパーカービィハンターズ』にも「画像よろずや」といっていろんなアイテムを買って戦いを工夫することができるような自由度を感じていただける遊びを入れていました。
こういったさまざまな要素で楽しんでいただく、ということも、実はこれまで作ってきたシリーズでつちかったことが結実し、今作に活かされています。
「ワドルディの町」では、他にも集めたコインでフィギュアをゲットするといった収集要素もあります。
フィギュアは全部で約250種類あるんですけど、ただ集めて楽しむだけではなくて、キャラクターやアイテムの説明書になっていて、さらに今作の世界の謎に興味のある方に楽しんでいただけるようなものを書かせていただきました。
カフェなどで必要なコインは、ステージの中だけでなくカフェでアルバイトをすることでも増やせたりと、町を散策するだけでも、楽しめる要素がたくさん入っています。
他にもいろいろとあるんですけど・・・
やり込み要素ですのでぜひ実際にプレイして確かめていただきたいです。
なるほど。ちなみに、前作の『星のカービィ スターアライズ』※6では、3人のフレンズヘルパーを加えて、最大4人で「おすそわけプレイ」を楽しむことができましたが、今作にもそういった複数人で遊ぶような選択肢はあるのでしょうか。
※62018年3月発売のNintendo Switch専用ソフト。「フレンズハート」を使って敵を仲間にし、仲間同士の能力をかけあわせて繰り出す「フレンズ能力」でゲームを進めていく。
今作も攻略の選択肢としてステージの中で、いつでも「バンダナワドルディ」を2Pプレイヤーとして参加させることができ、「おすそわけプレイ」を楽しむことができます。
ひとりで進めていくのが難しい場合はふたりで協力してクリアしていく、ということも可能です。
3Dなのでカメラはカービィを中心に動くのですが、それでも2Pのバンダナワドルディが画面からいなくなってしまうということが起こらないようにカメラの動きを調整しています。
ふたりが常に画面内におさまって快適に協力アクションができるようになっていますので、お友達に助けてもらう、とか親子で一緒に遊ぶ、ということもできるようになっています。
確かにそういう遊び方の選択肢があれば、初心者の方もゲーム慣れしている方も楽しめますし、繰り返し遊んでいるうちに、だんだん難しい攻略法にチャレンジしていける、といった楽しみ方もできそうですね。
ちなみに、やりこみ要素、という部分では今作はいつもよりグローバルを意識しました。
3Dアクションのゲームについては、とくに海外では難易度の高いものを好まれる方が多いのではと感じていました。
なので、今回はゲーム設定の部分で「はるかぜモード/ワイルドモード」という2種のモード選択を作っていて、町やワールドマップで自由に難易度を選べるようになっています。
3Dアクションのゲームの多くは「やさしいモード」を追加しますが、カービィは逆に「難しいモード」を追加することに決めたんですよね。
難しいほうの「ワイルドモード」は、難しい分、敵を倒した際のコインのリターン率を増やしていますし、遊びごたえも感じていただけると思います。
そう言えば、今作はいつもの「星のカービィ」シリーズより、読むテキストも多いように感じます。グローバルを意識するうえでは大変だったのではないですか。
ゲーム内のテキストについても、ゲームでは表示されない本当に細かい設定の部分まで各国のローカライズ担当者に解説し、すり合わせをしました。
ゲームの設定については、実はとても深い部分まですごく考えて作ってあるのですが、もちろん表に出すのはプレイされる方にとって必要最低限なボリュームに絞っています。
なので、お客さまから見えている部分ですべて明かしてしまうという訳ではありません。
ですが、ローカライズをしていただく担当者には、深い設定を理解いただくことで、翻訳作業がスムーズに進むという効果がありました。
そんな形で細かい設定が役に立ちましたし、私たち自身も各国語へのローカライズを通じてこのゲームの理解を改めて深めることができたと思います。
今回は、シリーズで初めて、ボタンやメニューのユーザーインターフェース(UI)※7を英語で設計しました。
日本語のUIは、私たちにとっては直感的ですが、海外だと文字数が多くなるので細かくて読みづらい、と聞いていました。
なので、今作では最初から英語で組み立てることにしたんです。
※7ボタンやメニュー画面など、プレイヤーがゲームを進めるうえで操作する部分のこと。
たしかに、日本語と英語では、同じ意味の文章でも、文字数がかなり違います。
ただ、私がテキストを書いて、実装して、ゲーム画面を確認すると、全部英語になってしまうので、苦労しました。
でも文字の見え方の調整は、遊びやすさを考えるうえで重要なので世界中で遊んでいただくことを意識してしっかり気を遣った部分です。
初心者もゲームに慣れている方も、また世界中のお客さまにも、自分に合った攻略法で楽しめるゲームになっているというのがわかりました。
それに、すべてのお客さまにこのゲームを楽しんでいただきたいという、みなさんの熱意がすごく伝わってきたように思います。
今後も「星のカービィ」シリーズは3Dアクションで続くのでしょうか。よろしければ、これからどんなカービィを作っていきたいか、教えていただけますか。
今までカービィで2Dアクションを作るために、いろんなユニークなアイデアを詰め込んできました。
でも、今回初めて3Dアクションの本編カービィを作ってみて、密度やカメラの動きなど、多くの学びと気づきがありました。
今作の技術を応用していけば、今後もカービィの新しい遊びがたくさん作れそうだと感じています。
カービィって、小さい頃遊んでいたけど、大きくなると卒業してしまう、という人もいらっしゃるのではないかと思っています。
ですが、今回の『ディスカバリー』は、今までよりも一層幅広い方々に楽しんでいただけるようなものにできたんじゃないかな、と思います。
引き続き今後も、「カービィは卒業したよ」とおっしゃるような方にも振り向いてもらえる、大人でもしっかり楽しめるタイトルにしていきたいと思います。
そしてより世界で受け入れていただけるタイトルに成長させられたら、と考えています。
今作は、全「星のカービィ」シリーズにおいてもっとも大きなプロジェクトとなりました。
しばらく本編が出せなかった期間もあった中で、これまで関わってきたすべてのスタッフの努力が結実して、やっとカービィの3Dアクションを世界中のお客さまに届けられるということを感慨深く思っています。
また今作を通して、頼もしいスタッフたちと、もっと新しいことに挑戦できる環境も整ってきました。
カービィはまだまだ無限の可能性を秘めていますし、これからも、もっとやんちゃに、自由に、新しいカービィを作っていけたらと思います。
ちょっと大げさかもしれないですけど、今作はそういう意味で、シリーズのマスターピースになったと感じています。
それと同時に、まだまだ、「星のカービィ」の長い歴史の中での通過点に過ぎない、とも思っています。
今後のカービィシリーズにも、ぜひご期待ください。
実は、今回3Dアクションに挑戦するにあたって、もともとあるカービィの良さみたいなところが損なわれないか、すごく心配していました。
でも、蓋を開けてみると、カービィらしくてにぎやかな遊びやすいゲームに仕上げることができて、それがすごく自信につながりました。
今作を励みにして、今後も、カービィらしさを大事にしながら、2Dも3Dも、もっともっといろんなことに挑戦していけたらいいな、と思っています。
本日はお時間をいただき、ありがとうございました。