「ブラックボックス」を正すと語っていた小池知事…プロジェクションマッピングの開示は「ほぼ黒塗り」
入札の審議は「10分間」!?
そんなtaka1984さんがプロジェクションマッピングの入札資料で違和感を抱いた点は他にもいろいろある。1つはタイムスケジュールだ。
「入札には受託した電通ライブと、博報堂プロダクツの2社が参加していましたが、審議は10分のみ。
これまで英語スピーキングテストなど、いろいろな開示請求をする中、入札のタイムスケジュールが出てくることもありましたが、いずれも20分~30分はかかっていました。(委員だけでの)審査10分は通常あり得ないと思います」
電通ライブと同様に、入札に参加したもう1社・博報堂プロダクツも、五輪談合事件で今年8月まで入札資格停止処分になっている博報堂のグループ企業というのも、気になる点ではある。
「不思議なのは、受注した電通ライブのプレゼン資料の全体コンセプトのページすら非開示ということ。
企業ノウハウだからということですが、実際にプロジェクションマッピングはもう進んでいるわけで、成果物が出ているのに、コンセプトを今さら隠すのは意味がわからないですよね」


「議事録」がない!?
さらにtaka1984さんが疑問を抱く問題がある。
「入札の資料が開示された中に、1つ決定的なもの、議事録がないんです。黒塗りだらけの英語スピーキングテストでさえ議事録は出ているのに。
活発な意見が出なくなるからなどの理由で、議事録が非開示とされるものもあります。しかし、今回は非開示ともされていないので、『不存在』なのだと思います。
どういうふうに入札を決めたかの記録が全くないなんてこと、あるのでしょうか。本当に10分の中で2社の審議は行われたのでしょうか。談合だったのではないかなどという憶測もしてしまいそうです」
ちなみに、令和5年度の入札時は向井一弘氏が務めていたプロジェクションマッピング実行委員会委員長・観光部長が、令和6年度は江村信彦氏に交代。taka1984さんは「年度初めの人事異動では発表されていなかったので、年度途中で代わっているのだと思いますが、不思議な時期の異動だと思いました」と首を傾げる。
また、合計金額は出ているものの、各単価は「一式」とされ、全部非開示。
「企業の競争にかかわるノウハウとされ、内訳は出ないのですが、本当は都としてはいくらで発注したかを具体的に見せるほうが都民の不信感を払拭できますよね。
何らかのズレがあったときに金額がバレるとマズいから、それを隠すためにやっているんじゃないかと私は思っています」