当時の企画書に、あのゲームの原点を見た!!

上のイラストは、初代『星のカービィ』の企画書。1990年に書いたものです。最初からカービィはカービィのイメージだったということがわかりますね。
ただ前出のとおり、最初にドット絵でカービィを描き、動かし、ビデオに撮ってプレゼンをしたので、企画書の絵はその後に描いたものになります。
カービィはドット絵が先に生まれ、イラスト絵が後なのです。なお、パッケージ絵などのイメージイラストは任天堂の方が描いています。
ところで、この企画書に、興味深い一節があります。

そう! “『スマブラ』の蓄積ダメージシステムは、初代『カービィ』の企画書上で考案されていた!”という事実です。ウソのような、ホントの話。
けっきょく『カービィ』ではカットしたのですが、企画書の存在自体が証拠になっています。
正直、『スマブラ』を作るころには、以前考えたシステムであることを忘れていたのですが、それぞれ別の理由から同じ解を導いた、ということになります。
『カービィ』では、ゲームボーイの狭い画面を活かすシステムとして記載されていました。

というわけで、今回はファミ通.comのコラム特別版としてお送りしました。
初代『カービィ』発売から25年、ゲーム制作をしてからは27年ほど経っており、昔話もいいところですね。
不思議が当然
最後に……。いまでこそ当たり前のようにシリーズを重ねるカービィですが、初代カービィはとくに、カービィ自体やプププランドが不思議な存在でした。

たとえば背景によくあるアーチのような柱。
コレはなに?
誰が呼んだか“ブルボン”なんて言われていますが、説明できるものではありません。

そもそも、クリア時になんで3人になるの? とか。

カービィがたくさん出てくる描写も多いですが、マリオやリンクがこういうことはあまりやりませんね。やったらコワい。

ワープスターも、謎が多いです。何でできて、どうして運搬してくれるのか。ゲームデザイン上の理由はありますが不思議。

幕間に、クジラの潮に運ばれることもありました。打ち上げられたら天空へ。その後、やきいもシューティング。

最終戦のデデデ城に向かうところ。固定だったアイキャッチの文字が、いきなりスクロールする背景になります。

そして、そこで道を切り開いてくれる、謎のカービィ型の誰か。もう理屈なんて関係なしです。考えるな! 感じろ!!

なにより、最後のダイナミックなオチ! 国中のたべものを取り返しにいくのですが、みずから巨大化し、城ごと運搬するという。理屈では語れない、不思議な世界の不思議な生き物。それがカービィです。
それでは、これからも『カービィ』シリーズをよろしくお願いします。
おまけ 『星のカービィ スーパーデラックス』のファミコン版試作キャラクター!
1996年発売『星のカービィ スーパーデラックス』は、文字通りスーパーファミコンで作られた企画。
だけど、スーパーファミコンのツールが整うまでのあいだ、ファミコンでキャラクターのテストをしていた資料がありますので、こちらも特別に公開します!
企画書や仕様書に描いたカービィのパターンを、テストで動かしたものですね。色数こそ少ないものの、製品版に実装されているパターンそのまま。すべてのワザが揃っています。

ビーム能力。ポーズがそのままです。エフェクトは大きく違いますね。

ヨーヨー能力。ブレイクスピンは、ヨーヨーの上に乗って回転していました。

ファイター能力。この中にすべてのワザのパターンが収まっています。
バルカンジャブ、
スマッシュパンチ、
足払い、
スピンキック、
踏みつけ蹴り、
ダブルキック、
ライジンブレイク、
片手投げに巴投げまで。
開発初期段階から、製品版そのままの設計です。

そしてカッター能力。企画書段階では四角いエフェクトを残すようになっていたのですが、解像度などの問題から青い風切りになりました。
動かすと、こんな感じ。上下のポーズ指定が少し壊れていますが、ファイナルカッターのコンビネーションは製品版そのまんまですね。
初代カービィから変わらないスタイルですが、わたしは初期段階から可能な限りイメージを仕上げたいと思っています。企画を具体化すれば、スタッフが迷わず先に進めるのは言うまでもありませんので。