死刑囚1人の刑執行 福岡一家4人強殺 森法相初の命令
2019年12月26日 16時00分
法務省は二十六日、福岡市で二〇〇三年に一家四人を殺害したとして強盗殺人などの罪に問われ、死刑が確定した中国人の元専門学校生魏巍(ぎぎ)死刑囚(40)=福岡拘置所=の刑を同日午前に執行したと発表した。
死刑執行は、神奈川県などでの強盗殺人事件で刑が確定した男二人が執行された今年八月以来となった。
十月三十一日に就任した森雅子法相による執行は初めて。第二次安倍政権での執行は計三十九人。法相によると、今回の執行により確定死刑囚は百十二人となり、そのうち八十四人が再審を請求しているという。
記者会見した森法相は「身勝手な理由で四人もの命を奪った残忍な犯行。慎重な上にも慎重に検討した上で、刑の執行を命令した」と説明。死刑制度への国際的な批判に対しては「各国の事情を踏まえて考えるべきだ」と述べた。
確定判決などによると、魏死刑囚は〇三年六月二十日、ほかの中国人二人とともに福岡市内の衣料品販売業松本真二郎さん=当時(41)=方に侵入し、松本さんと妻の千加さん=当時(40)、長男海君=同(11)、長女ひなちゃん=同(8つ)=を殺害。現金約三万七千円や預金通帳を奪い、四人の遺体に重りを付けて福岡市内の岸壁から遺棄した。
共犯の二人は事件直後に中国へ逃走したが、中国当局が身柄を拘束。一人は〇五年に死刑が執行され、もう一人は自首が認められて無期懲役となった。
今年は五月に改元と代替わりがあり、十月に天皇陛下の「即位の礼」など皇室関連行事が続いた。死刑執行は難しいという見方もあったが、二度にわたって執行された。
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