カッコがある計算では、カッコ内から計算するというのは多くの方が知っていることです。
では、カッコの中にさらにカッコがある場合はどうでしょうか?
そのような計算問題に挑戦して、正しい理解ができているか確認してみましょう。
問題
次の計算をしなさい。
10−{20−(5+4×3)}×2
さまざまな符号が混ざって、一見すると複雑ですが、落ち着いて考えましょう。
解説
今回の問題の答えは「4」です。
また、途中の計算式は次のようになります。
10−{20−(5+4×3)}×2
=10−{20−(5+12)}×2
=10−{20−17}×2
=10−3×2
=10−6
=4
計算のポイントを順に確認していきましょう。
まず、カッコや四則演算が混ざった計算は、次の順に計算しなければなりません。
(1)カッコ内の計算
(2)掛け算・割り算の計算
(3)足し算・引き算の計算
また、カッコ内にさらにカッコを入れる際は、内側から順に次のように使い分けます。
( ) → 小カッコ
{ } → 中カッコ
[ ]→ 大カッコ
計算の順序も内側のカッコからです。
今回の問題「10−{20−(5+4×3)}×2」では、中カッコ内に小カッコがあるので、内側の小カッコの中を先に計算します。
小カッコ内の計算(掛け算から計算)
5+4×3
=5+12
=17
次に中カッコの中を考えましょう。この部分は、引き算だけの計算です。
中カッコ内の計算
20−17
=3
カッコがすべて計算できれば、最後は掛け算、引き算の順に計算しましょう。
=10−3×2
=10−6
=4
このように、カッコ内にカッコが含まれる場合は、「いちばん内側のカッコから」計算です。
さらに、カッコ内で複数の計算があるときは、「掛け算・割り算が優先」となります。
複雑なように見えてルールはシンプルですね。
まとめ
長い計算式も、それぞれの部分に分解をして考えると、実は簡単な計算の組み合わせになっています。
このような計算は日常では使わないかもしれませんが、計算力を養う練習にはぴったりです。繰り返し練習することで、計算の力を鍛えましょう!
※当メディアでご紹介する数学関連の記事においては、複数の解法を持つものもございます。
あくまで一例としてのご紹介に留まることをご了承ください。
文・編集:SAJIMA
日本国内外の学校、学習塾で数学・理科の講師として幼児から高校生までを指導。現在はフリーランスとして独立し、オンラインを中心に授業を展開している。子供への学習指導だけでなく、大人向けの数学講座も開講し、算数・数学の楽しさを広く伝える活動を行っている。日本数学検定協会認定「数学インストラクター」
監修:堀口智之(ほりぐち ともゆき)
和から株式会社代表取締役
大人のための数学教室「和」(なごみ) 創業者
大人の数トレ教室 代表
一般社団法人ビジネス数学協会 理事
2010年に、日本で初めて「社会人専門の数学教室」を創業。講師40名、累計受講者20,000人を超えるほどに成長。日本最大級数学イベント「ロマンティック数学ナイト」の企画・創設。延べ10万人以上が参加。2022年に、youtube「大人の数トレチャンネル」を本格稼働を開始。約1年でチャンネル登録者数4万人を超えるまで成長。
四則演算の問題にもう一問挑戦!