この記事では三菱UFJ銀行で相続手続きを進めるために必要な書類や、申請フローなどをご紹介していきます。必要書類に不備があったり、記載方法に誤りがあると何度も窓口へ問い合わせをすることになってしまいます。スムーズな手続きを進めるためにも、当記事がお役立ていただければ幸いです。
【三菱UFJ銀行】相続手続きの流れと必要書類
相続手続きにおける基本的な流れは以下に沿って紹介します。気になる点が出たら最寄りの、三菱UFJ銀行各店舗へお問い合わせください。
【step1】 口座名義人が死亡したことを役所へ連絡
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【step2.】三菱UFJ銀行で相続手続きの申し込み
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【step3】 必要書類を準備・提出
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【step4】 払戻金の受け取り
step1-口座名義人が死亡したことを役所へ連絡
まず死亡届をお住まいの役所へ提出しましょう。原則として、被相続人が亡くなったと判明した7日以内(国外で死去した場合は、3か月以内)に済ませるようにしましょう。
step2-三菱UFJ銀行で相続手続きの申し込み
役所での対応を終えたら、三菱UFJ銀行での手続きへと移ります。受付は店舗窓口で行っていますが、Webからの来店予約も可能です。スムーズな手続きを希望される方は活用してみるとよいでしょう。なお、店舗窓口で受付を進めた場合でも、「相続オフィス」とのテレビ電話で手続きを行うこととなります。
店舗窓口
平日/9:00~15:00(一部店舗では営業時間が異なる場合あり)
Web申し込み
常時受付(書類送付まで約一週間ほどかかります。土日祝を挟むと延びる可能性あり)
電話窓口(相続オフィス)
電話番号:0120-39-1034 (平日/9:00~16:00)
step3-必要書類を準備して提出
必要書類は遺言書の有無や手続きを行う人によって異なりますが、まずはどのケースにおいても共通して揃えておくべき書類と、代表的なケースで必要な書類を紹介します。
必須の書類
- 戸籍謄本など※1
- 通帳(証書)・キャッシュカード・貸金庫の鍵など
ここからは各ケースに応じた基本的な必要書類となります。なお、相続内容によっては追加書類が発生する可能性があるので、詳しくは窓口へ相談してみてください。戸籍謄本や印鑑証明書などの書類は基本的に原本が求められます。原本返却を希望される際も同様に、窓口へ伝える必要があることを覚えておきましょう。
A.遺言書・遺産分割協議書がない場合
- 相続届(資産などを承継される方の署名・捺印(実印)が必要)※2
- 印鑑証明書(法定相続人の方全員分)※3
B.遺言書が無く遺産分割協議書がある場合
- 相続届(資産などを承継される方の署名・捺印(実印)が必要)※2
- 遺産分割協議書(資産などについて承継人が明確とわかるものが必要)※4
- 印鑑証明書(相続人全員分、当行お預かり資産などを承継される方)※3
C.遺言書があり、遺言執行者がいる場合
- 相続届(遺言執行者、もしくは受遺者の方(資産などを受け取る方)の署名・捺印(実印)が必要)※2※5
- 遺言書(公正証書遺言の場合または法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用されている場合を除き、家庭裁判所の検認済証明書もあわせてご用意ください)※4※6
- 印鑑証明書(遺言執行者か受遺者の方)※3※5
D.遺言書があり、遺言執行者がいない場合
- 相続届(遺言執行者、もしくは受遺者の方(資産などを受け取る方)の署名・捺印(実印)が必要)※2
- 遺言書(公正証書遺言の場合または法務局における自筆証書遺言書保管制度を利用されている場合を除き、家庭裁判所の検認済証明書もあわせてご用意ください)※4※6
- 印鑑証明書(受遺者の方)※3
※1 返却希望の場合は申し出が必要。なお、「法定相続情報一覧図の写し」を提出する場合、戸籍謄本の提出は原則不要。
※2 三菱UFJ銀行所定の書類。
※3 被相続人名義で借り入れがある場合、発行日より3か月以内のものが必要。
※4 返却希望の場合は申し出が必要。この預かり資産について承継人が明確でない場合、「A」の手続きとなります。
※5 遺言書の内容次第で受遺者の方の署名・捺印(実印)や印鑑証明書が不要となる場合あり。
※6 自筆証書遺言書保管制度を利用されている場合は遺言書情報証明書を提出。
step4-払戻金の受け取り
必要書類が問題なければ約2週間後に指定した方法での払い戻しとなります。なお、ローン・融資や運用性商品、貸金庫など預金以外がある場合は、日数がかかる場合があるので注意しましょう。
【三菱UFJ銀行】相続手続きの注意点
住宅ローンを利用中だった場合
住宅ローンを利用しており、かつ団体信用生命保険に加入されていた方が亡くなった場合、三菱UFJ銀行が代わって保険金請求手続を進めてもらえます。進める際に必要な書類は以下の2点です。
- 被保険者の 死亡証明書(死体検案書)
- 死亡の事実が記載された住民票、もしくは除籍後の戸籍謄本いずれかの原本
詳しくは各窓口にてお問い合わせください。
口座凍結前に預金を引き出すこと
葬儀費用など相続人が全員容認できるケースを除き、亡くなった方の口座から自身の都合のみで引き落としを行った場合は相続を単純承認したことになります。また、相続人同士での揉め事へ発展する可能性があるので、みだりに行わないことを推奨します。
口座凍結後の仮払い
口座凍結後、遺産分割協議の長期化等で預金の払い戻しが滞っている場合は、相続預金の払い戻し制度を活用しましょう。申し立ては三菱UFJ銀行窓口と家庭裁判所の2つから選べます。必要に応じて覚えておくと良いでしょう。
- 銀行窓口:裁判所の手続きは不要。仮払いの理由も求められないが引き落としの上限額がある。
- 家庭裁判所:引き落としの上限はないが、家庭裁判所に遺産分割調停と仮払いの申し立て、その理由も求められる。
参照:遺産分割前の相続預金の払戻し制度のご案内|一般社団法人 全国銀行協会
困る人が続出!予想以上に大変な銀行の相続手続き
三菱UFJ銀行の相続手続きをする方法を解説しましたが、自分で手続きをしようとすると、必要書類の準備や申し込みのために、大変な労力がかかることが分かるでしょう。
【銀行の相続手続きが大変なポイント】
- 想像以上に大変な、関係者全員の戸籍と印鑑証明収集
- 平日の日中に時間をつくって窓口で手続きをしないといけない
- 相続人の数が多くなると、膨大な量の書類が必要になる
手続きのためには、亡くなった方の戸籍(除籍)謄本・相続人の戸籍謄本・印鑑証明書を集めなければならず、さらに遺言書や遺産分割協議書の有無によって、必要な書類も変わってきます。手続きのために何度も窓口を訪れることになる可能性もあるので、こうした手続きに不安がある方や時間がとれないという方は、手続きを専門家に依頼することをおすすめします。
【このような方は専門家への依頼がおすすめ】
- 平日の日中になかなか時間がとれない方
- 戸籍や印鑑証明の収集を任せたい方
- 遠方の銀行や複数の銀行に口座をお持ちの方
- どの銀行のどの支店に預金があるか分からない方
- ほかの相続手続きとあわせて任せたい方
相続プラスでは銀行手続きの相談をできる専門家を多数紹介しています。無料相談を実施している専門家も多いので、皆様の状況にあった相談ができる専門家を探してみてください。
本記事が三菱UFJ銀行の相続手続きにお悩みの方の助けになれば幸いです。大切な方の遺産と遺志を適切に管理し、故人の想いをのこしていきましょう。