形貌変駆→ザックトーラキャトルフ
オリジナル設定ありです。
イッセーの眷属化は肉体性能が原作そのままであることと、悪魔に転生するという悪魔契約を叶えるという形でコストを軽減しました。
本人達の同意があればコストが軽くなるという感想の意見を採用しました。
命の危機。
それを俺は人生で何度も経験してきた。
グランバハマルへ転移するきっかけとなった交通事故。(後悔はしていない)『いやしろよ』。
グランバハマルに転移した直後の渇きと飢え。(所持品スマホとサイフだけだったし)『まずは石を割り石器にしてそれから木の皮をはぎ(延々と続く)』。
グランバハマルで冒険者をはじめた頃に組んだ連中に騙され身包みを剥がされた時。(笑顔の優しい人達に見えたんだけどなあ)『カモを見たら笑うだろ』。
グランバハマルで冒険者をしていた頃に貴族に口封じで始末されそうになった時。(カツラだと知ったから殺すとか巫山戯んな)『周囲にモロバレなのにな』。
帰還する手がかりを求めて訪れた遺跡で陽介さんと初めて戦った時。(そこで禁手に至ったっけ?)『なのにあっさり負けたがな』。
陽介さんを(性的に)襲おうとしているエルフさんを見てしまった時に斬りかかられた時。(恥ずかしいからって酷くない?)『もうツンデレとかいうレベルじゃないだろアレ』。
メイベルの下着の姿を見て凍神剣で氷結封印された時。(遅いから起こしに行ったのに酷いよアイツ)『相棒はそれ以降アイツに敬称つけなくなったな』。
煉獄の湯でアリシアさんの入浴を覗こうとして浄化の魔法をかけられた時。(アレは消滅するかと思うくらい痛かった)『俺はなんとも無かったぞ、俺はだけど』。
そんな危機を乗り越えてきたんだ。
『これでも極一部なんだよなあ』
しかし今この時、随分と久しぶりに、この世界に帰還してからは初めて、
俺とドライグは危機に瀕していた。
「にょ」
ああグランバハマルでの経験が、あの地獄の日々を過ごしたからこそ分かる。
右手を上げて鳴き声らしき挨拶をした存在。
圧倒的な存在感の鍛え抜かれた筋骨隆々の巨体を誇る漢。
百戦錬磨の武人が如き覇気を放つ益荒男。
身に纏うゴスロリ衣装は溢れるパワーからか今にも弾け飛びそうだ。
頭部につけているネコミミは、俺は詳しくは無いがおそらく呪術的な意味があるのだろう。
思わず生唾を飲み込んだ。緊張感から頬に一筋の汗が流れ雫となって床に落ちる瞬間までをゆっくりと感じていた。
そう俺達は今、死地にいる。
口を開けたドラゴンの前に。
眼鏡を光らせた陽介さんの前に。
古代魔導具を振り上げるエルフさんの前に。
だからこそ理解した。
「『(一手誤れば俺達は死ぬ)』」
《注、死にません。
ミルたんは天使かゴリラのように心優しい存在です。あまりの強さに誤解されてしまっただけです》
「悪魔契約サービスのグレモリーです。依頼人の方ですか?」
挨拶は大事、古事記にもそう書いてあった。駄目だったらイザナギを殴ろう。
カッ!
そんな効果音を立てるように目が光る、同時に空気が吹き出した闘気で歪みだす。
(あ、俺死んだ)
『次の赤龍帝はどんなヤツかな?』
「そうだにょ。お願いがあって悪魔さんを呼んだんだにょ」
アレ?普通に依頼人?
『普通ではなかろうて』
でもこの人(?)に叶わぬ望みなんてあるのかな。
「ミルたんを魔法少女にしてほしいにょ」
フシュウと野太い声で告げられる願い。
「年齢的にも性別的にも無理がありますよ」
『一手誤れば死ぬ相手に何で素で返すんだよ相棒ォォォ!!』
つい。
「無理は百も承知だにょ。異世界へ渡っても無理だったにょ」
「あー自力で転移したから転移ボーナスが貰えなかったんですね。転移ならきちんとトラックに轢かれないと」
『トラックさんが可哀そうだから止めて差し上げろ』
「もう、こうなったら宿敵の悪魔さんに頼み込みしかないにょ」
俺は恐るべき脅威存在からの宿敵認定に、悪魔終了を悟った。
『悪魔という種族は滅ぶ運命にあったのか。眷属化は早まったな』
「悪魔さんッッ!!」
気迫の込められた声が衝撃波となって吹き荒れる、これには赤龍帝の鎧が必要だね。
『禁手より覇龍にすべきだ』
「ミルたんを魔法少女してにょぉぉぉッ!!」
「調べてみるのでちょっと待ってください」
えーっと対価はと。
悪魔専用携帯機器に電源を入れて検索っと。これならなんとかなりそうだし。上層部はどんな判断するかな。
「(ねえドライグ?)」
『なんだ相棒?今まで楽しかったぞ』
「(お別れには少し早いけど、一つ良い?)」
『少しなのか。なんだ?』
「(ミルたんの依頼を断るのと、貌の精霊を怒らすかも知れないのどっちが良い?)」
『最悪の二択だなっ?!救いはないのか?!』
「(いや依頼自体は形貌変駆の魔法でなんとかなりそうなんだけど、場合によっては精霊がキレるかなって)」
『なんとかなるのかよっ!!って、そうか神化魔炎竜か』
ドライグも思い出したか。忘れたい記憶(の一つ)だからすぐにでなくて仕方ないけど。
「(そうソレ、陽介さんが神化魔炎竜になれたんだし魔法少女にもなれるでしょ)」
グランバハマルで陽介さんが変身してくれたんだよね。結局暴走して襲いかかられたけど。あの時に覇龍を体得できなかったら死んでたわ。
『しかし形貌変駆の魔法は変身した存在に身体が定着したら元に戻れない、どちらかといえば成り代わりみたいなもんだろ?』
「(身体の一部だけでも可能だから、細かく指定すれイケるでしょ)」
『〇ペットマ〇ットだと言って遊んでいたら三日間両手が戻らなかったヤツがいたな、そういえば』
「(あの時はすいませんでした)」
『だが目の前の脅威を考えればやるべきだな。精霊の対価要求も対話のできる陽介がいればこそだ』
そうだった。
陽介さんが言ってたけど普通に精霊魔法を使う場合は対価なんて精霊力だけ。どうやら精霊はどうせ聞こえないんだろお前らはケッ、みたいな態度をして魔法に応じているらしい。
「(じゃあやる価値はあるか)」
携帯機器に表示された契約の対価を見て、むしろそうしないと不味いと判断した。
貌の精霊に何かされないなら後は交渉次第だ。
「あの依頼人様」
「ミルたんだにょ」
「ではミルたん様」
「ミルたんで良いにょ」
「あの、依頼人でさらに年上を呼び捨てには」
「ミルたんと呼べ」
「はい」
押し切られちゃった、だって怖いもん。
「魔法少女になることは可能です」
「本当かにょっ?!」
「けれどいくつか解決すべき点がありまして」
驚きと喜びの叫びを上げるミルたんにいくつかの説明と選択肢を提示する。
変身だけなら時間制限ありで、その都度自分を喚ぶ必要があること。
アニメの魔法少女に変身したまま存在が定着したら、自身の存在がそのキャラクターに成り代わってしまうこと。だが理想の存在にそのまま成れること。
自分の意思でオリジナルの魔法少女に変身できる存在になるには、詳細な情報・設定が必要なこと。
といった具合だ。
「対価もそれぞれ異なりますがどうしますか」
選ぶのは最初かな?
対価も一番軽いし。
ドンッ
叩きつけらるように置かれたソレは、まるで広辞苑が如き設定資料の束でした(なんと手書きカラーの画集まであった)。
「最後のでお願いしますにょ」
「ご契約、ありがとうございました」
これを今から読んで頭に叩きこむのかと思ったらあまりの情報量に絶望するが、ミルたんから断る気が起きないくらいの強い意思を感じました。というか何か言ったら殺られる。
無事生きて仕事を終えたのは普段登校する時間の5分前でした。ミルたんからの駄目だしが多くてここまで時間がかかったぜ(ミルたんは有給休暇)。
ちなみに肝心の対価だが、
[現悪魔政権に敵対しない。自衛か他者を守るため以外にその力を振るうことができず、悪魔を撃退しても殺害は不可とする]
だった。
対価としては温いくらいだが悪魔社会の必死さが伝わってくる内容でした。
味方にするのも怖いもんね。
下手に縛りつけたら反発して破りかねないし。
こうして悪魔は恐るべき脅威による滅びを無事回避することに成功したのであった。
魔法猩々じゃなくて魔法少女ミルたん。
昼間は経済回す凄腕サラリーマン。
真の姿は人々救う魔法少女。
どんなピンチもステッキ一振り無事解決。
悪いヤツには鉄拳制裁。
不殺を貫く正義の味方。
彼女(?)は今日も世のため人のため友人である悪魔さんのため夜の闇を駆けるのだ。
「リアス、はぐれ悪魔バイザーが何者かに倒されて拘束されていたわ」
「犠牲が出なくて良かったわ、誰がやったかは調べておいて。イッセーに私達の力を見せるのは別の機会ね」
補足・説明。
アリシアによる神聖魔法・浄化。
汚れた魂を清める効果がある。
なお悪魔は存在がアウトなため、喰らえば現四大魔王でも一撃で消滅し、堕天使はアザゼルですら天使に戻る。なお一誠は純粋な人間だったが激痛で悶え苦しみ、ドライグはなんか温い感じ、そして残留思念の皆さんは全員成仏しました。
威力がおかしいのは、
一つの惑星の唯一神による神聖魔法を、
最大級の素質持つ勇者アリシアが、
最高の増幅器である救世のワンドを用いて放ったから。
風呂場でもワンドを持っていたのは一誠を警戒していたため。
魔法猩々もとい魔法少女ミルたん爆誕。
見た目は黒髪ツインテールな巨乳ロリです。
現在駒王町の治安維持に貢献。
なお英雄派がミルたんをスカウトしてたら悪魔は終わってました。
悪魔の未来を救った一誠は上層部にきちんと評価されています。
禁手・覇龍は使い方を覚えているから現段階でも使えます。自転車とか水泳と同じ理屈です。覇龍のリスクである生命力消費は倍加によって増やして解決してました。